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「ドラゴン・タトゥーの女」をパクった? 新作TVドラマが制作中止に

2012年3月6日
映画「マトリックス」、TVシリーズ「ヴェロニカ・マーズ」などで知られるジョエル・シルヴァー製作総指揮の新作ドラマ「Quean」が、映画「ドラゴン・タトゥーの女」に似ていることが問題になり、制作中止に追い込まれた。米Deadlineが報じた。

「Lの世界」のクリエイター、アイリーン・チェイケンが脚本を執筆した、米CBSの新作ドラマ「Quean」。本作は、ハッカーの少女が刑事に協力して犯罪捜査を行うクライム・ドラマとなるはずだった。パイロットの監督は映画「アンノウン」、TVドラマ「The River」などを手がけているジャウマ・コレット=セラに決定、これからキャスティングも行われることになっていた。

ところが、制作会社であるワーナー・ブラザーズ・テレビジョンのもとに、ソニー・ピクチャーズから警告状が届いたことで、「Quean」の制作は頓挫。警告状の内容は、“「Quean」が映画「ドラゴン・タトゥーの女」に酷似している”と主張するものだった。

「ドラゴン・タトゥーの女」はスティーグ・ラーソンのベストセラー小説「ミレニアム」シリーズの第1部。「ミレニアム」は2009年にデンマーク出身の監督ニールス・アルデン・オプレヴによって3部作のシリーズとして映画化され、ソニー・ピクチャーズがそのリメイク権を獲得。昨年、ハリウッド版の「ドラゴン・タトゥーの女」が公開され、主演のルーニー・マーラは主演女優賞にノミネートされた。なお、「ミレニアム」シリーズの残りの2作も順次制作・公開される予定となっている。

この警告状によって、ワーナー・ブラザーズ・テレビジョンは「Quean」の設定・ストーリーを大幅に書き換えることを決定。ヒロインは孤独な一匹狼からボーイフレンドがいる設定に、ヒロインと組む白人男性の刑事は黒人女性の弁護士に変更され、パイロットの脚本はリライトされた。だが、それでもなお、ソニー・ピクチャーズが法的手段に出ると主張したことから、“主人公がハッカー”という点が問題になることを憂慮したワーナー・ブラザーズ・テレビジョンは、最終的に「Quean」の制作を中止する決断を下したという。

アメリカでは、ドラマが一本ヒットすれば、その作品と似通ったテーマやキャラクター設定の後発ドラマが数多く生まれてくるのが常。だが、実際に、裁判所でのバトルに持ち込まれた例はめずらしい。そのため、ソニー・ピクチャーズが「ドラゴン・タトゥーの女」のTVドラマ化も視野に入れているのではないかという憶測も呼んでいる。
 
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