「アメリカン・アイドル」シーズン10 、優勝者決定

※「アメリカン・アイドル」シーズン10フィナーレ及び優勝者についての情報が含まれます。


人気オーディション番組「アメリカン・アイドル」シーズン10のフィナーレが5月25日にロサンゼルスのノキア・シアターで開催(日本では6月5日に放送)された。番組史上最多の1億2240万票による投票の結果、17歳のスコッティ・マクリアリーが優勝し、参加者約12万人の頂点に立った。準優勝者はローレン・アライナ。3位はヘイリー・ラインハルト。

スコッティ・マクリアリーは、ノースカロライナ州出身17歳の高校生。地方オーディション当時16歳だったスコッティは、高校生とは思えない低くて渋い声を披露し、審査員たちに強烈な印象を与える。本戦では自身が得意なカントリー要素を常に歌に織り込み、視聴者からの安定した支持を得た。スコッティは「アメアイ」史上、最年少の優勝者となった。

ローレン・アライナは、ジョージア州出身16歳の高校生。オーディション当時15歳だったローレンは、地方オーディションから卓越した歌唱力を披露し、早くから優勝を狙える存在として注目されてきた。ファイナル当日、リハーサル中に喉を痛め、声が出なくなるというアクシデントに見舞われたが、医師の助けによって本番直前に回復し、本番では見事な歌声を披露。どちらが優勝してもおかしくない接戦が繰り広げられた。

フィナーレではレディー・ガガ、ビヨンセ、U2のボノ、エッジ、ジャック・ブラックなど豪華な顔ぶれがパフォーマンスを披露し、盛大な盛り上がりを見せた。「アメアイ」審査員を務めるスティーヴン・タイラーも自身のバンド、エアロスミスのメンバーと名曲「Dream On」を披露。曲冒頭で白いピアノを弾き語りしたスティーヴンは、後半でシャウト。ロックスターの貫禄を見せつけた。

今年1月に放送がスタートした「アメリカン・アイドル」シーズン10。今シーズンは、シーズン9まで審査員を務めていたサイモン・コーウェルが降板し、新たに、人気ロックバンド「エアロスミス」のボーカリスト、スティーヴン・タイラーと人気歌手・女優のジェニファー・ロペスが審査員に加わり、シーズン1から務めている審査員ランディ・ジャクソン、そして同じくシーズン1からホストを務めるライアン・シークレストらとともに、新たな体制でスタートを切った。

11人のファイナリストたちも「誰が優勝してもおかしくない」と言われるほど高い実力を持ったタレントぞろいで、「アメアイ」レースを面白くした。今シーズンの「アメリカン・アイドル」は、一貫して高い視聴率を維持し、ファイナルの視聴率は、前シーズンに比べて17%アップした。

様々な出来事もあった。交通事故の後遺症に悩む婚約者を持つ男性、クリス・メディーナがトップ24から落選した際、クリスに共感していたジェニファーが泣き崩れ、番組収録が一時中断となった。(クリスはその後、歌手デビューを果たした。)

イリノイ州出身、20歳のケイシー・アブラムは、審査員たちから真のアーティストだと評価されていたが、トップ10に進む前の投票で一度は脱落が決まる。しかし、審査員たちは、番組で1回だけ使える「ジャッジズ・セーブ」(候補者を救う権利)を迷うことなく使い、ケイシーはその後、6位まで勝ち進んだ。

ニューヨーク出身、22才のピア・トスカーノは優れた歌唱力と美貌を兼ね備え、上位に進むことは確実と思われていたが、トップ9から8に絞られる時点で、視聴者投票により落選。ジャッジズ・セーブもすでに使われていたため、彼女を救う手段は残されていなかった。彼女の脱落にハリウッドの芸能人がツイッターで反応するなど、大きな衝撃が走った。しかし、彼女もすでにアルバムの制作を始めていると伝えられている。

「アメアイ」シーズン10には、日本人が注目すべき点もあった。初回放送では、地方オーディションに参加したヨウジ・“ポップ”・アサノ(Yoji "Pop" Asano)と名のる25歳の日本人男性が登場。マイリー・サイラスの「Party In The U.S.A」をマイケル・ジャクソン風のダンスを披露しながら歌った模様が放送され注目された。

また、東日本で震災が起きたときには、番組内でライアンらが日本への支援を呼びかけ、「アメアイ」の曲がダウンロードされると、その収益の一部が日本の災害復興にあてられることが発表された。

地方オーディションから約1年、番組放送開始から約5ヶ月が経った今、スコッティ・マクリアリーを優勝者として「アメアイ」シーズン10は幕を閉じた。気になるレギュラーメンバーの来シーズンの動向だが、審査員の1人ランディは今シーズンをかなり気に入ったようで、来シーズンもジェニファー、スティーヴンらと揃って番組に戻ってくるとコメントしている。しかし、局からの正式発表はまだない。また、ジェニファーはまだ決めていないとコメントするなど、状況は流動的なようだ。

シーズン10ファイナリストたちの今後の活躍、来シーズンの審査員たちの動向に期待したい。
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