注目トピックス
“現代版ロミオとジュリエット”映画「キャロル」、年齢やセクシュアリティを超えて評価広がる
2016年2月24日
映画「キャロル」
© NUMBER 9 FILMS (CAROL) LIMITED / CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION 2014 ALL RIGHTS RESERVED
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ケイト・ブランシェットとルーニー・マーラが共演し本年度アカデミー賞主演女優賞・助演女優賞Wのノミネートほか6部門にノミネートされている映画「キャロル」。
2月11日よりTOHOシネマズ みゆき座ほか全国58館にて公開し、全国で満席が続出の大ヒットを記録している本作は、「太陽がいっぱい」などで知られる小説家パトリシア・ハイスミスが、自らの体験をもとに綴った、女性同士の恋愛を描いた小説。
発売当時は同性愛が犯罪であったために実名出版できなかったにも関わらず、大ベストセラーとなった逸話を持ち60年の時を経て映画化されたもの。
六本木ヒルズに居を構え、LGBTをはじめとした性の多様性を「応援」している企業、社員有88志のネットワーク「六本木ヒルズLGBT Movie Night実行委員会」が出発点となり、2月17日、TOHOシネマズ 六本木ヒルズにて、六本木ヒルズ入居企業のLGBT当事者と、当事者をサポートしたいと考える方々およそ100名が集い、六本木LGBT Movie Nightと銘打って「キャロル」の上映会と、パネルディスカッションを行った。同団体が映画の上映会を行うのは、今回が初めて。
「キャロル」上映前に行われたパネルディスカッションに登壇したのは、ゴールドマン・サックスでLGBTネットワークの支援を行っている藤田直介氏と三木健太郎氏、「キャロル」の配給を行った株式会社ファントム・フィルムの長壁なつみ氏ら。
パネルディスカッションに先立ち、グーグル株式会社の柴田惠氏が、「このような取り組みがきっかけとなって、どうしたら誰もが自分を偽らずに働くことが出来るようになるのか、考える機会を増やしていければと思っています」と挨拶をし、詰めかけた参加者から拍手を浴びた。
20名程度の多くのLGBT当事者も駆け付けた本イベントでは、藤田氏が「2015年6月に同性婚を合法としたアメリカ連邦最高裁判所における判決以降、メディアから好意的に取り上げられる機会が増えた」と語り、とはいえ、「実際に理解を深めるためには身近な当事者の話を聞くことが重要」とし、「『キャロル』のような映画から学ぶことがあるのでは」とコメント。
本作の宣伝プロデューサーである長壁氏は「2年前、キャストと監督だけが明らかになっている段階から買い付けを検討しだした。脚本を読んでただただ感動し、ぜひ配給したいと思った」と作品との運命的な出会いを語り、その後買い付けに至るまで社内で検討を重ねたことを明かしました。
その理由として「ビジネスとして映画を考えた場合、女性同士のラブストーリーが日本でどのくらい受け入れられるか」ということを挙げ、会社としてもチャレンジだった裏話を披露。
「それでも、作品の力を信じて宣伝活動を続け、先月22日に来日した主演ケイト・ブランシェットの“現代版ロミオ&ジュリエット”という言葉の通り純粋な愛にまつわる話であることが、年齢やセクシャリティを超えて受け入れられ、作品の高い評価が広がっている」と語った。
その反面「アカデミー賞の作品賞にも、監督賞にもノミネートされていないのは、本作の監督がゲイであることを公言していることや、女性同士のラブストーリーだからだろうとアメリカでは話題になったように、まだまだ保守的な部分はあると思う。『キャロル』のように、映画として素晴らしい作品を今後も日本で公開していきたいし、『キャロル』が少しでもボーダーを取り払うきっかけとなっていれば嬉しい」と挨拶をしました。
その後、参加者全員で「キャロル」を鑑賞。鑑賞後、参加者からは「当時許されなかった愛の形を、今観ることに意義を感じた」「性別さえ超えて人を好きになることは、素晴らしいこと」「自分らしくいることに自信を持とうと思った」などの声も上がり、映画「キャロル」とLGBTについて考えるシンポジウムは盛況のうちに終了した。
■ストーリー
1952年、ニューヨーク。クリスマスシーズン。ジャーナリストになる夢をひそかに抱くテレーズ(ルーニー・マーラ)は、高級百貨店のおもちゃ売り場でアルバイトをしている。テレーズにはリチャードという恋人がいるが、なかなか結婚には踏み切れないでいる。
そんな彼女の前にある日、娘へのプレゼントに人形を探しているキャロル(ケイト・ブランシェット)が現れる。このうえなくエレガントで美しく、裕福そうなのにどこかミステリアスな雰囲気を醸すそのひとに、目を奪われるテレーズ。
売り場に皮の手袋を忘れたキャロルのため、テレーズは人形の送り先伝票にあった彼女の住所に手紙を書く。すると驚いた事に、すぐにキャロルから連絡が届く。そして二人は会うようになり、テレーズは、キャロルが人妻で、夫は彼女を飾りにしか思っていない事、離婚訴訟の真っ最中で、何より大切な娘の親権を夫に奪われようとしている事を知る。
そして、クリスマス休暇。別居中の夫に娘を連れて行かれ、孤独なキャロルは、車での小旅行にテレーズを誘う。キャロルへの想いが、最初は予想もしなかった感情に変わっている事に気づきながら、テレーズは二人だけの旅に出発。しかしこの時、この旅がきっかけで、二人の運命が大きく動きだす事を二人は知らなかった...。
■公開情報
映画「キャロル」
TOHOシネマズ みゆき座他大ヒット上映中
配給 : ファントム・フィルム
監督 : トッド・ヘインズ
出演 : ケイト・ブランシェット、ルーニ・マーラ
原作 : 河出文庫「キャロル」パトリシア・ハイスミス著
■リンク
・公式サイト : carol-movie.com
・公式ツイッター : @carol_movie
© NUMBER 9 FILMS (CAROL) LIMITED / CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION 2014 ALL RIGHTS RESERVED
2月11日よりTOHOシネマズ みゆき座ほか全国58館にて公開し、全国で満席が続出の大ヒットを記録している本作は、「太陽がいっぱい」などで知られる小説家パトリシア・ハイスミスが、自らの体験をもとに綴った、女性同士の恋愛を描いた小説。
発売当時は同性愛が犯罪であったために実名出版できなかったにも関わらず、大ベストセラーとなった逸話を持ち60年の時を経て映画化されたもの。
六本木ヒルズに居を構え、LGBTをはじめとした性の多様性を「応援」している企業、社員有88志のネットワーク「六本木ヒルズLGBT Movie Night実行委員会」が出発点となり、2月17日、TOHOシネマズ 六本木ヒルズにて、六本木ヒルズ入居企業のLGBT当事者と、当事者をサポートしたいと考える方々およそ100名が集い、六本木LGBT Movie Nightと銘打って「キャロル」の上映会と、パネルディスカッションを行った。同団体が映画の上映会を行うのは、今回が初めて。
「キャロル」上映前に行われたパネルディスカッションに登壇したのは、ゴールドマン・サックスでLGBTネットワークの支援を行っている藤田直介氏と三木健太郎氏、「キャロル」の配給を行った株式会社ファントム・フィルムの長壁なつみ氏ら。
パネルディスカッションに先立ち、グーグル株式会社の柴田惠氏が、「このような取り組みがきっかけとなって、どうしたら誰もが自分を偽らずに働くことが出来るようになるのか、考える機会を増やしていければと思っています」と挨拶をし、詰めかけた参加者から拍手を浴びた。
20名程度の多くのLGBT当事者も駆け付けた本イベントでは、藤田氏が「2015年6月に同性婚を合法としたアメリカ連邦最高裁判所における判決以降、メディアから好意的に取り上げられる機会が増えた」と語り、とはいえ、「実際に理解を深めるためには身近な当事者の話を聞くことが重要」とし、「『キャロル』のような映画から学ぶことがあるのでは」とコメント。
本作の宣伝プロデューサーである長壁氏は「2年前、キャストと監督だけが明らかになっている段階から買い付けを検討しだした。脚本を読んでただただ感動し、ぜひ配給したいと思った」と作品との運命的な出会いを語り、その後買い付けに至るまで社内で検討を重ねたことを明かしました。
その理由として「ビジネスとして映画を考えた場合、女性同士のラブストーリーが日本でどのくらい受け入れられるか」ということを挙げ、会社としてもチャレンジだった裏話を披露。
「それでも、作品の力を信じて宣伝活動を続け、先月22日に来日した主演ケイト・ブランシェットの“現代版ロミオ&ジュリエット”という言葉の通り純粋な愛にまつわる話であることが、年齢やセクシャリティを超えて受け入れられ、作品の高い評価が広がっている」と語った。
その反面「アカデミー賞の作品賞にも、監督賞にもノミネートされていないのは、本作の監督がゲイであることを公言していることや、女性同士のラブストーリーだからだろうとアメリカでは話題になったように、まだまだ保守的な部分はあると思う。『キャロル』のように、映画として素晴らしい作品を今後も日本で公開していきたいし、『キャロル』が少しでもボーダーを取り払うきっかけとなっていれば嬉しい」と挨拶をしました。
その後、参加者全員で「キャロル」を鑑賞。鑑賞後、参加者からは「当時許されなかった愛の形を、今観ることに意義を感じた」「性別さえ超えて人を好きになることは、素晴らしいこと」「自分らしくいることに自信を持とうと思った」などの声も上がり、映画「キャロル」とLGBTについて考えるシンポジウムは盛況のうちに終了した。
■ストーリー
1952年、ニューヨーク。クリスマスシーズン。ジャーナリストになる夢をひそかに抱くテレーズ(ルーニー・マーラ)は、高級百貨店のおもちゃ売り場でアルバイトをしている。テレーズにはリチャードという恋人がいるが、なかなか結婚には踏み切れないでいる。
そんな彼女の前にある日、娘へのプレゼントに人形を探しているキャロル(ケイト・ブランシェット)が現れる。このうえなくエレガントで美しく、裕福そうなのにどこかミステリアスな雰囲気を醸すそのひとに、目を奪われるテレーズ。
売り場に皮の手袋を忘れたキャロルのため、テレーズは人形の送り先伝票にあった彼女の住所に手紙を書く。すると驚いた事に、すぐにキャロルから連絡が届く。そして二人は会うようになり、テレーズは、キャロルが人妻で、夫は彼女を飾りにしか思っていない事、離婚訴訟の真っ最中で、何より大切な娘の親権を夫に奪われようとしている事を知る。
そして、クリスマス休暇。別居中の夫に娘を連れて行かれ、孤独なキャロルは、車での小旅行にテレーズを誘う。キャロルへの想いが、最初は予想もしなかった感情に変わっている事に気づきながら、テレーズは二人だけの旅に出発。しかしこの時、この旅がきっかけで、二人の運命が大きく動きだす事を二人は知らなかった...。
■公開情報
映画「キャロル」
TOHOシネマズ みゆき座他大ヒット上映中
配給 : ファントム・フィルム
監督 : トッド・ヘインズ
出演 : ケイト・ブランシェット、ルーニ・マーラ
原作 : 河出文庫「キャロル」パトリシア・ハイスミス著
■リンク
・公式サイト : carol-movie.com
・公式ツイッター : @carol_movie
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