映画＆海外ドラマライター なかざわひでゆきが語る「TRUE DETECTIVE/トゥルー・ディテクティブ」のキャスティングの素晴らしさとは？

ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメントは、「TRUE DETECTIVE/トゥルー・ディテクティブ <ファースト・シーズン>」を、2016年4月20日ブルーレイ&DVDリリースする。

本作は、「ゲーム・オブ・スローンズ」など数々の傑作ドラマを生み出してきた米人気放送局 HBO が、マシュー・マコノヒー、ウデ
ィ・ハレルソンという2大映画スターを配し、満を持して贈る超一級の緊迫クライムサスペンスだ。そのクオリティの高さで、2014 年のエミー賞5冠に輝いた本作の魅力を、毎回異なる評論家やライターが解説する。第4回目となる今回は、映画&海外ドラマライター なかざわひでゆきが語る本作の魅力を案内する。

映画&海外ドラマライター なかざわひでゆきが語る「TRUE DETECTIVE/トゥルー・ディテクティブ」のキャスティングの素晴らしさとは?

第66回エミー賞でドラマ部門作品賞を含む 12 部門にノミネートされ、監督賞(キャリー・ジョージ・フクナガ)など 5 部門に輝いた「TRUE DETECTIVE/トゥルー・ディテクティブ<ファースト・シーズン>」。全米におけるエピソード毎の平均視聴者数も 1,190 万人と、有料のケーブル局ドラマとしては異例の高い数字をマークしている。なぜそこまでの大成功を収める事が出来たのか。

もちろん理由は幾つもあるが、中でも特筆すべきは主演コンビの顔ぶれにあると言えよう。本作の全米放送中に『ダラス・バイヤーズ・クラブ』(’13)でアカデミー主演男優賞を獲得したマシュー・マコノヒーに、『ラリー・フリント』(’96)と『メッセンジャー』(’09)で 2 度のオスカー候補経験のあるウディ・ハレルソン。

映画スターがテレビドラマに出演することも珍しくなくなった昨今だが、とはいえ主演クラスのビッグネームが 2 人も揃うというのは、少なくとも 2014 年初旬の時点ではある種の事件だった。

それだけでも話題性は十分なのだが、しかし豪華キャストがすなわちヒットに繋がるわけではないのが米テレビ業界の厳しいところ。実際、ダスティン・ホフマンやニック・ノルティなどベテラン大御所が揃った「Luck」(日本未放送)、デニス・クエイドやキャリー・アン・モスが出演の「VEGAS/ベガス」など、知名度の高い映画俳優を起用しながら全くの不発に終わったドラマは少なくない。ではなぜ本作の場合は吉と出たのか。

これはもう、いずれ劣らぬクセ者俳優であるマコノヒーとハレルソンの個性を十二分に生かした役柄の多面的な奥深さ、善悪では割り切れない複雑な人間心理を生々しく表現した彼らの圧倒的な演技力にあるとしか言いようがないだろう。

マコノヒーが演じるのはインテリで気難しい都会派刑事コール。一方のハレルソン扮するハートは単細胞だが善良で家庭的な田舎者刑事。このまるで正反対なコンビが連続猟奇殺人事件を追うことになるのだが、捜査の過程で彼らの全く違った側面、つまり仮面の下に隠されたダークサイドが徐々に頭をもたげてくる。しかも、物語は彼らが現役時代の過去と引退した 17年後の2つの時間軸で展開するのだが、それぞれ別人のような変貌を遂げた現在の姿にも息を呑む。この緊張感に満ちた濃密な人間ドラマを徹底的なリアリズムで演じる名優たちの姿に、思わず目が釘付けとなってしまうのだ。

他にも、本作では『M:i:III』(’06)や『ピクセル』(’15)のミシェル・モナハンがハート刑事の妻を、「パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々」(’10)シリーズのアナベス役でお馴染みのアレクサンドラ・ダダリオがその愛人を、「トランスフォーマー」(’07)シリーズの父親役ケヴィン・ダンが警察の上司を演じており、こうした実力派の脇役が主演コンビの白熱する演技をしっかりと下支えしている。犯罪ミステリーとしての面白さはもちろん、豪華な役者陣の上質な演技を存分に堪能できる作品でもあると言えよう。


2016年4月20日 ブルーレイ&DVD リリース!



「TRUE DETECTIVE/トゥルー・ディテクティブ <ファースト・シーズン> コンプリート・ボックス」 ブルーレイ(￥11,300+税)/DVD (￥9,400+税)
レンタルDVD Vol.1～Vol.4 発売・販売元:ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント
©2016 Home Box Office, Inc. All rights reserved. HBO® and related service marks are the property of Home Box Office, Inc.
Distributed by Warner Bros. Home Entertainment Inc. ※R-15:本作には、一部に 15 歳未満の鑑賞には不適切な表現が含まれています。
【TRUE DETECTIVE/トゥルー・ディテクティブ公式サイト】//truedetective.jp