映画「her／世界でひとつの彼女」ホアキン・フェニックス、監督のせいで孤独に？ ホアキン独特の役作りとは

スパイク・ジョーンズ監督4年ぶりの長編最新作「her/世界でひとつの彼女」が、6月28日(土)より大ヒット上映中。

ホアキン・フェニックス、エイミー・アダムス、ルーニー・マーラ、そして主人公を魅了し、ときに翻弄する人工知能型OS“サマンサ”の声だけの出演にスカーレット・ヨハンソンと、豪華キャストが紡ぐ、誰も感じたことのない愛おしさ、切なさがぎゅっと詰まったラブストーリー。

本作は第86回アカデミー賞で脚本賞受賞し、5部門にノミネート、ナショナル・ボード・オブ・レビュー最優秀作品賞・監督賞を受賞するなど、数々の映画賞を席巻、多面的に高い評価を得てきた注目作だ。



この度、本作の主人公セオドアを演じたホアキン・フェニックのコメントが公開された。


そう遠くない未来のロサンゼルスで繰り広げられる主人公セオドアと人工知能OS“サマンサ”のラブストーリー。妻と別れ、孤独を感じていたセオドアの毎日は、サマンサと出会ってから一変、キラキラと輝かしいものに変わっていく。

セオドアとサマンサ、そして彼らを取り巻くキャラクターを通して普遍的な愛のかたちを描く本作だが、一方で孤独とは何か、コミュニケーションとは何かについても問いかけている作品だ。孤独を抱えるセオドアを演じたホアキンは、役を通して孤独を感じたのだという。どのように感じたのか聞いてみると意外な答えが返ってきた。

「どう言えばいいかな。僕はスパイクが僕を壊しただけだと思う(笑)。正直言って、この映画に入り込むのに、僕が気にしたことは、そこにいないものを自然に感じることだけだった。キャラクターの孤独は見落としていたのかも。そういうわけで最初の数週間で、一体何が実際に起きたのかは分からないけど、スパイクが僕を孤独にしたんだよね。うん、そういうことだったんだよ(笑)」

それに対して当のスパイクは「そうだね。チャンスがあるたびに、彼を攻撃して弱らせた。いや、その、彼はジョークを言っているだけだと思うよ(笑)」と笑いながらコメント。

お互いふざけあう関係の2人だが、スパイクはホアキンの俳優としての姿勢に賞賛を贈る。

「彼に質問すると、どうやって演技をすればいいのか本当に分からないと答えると思うんだ。彼は、謙虚になってそう言うのではなくて、本当に分かってないんだよね。彼は、演技をする時に自分の持っている知識を使って、役にアプローチしたりしない。彼は、常に暗闇の中を歩き回っているようで、自分が何をやっているのか分からなくて、いつだってナーバスになっているんだ。それを傍で見ているのは中々恐ろしいものなんだけどね。でも、彼はその恐怖感を常に持っているからこそ素晴らしい役者なんだと思う。彼は、『うん、僕にはこれが分かっているし、やったことあるから簡単だ』という感じでは絶対にない。自分にはそれができると思っている瞬間というのがまるでないんだ。彼はその時自分が何を正しくて何が間違っているのかを感じるその本能にのみ頼って演じているんだよね。彼は何かを分析して演技をすることがまったくないんだ」

常に一から役を作り上げるホアキン独特のやり方で生まれたセオドアの姿。監督のおかげで孤独に磨きがかかったホアキンの演技を、堪能してみてはいかがだろうか。



映画「her/世界でひとつの彼女」は、新宿ピカデリーほか全国大ヒット上映中。

【動画】映画「her/世界でひとつの彼女」予告篇



■ 公開情報

「her/世界でひとつの彼女」
新宿ピカデリーほか全国大ヒット上映中!

監督&脚本:スパイク・ジョーンズ
出演:ホアキン・フェニックス、エイミー・アダムス、ルーニー・マーラ、オリヴィア・ワイルド、スカーレット・ヨハンソン
公式サイト:https://her.asmik-ace.co.jp

Photo courtesy of Warner Bros. Pictures