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映画「ハングオーバー!!! 最後の反省会」レスリー・チャウ役ケン・チョンが撮影裏話を公開
2013年6月24日
(C)2013 WARNER BROS.ENTERTAINMENT INC.AND LAGENDARY PICTURES
大ヒット作「ハングオーバー」シリーズの3作目にして最終章となる映画「ハングオーバー!!! 最後の反省会」が6月28日より日本公開される。本作は誰もが経験したことのある、最悪な“二日酔い” (ハングオーバー)が世界中の共感を呼んだ、トッド・フィリップス監督による記録破りの史上最強・爆笑の二日酔いエンターテインメント。
ブラッドリー・クーパー、エド・ヘルムズ、ザック・ガリフィアナキス、ジャスティン・バーサ、ヘザー・グラハムら個性的な俳優・女優が出演している注目の作品だ。
そんな「ハングオーバー!!! 最後の反省会」の日本公開に先立ち、本作でレスリー・チャウ役を演じている俳優ケン・チョン(43)にインタビューを行い、作品の魅力や貴重な裏話について語ってもらった。
---------------
Q: 実践経験のある医師でコメディアンというのは、あなただけ?
ケン・チョン:
そうだと思う。イギリス人コメディアンで、ドクター・ミラーという人がいるのは知ってる。彼はイングランドで実際に医療をおこなっていた医師で、確か、1970年代と80年代にコメディ俳優として活躍していたはずだよ。
Q: 「ハングオーバー!!! 最後の反省会」でチャウに起きたことをどう考えていますか?
ケン:
チャウはとても大きな変化を遂げたと思う。善vs悪のメタファー(隠喩)みたいなものということだ。チャウは基本的に悪魔だ。彼は狼軍団にとってルシファー的存在。
1作目で、狼軍団はダグを取り戻すためにチャウと関わる。ある意味、悪魔と取引をするわけだ。でも、チャウとアランは親友みたいなもので、チャウはひょっこり現れて消え、それを繰り返す。ちょうど悪魔のように。そしてこの3作目になると、彼らはそれぞれの人生で前進していこうとしている。
ただアランだけは大人になれていない。彼は過去を吹っ切る必要があるんだが、そうするための唯一の手段として、もう一度だけ、この男と付き合わなければならないんだ。だが、この悪魔は倒されていなくなったと思った瞬間に、復活する。アランがいなくなったと思うと、チャウが彼を引き戻したりする。
そんなわけで、そのメタファーが僕にはとても興味深かったね。この3作目では、ほとんどシェイクスピア的といえるほど壮大なレベルでそのメタファーが効いている。でもそれは僕個人の解釈にすぎないけどね。間違っているかもしれないが、チャウがカラオケで歌っているときに僕は彼の変化を感じたんだ。
あれは全部トッドのアイデアだよ。僕はうまく歌おうとしたんだ。実際、うまいから。そうしたら、トッドが、「ん? チャウはこのシーンは心がもろく、ナーバスになっているんだ。この男を応援したくなるようにしないと。ナーバスさを表現して。チャウが歌っているんだから」と言ったんだ。
最後には、僕は妻と大笑いしたよ。彼はマイクを放り出す。カラオケに慣れてない奴が、うまく歌えなくて、「ふん、知るか」みたいな感じでステージを降りるんだ。それもトッドのアイデア。
僕はコメディで、それこそいろんな人たちと組んできたけど、いちばん好きな監督がトッドなんだ。彼は誰よりも映画のトーンをよく知っているからね。笑わせることが最優先ではないんだよ。どんなタイプのコメディにせよ、トッドはそのトーンの伝え方を熟知しているよ。
Q: 1作目であなたは素っ裸で登場しましたが、あれはあなたのアイデア?
ケン:
そうだよ。なぜなら、あれがトッド・フィリップスの映画だから。脚本では最初、チャウはスラックスをはいていた。それを読んだ僕は妻に、「この脚本は、チャウに裸で飛び出してほしいと訴えてる」と言ったんだ。トラが登場し、狼軍団がやっと車を取り戻したあとなんだから、タダじゃ済まないって気がするよね。
その当時はトッドとは知り合ったばかりだったので、僕は彼にとても丁寧に、そして緊張しながらこう訊いた。「裸で飛び出しても大丈夫ですか?」と。すると彼は、「その申し出、確かに承知した」って(笑)。 その後、30分もしないうちに製作総指揮のスコット・バドニックが僕に “ヌード権利放棄条項” に署名させたよ。僕が気を変えないうちにね。それが彼の心配だった。
ほとんどの監督なら、「これを裸でやっていい?」と訊かれたら、「何をバカなことを。出ていけ。二度と私に話しかけるな」みたいな反応だと思うよ。でも、トッドの場合、それが宿命だった。トッドはおそらく、心の奥では最初からそれを考えていたんじゃないかな。
でも彼は俳優に――しかも、4分ぐらいしか出番のない俳優に――そんなことを要求する監督ではないんだ。かなりの要求だからね。でも、俳優のほうから申し出た場合、そして、それが映画のトーンに合っているなら? その時点から、トッドと僕はしっかり絆ができたと思う。
このシリーズの奥には、「グッドフェローズ」のジョー・ペシのような、大混乱への愛みたいなものがある。あの映画には、混沌として、とことん笑える何かがあるんだよ。2作目の参考に、僕はジョー・ペシの演技をよく観察したんだ。だから、このシリーズに共通して言えるのは、制御不能に陥った大騒乱と、そこから悪循環になっていく状況への愛情であり、僕はそれにコミカルに反応しているんだ。
とにかく、あの裸のシーン以降のことは自然に生まれていった。「よし、こうすればファンが喜ぶぞ」みたいに意識的にやったわけじゃないんだ。そういうことは全くない。大事なのはストーリー展開だからね。
Q: あなたはこのシリーズのキャストやスタッフとのコラボレーションをとても楽しんだようですね。
ケン:
「ハングオーバー」シリーズに関わった人たちは、僕にとって世界でいちばんの仕事仲間だよ。断言する。誰もが共通の目標に向かって努力をするんだ。偉そうにする人が1人もいないんだから、ああいう人たちと仕事をするのはまさに天国だよ。人を押しのけてやろうとする人はいないし、焼きもちを焼く奴もいない。全員がより大きな目標に向かって団結している。その結果がこのシリーズだ。
僕は、残りの人生、ずっとチャウをやってもいい。チャウは僕が演じた中でいちばんのお気に入りキャラなんだ。これも断言する。僕は想像力を追求するために医師の仕事を辞めたんだが、チャウほど幅広い想像力をかきたてるキャラクターはないだろう? 彼なら文字どおり、何をやっても言ってもいい。
スピンオフで彼の起源を見つけられたら最高だね。2作目に出演したポール・ジアマッティのようなキャラクターと一緒にチャウのルーツを探る。ポールは僕の友人なんだ。とにかく、チャウに関しては、僕がこれまでどの映画で演じたキャラクターよりも遥かにいろいろなことがやれると思うんだ。
Q: 目抜き通りのラスベガス・ストリップの上空をパラシュートで飛んだ気分は?
ケン:
あれは実はすばらしいスタントマンがやってくれたんだ。僕自身がやったのは、クローズアップで「コカイン最高!」とか叫ぶシーン。あのときは、本物のパラシュートのハーネスを身に着け、13メートルぐらいの高さの空中で吊り下げられて、すごく苦痛だった。あれは僕だ。グリーンスクリーンをバックに、ソファでカフェラテを飲みながら顔だけ撮ったわけじゃないよ。ちゃんとその状態で演じなきゃ。説得力が必要だ。
なにしろ13メートルの高さだよ。僕にとっては十分高いし、僕はものすごい高所恐怖症なんだ。ジェットコースターや観覧車で泣き出すタイプ。このスタントでは、ジャック・ギルが付いてくれた。この3作目のスタント・コーディネーターは、「ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル」でトム・クルーズのスタント・コーディネーターと同じだったんだ。
彼は、高さに対する僕の感覚を鈍らせる方法を見つけてくれた。彼とは6週間、トレーニングをしたんだ。TVシリーズ(「Community」)に出演しつつ、毎週金曜の夜にワーナーのスタジオへ行き、ハーネスを着けて吊り下げられた。最初は3メートル。翌週は4.5メートル、次は6メートル……というふうに徐々に高度を上げていき、その高さで体の動かし方も学んだ。怖かったからね。
でも、(脱獄シーンで)何百ガロンもの水に追いかけられながら、9メートルのバンジージャンプをやったときは、人生最高の一日だったよ。しかも演技をしながらだからね。僕の俳優のキャリアで最高の瞬間だったよ。高所恐怖症も克服できたし。ジャックが治してくれたんだ。あれは僕にとって個人的な勝利だった。ほかの人には関係ないことかもしれないけど、僕には個人的に大きな意味があったんだ。
Q: 撮影後にボイスオーバーを収録するときは、自由にアドリブをやれるんですか? それとも脚本どおりに演じる?
ケン:
いや……。少なくともコメディや、コミカルなアニメの場合は、吹き替えは難しいんだ。正確さが求められる。でも、アドリブも少しは許されるよ。正直なところ、吹き替えのアプローチは、実際のコメディの演技へのアプローチとよく似ている。
まず脚本があり、それに従う。その後、少なくとも僕がこれまで演じた作品では、すでに用意された4つか5つの代案を渡されるんだ。どのセリフを使うかまだ分からない場合があるからね。そして、4~5か月後に呼び戻されて、書き直されたセリフをまた吹き込む。そのときも代案をいくつか吹き込むんだ。
アドリブもやるよ。僕は即興演技で知られているわけだし、いつも3つか4つのテイクで、自由にしゃべらせてくれる。でも、吹き替えのすごいところは、僕らが単なる“しゃべる小道具” だということ。あれは僕のキャリアにとってはオマケみたいなものだね。僕はあまりうまくないし、うまいフリをするつもりもない。僕はただ幸運なんだ。あのレベルでいろんなことがやれることが僕はうれしくてたまらないんだよ。
【動画】映画「ハングオーバー!!!最後の反省会」予告編
■ 公開情報
「ハングオーバー!!! 最後の反省会」
6月28日(金)、丸の内ピカデリー・新宿ピカデリー他 字幕/吹替同時ロードショー
監督 : トッド・フィリップス
脚本 : トッド・フィリップス、クレイグ・メイジン
製作 : トッド・フィリップス、ダン・ゴールドバーグ
製作総指揮 : トーマス・タル、スコット・バドニック、クリス・ベンダー、J.C.スピンク
出演 : ブラッドリー・クーパー、エド・ヘルムズ、ザック・ガリフィアナキス、ジャスティン・バーサ、ケン・チョン、ヘザー・グラハム、ジェフリー・タンバー、ジリアン・ヴィグマン、サーシャ・バレス、ジェイミー・チャン、ジョン・グッドマン
配給 : ワーナー・ブラザース映画
公式サイト : www.hangover-japan.jp
(C)2013 WARNER BROS.ENTERTAINMENT INC.AND LAGENDARY PICTURES
ブラッドリー・クーパー、エド・ヘルムズ、ザック・ガリフィアナキス、ジャスティン・バーサ、ヘザー・グラハムら個性的な俳優・女優が出演している注目の作品だ。
そんな「ハングオーバー!!! 最後の反省会」の日本公開に先立ち、本作でレスリー・チャウ役を演じている俳優ケン・チョン(43)にインタビューを行い、作品の魅力や貴重な裏話について語ってもらった。
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Q: 実践経験のある医師でコメディアンというのは、あなただけ?
ケン・チョン:
そうだと思う。イギリス人コメディアンで、ドクター・ミラーという人がいるのは知ってる。彼はイングランドで実際に医療をおこなっていた医師で、確か、1970年代と80年代にコメディ俳優として活躍していたはずだよ。
Q: 「ハングオーバー!!! 最後の反省会」でチャウに起きたことをどう考えていますか?
ケン:
チャウはとても大きな変化を遂げたと思う。善vs悪のメタファー(隠喩)みたいなものということだ。チャウは基本的に悪魔だ。彼は狼軍団にとってルシファー的存在。
1作目で、狼軍団はダグを取り戻すためにチャウと関わる。ある意味、悪魔と取引をするわけだ。でも、チャウとアランは親友みたいなもので、チャウはひょっこり現れて消え、それを繰り返す。ちょうど悪魔のように。そしてこの3作目になると、彼らはそれぞれの人生で前進していこうとしている。
ただアランだけは大人になれていない。彼は過去を吹っ切る必要があるんだが、そうするための唯一の手段として、もう一度だけ、この男と付き合わなければならないんだ。だが、この悪魔は倒されていなくなったと思った瞬間に、復活する。アランがいなくなったと思うと、チャウが彼を引き戻したりする。
そんなわけで、そのメタファーが僕にはとても興味深かったね。この3作目では、ほとんどシェイクスピア的といえるほど壮大なレベルでそのメタファーが効いている。でもそれは僕個人の解釈にすぎないけどね。間違っているかもしれないが、チャウがカラオケで歌っているときに僕は彼の変化を感じたんだ。
あれは全部トッドのアイデアだよ。僕はうまく歌おうとしたんだ。実際、うまいから。そうしたら、トッドが、「ん? チャウはこのシーンは心がもろく、ナーバスになっているんだ。この男を応援したくなるようにしないと。ナーバスさを表現して。チャウが歌っているんだから」と言ったんだ。
最後には、僕は妻と大笑いしたよ。彼はマイクを放り出す。カラオケに慣れてない奴が、うまく歌えなくて、「ふん、知るか」みたいな感じでステージを降りるんだ。それもトッドのアイデア。
僕はコメディで、それこそいろんな人たちと組んできたけど、いちばん好きな監督がトッドなんだ。彼は誰よりも映画のトーンをよく知っているからね。笑わせることが最優先ではないんだよ。どんなタイプのコメディにせよ、トッドはそのトーンの伝え方を熟知しているよ。
Q: 1作目であなたは素っ裸で登場しましたが、あれはあなたのアイデア?
ケン:
そうだよ。なぜなら、あれがトッド・フィリップスの映画だから。脚本では最初、チャウはスラックスをはいていた。それを読んだ僕は妻に、「この脚本は、チャウに裸で飛び出してほしいと訴えてる」と言ったんだ。トラが登場し、狼軍団がやっと車を取り戻したあとなんだから、タダじゃ済まないって気がするよね。
その当時はトッドとは知り合ったばかりだったので、僕は彼にとても丁寧に、そして緊張しながらこう訊いた。「裸で飛び出しても大丈夫ですか?」と。すると彼は、「その申し出、確かに承知した」って(笑)。 その後、30分もしないうちに製作総指揮のスコット・バドニックが僕に “ヌード権利放棄条項” に署名させたよ。僕が気を変えないうちにね。それが彼の心配だった。
ほとんどの監督なら、「これを裸でやっていい?」と訊かれたら、「何をバカなことを。出ていけ。二度と私に話しかけるな」みたいな反応だと思うよ。でも、トッドの場合、それが宿命だった。トッドはおそらく、心の奥では最初からそれを考えていたんじゃないかな。
でも彼は俳優に――しかも、4分ぐらいしか出番のない俳優に――そんなことを要求する監督ではないんだ。かなりの要求だからね。でも、俳優のほうから申し出た場合、そして、それが映画のトーンに合っているなら? その時点から、トッドと僕はしっかり絆ができたと思う。
このシリーズの奥には、「グッドフェローズ」のジョー・ペシのような、大混乱への愛みたいなものがある。あの映画には、混沌として、とことん笑える何かがあるんだよ。2作目の参考に、僕はジョー・ペシの演技をよく観察したんだ。だから、このシリーズに共通して言えるのは、制御不能に陥った大騒乱と、そこから悪循環になっていく状況への愛情であり、僕はそれにコミカルに反応しているんだ。
とにかく、あの裸のシーン以降のことは自然に生まれていった。「よし、こうすればファンが喜ぶぞ」みたいに意識的にやったわけじゃないんだ。そういうことは全くない。大事なのはストーリー展開だからね。
Q: あなたはこのシリーズのキャストやスタッフとのコラボレーションをとても楽しんだようですね。
ケン:
「ハングオーバー」シリーズに関わった人たちは、僕にとって世界でいちばんの仕事仲間だよ。断言する。誰もが共通の目標に向かって努力をするんだ。偉そうにする人が1人もいないんだから、ああいう人たちと仕事をするのはまさに天国だよ。人を押しのけてやろうとする人はいないし、焼きもちを焼く奴もいない。全員がより大きな目標に向かって団結している。その結果がこのシリーズだ。
僕は、残りの人生、ずっとチャウをやってもいい。チャウは僕が演じた中でいちばんのお気に入りキャラなんだ。これも断言する。僕は想像力を追求するために医師の仕事を辞めたんだが、チャウほど幅広い想像力をかきたてるキャラクターはないだろう? 彼なら文字どおり、何をやっても言ってもいい。
スピンオフで彼の起源を見つけられたら最高だね。2作目に出演したポール・ジアマッティのようなキャラクターと一緒にチャウのルーツを探る。ポールは僕の友人なんだ。とにかく、チャウに関しては、僕がこれまでどの映画で演じたキャラクターよりも遥かにいろいろなことがやれると思うんだ。
Q: 目抜き通りのラスベガス・ストリップの上空をパラシュートで飛んだ気分は?
ケン:
あれは実はすばらしいスタントマンがやってくれたんだ。僕自身がやったのは、クローズアップで「コカイン最高!」とか叫ぶシーン。あのときは、本物のパラシュートのハーネスを身に着け、13メートルぐらいの高さの空中で吊り下げられて、すごく苦痛だった。あれは僕だ。グリーンスクリーンをバックに、ソファでカフェラテを飲みながら顔だけ撮ったわけじゃないよ。ちゃんとその状態で演じなきゃ。説得力が必要だ。
なにしろ13メートルの高さだよ。僕にとっては十分高いし、僕はものすごい高所恐怖症なんだ。ジェットコースターや観覧車で泣き出すタイプ。このスタントでは、ジャック・ギルが付いてくれた。この3作目のスタント・コーディネーターは、「ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル」でトム・クルーズのスタント・コーディネーターと同じだったんだ。
彼は、高さに対する僕の感覚を鈍らせる方法を見つけてくれた。彼とは6週間、トレーニングをしたんだ。TVシリーズ(「Community」)に出演しつつ、毎週金曜の夜にワーナーのスタジオへ行き、ハーネスを着けて吊り下げられた。最初は3メートル。翌週は4.5メートル、次は6メートル……というふうに徐々に高度を上げていき、その高さで体の動かし方も学んだ。怖かったからね。
でも、(脱獄シーンで)何百ガロンもの水に追いかけられながら、9メートルのバンジージャンプをやったときは、人生最高の一日だったよ。しかも演技をしながらだからね。僕の俳優のキャリアで最高の瞬間だったよ。高所恐怖症も克服できたし。ジャックが治してくれたんだ。あれは僕にとって個人的な勝利だった。ほかの人には関係ないことかもしれないけど、僕には個人的に大きな意味があったんだ。
Q: 撮影後にボイスオーバーを収録するときは、自由にアドリブをやれるんですか? それとも脚本どおりに演じる?
ケン:
いや……。少なくともコメディや、コミカルなアニメの場合は、吹き替えは難しいんだ。正確さが求められる。でも、アドリブも少しは許されるよ。正直なところ、吹き替えのアプローチは、実際のコメディの演技へのアプローチとよく似ている。
まず脚本があり、それに従う。その後、少なくとも僕がこれまで演じた作品では、すでに用意された4つか5つの代案を渡されるんだ。どのセリフを使うかまだ分からない場合があるからね。そして、4~5か月後に呼び戻されて、書き直されたセリフをまた吹き込む。そのときも代案をいくつか吹き込むんだ。
アドリブもやるよ。僕は即興演技で知られているわけだし、いつも3つか4つのテイクで、自由にしゃべらせてくれる。でも、吹き替えのすごいところは、僕らが単なる“しゃべる小道具” だということ。あれは僕のキャリアにとってはオマケみたいなものだね。僕はあまりうまくないし、うまいフリをするつもりもない。僕はただ幸運なんだ。あのレベルでいろんなことがやれることが僕はうれしくてたまらないんだよ。
【動画】映画「ハングオーバー!!!最後の反省会」予告編
■ 公開情報
「ハングオーバー!!! 最後の反省会」
6月28日(金)、丸の内ピカデリー・新宿ピカデリー他 字幕/吹替同時ロードショー
監督 : トッド・フィリップス
脚本 : トッド・フィリップス、クレイグ・メイジン
製作 : トッド・フィリップス、ダン・ゴールドバーグ
製作総指揮 : トーマス・タル、スコット・バドニック、クリス・ベンダー、J.C.スピンク
出演 : ブラッドリー・クーパー、エド・ヘルムズ、ザック・ガリフィアナキス、ジャスティン・バーサ、ケン・チョン、ヘザー・グラハム、ジェフリー・タンバー、ジリアン・ヴィグマン、サーシャ・バレス、ジェイミー・チャン、ジョン・グッドマン
配給 : ワーナー・ブラザース映画
公式サイト : www.hangover-japan.jp
(C)2013 WARNER BROS.ENTERTAINMENT INC.AND LAGENDARY PICTURES
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