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「刑事コロンボ」ピーター・フォーク死去

2011年6月27日
人気刑事海外ドラマ「刑事コロンボ」でロサンゼルス市警察殺人課のコロンボ警部補を演じたピーター・フォークが死去した。享年83歳。

フォーク家の代理人が発表した内容によると、ピーターは現地時間6月24日夜にロサンゼルス近郊ビバリーヒルズの自宅で息を引き取った。死因は明かされていないが、米TVガイドは、2007年に受けた一連の口腔外科手術が原因とみられる認知症を患い、闘病生活を送っていたと伝えている。

ニューヨーク出身のピーターは、3歳で右目の悪性腫瘍を取り出す手術を受け義眼となった。この義眼のため軍隊に入れず、商船で働いた後、コネチカット州予算局に勤務。この頃、演劇に目覚め、本格的に役者活動をするようになり、56年に「Diary of a Scoundrel 」でブロードウェイ・デビューした。

舞台で活躍する傍ら、映画界にも進出したピーターは、60年に公開された「殺人会社」の演技が高く評価されアカデミー助演男優賞にノミネート。翌年も「ポケット一杯の幸福」で同賞に連続ノミネートされている。

その後、TV界に活動の場を求めたピーターは、65年に「The Trials of O’Brien」で初のレギュラー出演を果たしたが、ドラマはワンシーズンで打ち切りになってしまった。しかし、その3年後に放送がスタートした「刑事コロンボ」で主役に抜擢。よれよれのトレンチコートを身にまとった、とぼけた表情のコロンボが、犯人をじわじわと追い詰めるストーリー展開が人気を集め、ピーターは世界的に大ブレイクした。当たり役となったこのコロンボ警部補役で、ピーターはエミー賞主演男優賞を4回も受賞している。

私生活ではシラキュース大学時代に出会った女性と60年に結婚し、2人の養女をむかえたが、76年に離婚。翌年、「刑事コロンボ」にゲスト出演したことがある女優のシェラ・ダニーズと再婚した。養女たちとシェラとの関係はあまりよくなく、08年に養女の一人が、「父は重度のアルツハイマー型認知症であり、身の回りのことも何も出来なくなってしまった」として、ピーターの財産管理人に認めてもらうようロサンゼルス郡上級裁判所に訴えを起こし世間の注目を集めた。シェラは、「夫は健康で幸せに生活している」と、ピーターが重度のアルツハイマーであることを否定し、訴えを起こした養女は長年疎遠だったのに、金欲しさに事実無根を並べたてていると憤慨。裁判所から任命された弁護士が複数回ピーターと面会した結果、娘を法的財産管理人にする必要性はないとみなされ、裁判官はシェラを財産管理人に任命し、一件落着した。

ピーターは05年に「The Thing About My Folks」でポール・ライザー演じる息子と、車で旅に出る父親役を熱演し、06年には自叙伝を出版。遺作は2009年に公開された「American Cowslip」となっている。
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