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スペイン映画界の鬼才アレックス・デ・ラ・イグレシア監督が来日! クリエイターとしての刺激は「死ぬほど退屈なクズ映画」

2014年10月15日
アレックス・デ・ラ・イグレシア監督と、妻で女優のカロリーナ・バングアレックス・デ・ラ・イグレシア監督と、妻で女優のカロリーナ・バング
新作映画「スガラムルディの魔女」PRのために来日中のスペイン映画界が誇る鬼才アレックス・デ・ラ・イグレシア監督と妻で女優のカロリーナ・バングが14日、東京都内でトークショーを行った。

ペドロ・アルモドバル監督からその才能を見いだされ、1993年に映画「ハイル・ミュタンテ!/電撃XX作戦」で長編映画監督デビュー。2010年の映画「気狂いピエロの決闘」はヴェネチア国際映画祭で銀獅子賞と脚本賞をW受賞するなど才能と実力は証明済みで、11月22日に2012年の映画「刺さった男」、2014年の映画「スガラムルディの魔女」の2作が同時日本公開される。

アレックス・デ・ラ・イグレシア監督アレックス・デ・ラ・イグレシア監督


「スガラムルディの魔女」は、子連れ強盗団が人食い魔女が住む呪われた村・スガラムルディに迷い込み、人類の運命をも左右する禍々しい儀式の人質になってしまう様を描くサバイバル・アクション。血沸き肉躍る怒涛のバイオレンスシーン、恐怖の中にちりばめられたユーモア、ギャグコミックの中から飛び出してきたかのようなキャラクターたちによる漫才的会話劇など、イグレシア監督ならではのセンスが光る。

本作のキーワードは“女性”というイグレシア監督は「女性というものは悪に満ちた存在ですが、それに比べて男性というものは単なるバカ。であるならば、悪の方がはるかに素晴らしいと思う。私は非常にフェミニストですから、女性は肋骨一本から生まれたわけではないと主張したかった」と意外な狙いを説明する。クライマックスには、その“女性”を最大限に表した驚きの展開もあり「幼少期に「ゴジラ」を観て以来、私には巨大なクリチャーに対するこだわりがあって、今回の作品でその思いを存分に表現することが出来た」と念願叶った様子だ。

カロリーナ・バングカロリーナ・バング


恐怖や極限状態を描きながらも、細部にユーモアをちりばめることで笑いに昇華させるテクニックはイグレシア監督の十八番芸。その源となるのは、幼少期のとある実体験だった。「私の祖母はとてもクレイジーで、よく暴れまわることがありました。そんな時は家族全員で押さえつけていたけれど、今振り返って考えると、それはとても笑える出来事。パーティーで笑うよりも、お葬式で笑うことに意味があるように、苦悩すればするほど物事は面白くなることを知った」と異様な家庭環境がユーモアに対する独自の視点を育んだらしい。

自らに影響を与えた映画作品にも、一格言を持っている。30回以上観たという映画「エイリアン」やアルフレッド・ヒッチコック監督の「めまい」などの古典的傑作をベストフィルムに挙げながらも「でも自分に一番影響を与えているのは、死ぬほど退屈なクズ映画です。それらクズ映画は観ていて反面教師になるし、自分自身に「観客を楽しませる映画を作らなければダメだ」という強迫観念を植え付けてくれるから」と逆転の発想によるクリエイティブ面への刺激を教えてくれた。

アレックス・デ・ラ・イグレシア監督と、妻で女優のカロリーナ・バングアレックス・デ・ラ・イグレシア監督と、妻で女優のカロリーナ・バング



■ 公開情報

」スガラムルディの魔女」
11月22日(土)よりヒューマントラスト渋谷ほか全国順次公開

R-15
原題:LAS BRUJASDE ZUGARRAMURDI
監督・脚本:アレックス・デ・ラ・イグレシア
脚本:ホルヘ・ゲリカエチェバリア
出演:ウーゴ・シルバ、マリオ・カサス、カロリーナ・バング、テレール・パベス、カルロス・アレセス、カルメン・マウラ
公式サイト://www.shochiku.co.jp/iglesia/
 
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