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構想28年! 映画「沈黙-サイレンス-」が完成間近! 巨匠マーティン・スコセッシが本作に込めた想いとは・・?
2016年11月17日
マーティン・スコセッシ
戦後日本文学の最高峰とも称される遠藤周作の「沈黙」(新潮文庫刊)を、「タクシードライバー」「ディパーテッド」のアカデミー賞®監督、マーティン・スコセッシ監督が完全映画化した「沈黙-サイレンス-」(原題:Silence)が、2017年1月21日(土)より全国公開となる。
アカデミー賞®最有力と注目される本作は、スコセッシが1988年に原作と出会ってから28年、読んだ瞬間に映画化を希望し、長年に渡り暖め続けてきたという待望のプロジェクト。17世紀江戸初期、激しいキリシタン弾圧の中で棄教したとされる師の真実を確かめるため、日本にたどり着いた宣教師の目に映った想像を絶する日本を舞台に、人間にとって本当に大切なものとは何かを、壮大な映像で描いた歴史大作だ。
キャストはアンドリュー・ガーフィールド(「アメイジング・スパイダーマン」)、リーアム・ニーソン(「シンドラーのリスト」)、アダム・ドライバー(「スター・ウォーズ フォースの覚醒」)に加え、日本からは窪塚洋介、浅野忠信、イッセー尾形、塚本晋也、小松菜奈、加瀬亮、笈田ヨシら実力派が集結。遠藤周作没後20年、原作「沈黙」の刊行50年の節目の年にハリウッドと日本が融合した、今年度の賞レースにおける最注目作品となっている。
そして本日11月17日は、監督マーティン・スコセッシの74歳の誕生日。1976年の「タクシードライバー」で全世界に衝撃を与え、盟友ロバート・デ・ニーロにアカデミー賞®主演男優賞をもたらした「レイジング・ブル」(80)、1988年にはイエス・キリストを描いて大センセーションを巻き起こした「最後の誘惑」を放つ。アカデミー賞®監督賞には、7度目のノミネートとなる「ディパーテッド」(07)で受賞を果たした。その後も、映画創生期を描いた「ヒューゴの不思議な発明」(12)、レオナルド・ディカプリオとの5度目のタッグとなった「ウルフ・オブ・ウォールストリート」(13)と、精力的に映画を創り続けてきた。
音楽映画にも定評があり、1978年の「ラスト・ワルツ」、ノーベル文学賞授賞で話題のボブ・ディランを追った「ボブ・ディラン ノー・デイレクション・ホーム」(05)、「ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト」(08)、「ジョージ・ハリスン/リビング・イン・ザ・マテリアル・ワールド」(11)など、抜群のセンスでアーティストたちの新たな魅力を映画に定着させている。
マーティン・スコセッシが遠藤周作の「沈黙」に出会ったのは、今を遡ること28年前。読んだ瞬間に映画化を決意した。だが、その深遠で複雑なテーマや権利をめぐる調整など、映画化には長い歳月が必要だった。74歳の誕生日を迎えた巨匠が語る「沈黙-サイレンス-」映画に込めた想いをご紹介する。
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遠藤周作「沈黙」との出会い
初めて「沈黙」と出会ったのは1988年のことでした。当時、キリスト教をモチーフにした「最後の誘惑」を撮っている時だったのですが、宗教というのは私の人生を色濃く色づけてきたものです。私は、度々作品の中で裏社会を描いてきましたが、さらにいろんなテーマを深堀りしていかなければならない、言葉ではなんとも表現できない領域に到達しなければならないと感じていました。それは“信じることとは何なのか”というテーマです。
数年後から脚本の執筆が始まり、2006年にようやく執筆が終わりました。20年という歳月を経ていますのでその間、父になり、夫になり、そしてフィルムの修復、保存活動などを通じて、私自身もこの小説と共に成長を遂げたと思っています。そういう思いがあってやっと今回作るに至ったのです。
映画化への決意
以前、私はドキュメンタリー「ジョージ・ハリスン/リビング・イン・ザ・マテリアル・ワールド」を作りました。「沈黙-サイレンス-」は、ある意味それと同じ物語なのです。ジョージ・ハリスンはわかっており、物欲だけでなく、もっと精神的なものを知り、その中に自分を捧げようとした。なぜなら現代社会は、このような考えに決して優しくありません。正しい考え方などわからないとも言わざるを得ません。だからこそ私は、考えることを放棄すべきではない、逆にもっと深く探求しなければならないと思うのです。だからこの映画を作ったのです。
映画化の過程は、巡礼の旅路
今回、映画を撮影していく中で、山中や海など、さまざまなロケ地を巡りました。これが一種のキリスト教への巡礼のような体験になりました。それでも、信じるということは今でも、劇中のロドリゴやフェレイラのように試練と感じる時もありますし、自然と享受できるものではない。自らが欲して勝ち取らなければならないものだと思います。人は日々考えたり、書いたり、映画を作ったりして、人間とは何なのか、人間とは良い存在か、悪しき存在なのかということを考えていますが、その過程が信ずるとは何なのかを探る過程なのだと思います。
異文化の衝突によって見えてくること
「沈黙」のストーリーが私の心をつかんでやまないのは、異文化の衝突を描いているからです。信ずるという信仰を心底分かるためにはありとあらゆる衝撃を通過しなければならないのです。そしてこの物語において、やはり異文化の中にキリスト教を持ち込むわけですから、少しずつ削っていかなければならないわけです。そして削っていく行為こそ、その神髄に至る過程なのだと思っています。こんな想いで作った私の最新作を、早く皆さんにご覧いただきたいと願っています。
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74歳を迎えるマーティン・スコセッシが、日本文学の金字塔「沈黙」の完全映画に挑んだ「沈黙-サイレンス-」の完成が間近に迫った。人間にとって本当に大切なものは何かを描く渾身の最新作に期待は高まるばかりだ。
なお、本作の前売券は11月19日(土)より全国の公開劇場ほかにて発売開始。劇場窓口で購入した場合の特典として劇中写真がデザインされた<オリジナルしおり(4枚セット)>がプレゼントされる。
映画「沈黙-サイレンス-」は、2017年1月21日(土)に全国ロードショー。
■作品情報
「沈黙-サイレンス-」
2017年1月21日(土) 全国ロードショー
原作:遠藤周作「沈黙」(新潮文庫刊)
原題:Silence
監督:マーティン・スコセッシ
脚本:ジェイ・コックス、マーティン・スコセッシ
出演:アンドリュー・ガーフィールド、リーアム・ニーソン、アダム・ドライバー、窪塚洋介、浅野忠信、イッセー尾形、塚本晋也、小松菜奈、加瀬亮、笈田ヨシ
配給:KADOKAWA
公式サイト://chinmoku.jp/
アカデミー賞®最有力と注目される本作は、スコセッシが1988年に原作と出会ってから28年、読んだ瞬間に映画化を希望し、長年に渡り暖め続けてきたという待望のプロジェクト。17世紀江戸初期、激しいキリシタン弾圧の中で棄教したとされる師の真実を確かめるため、日本にたどり着いた宣教師の目に映った想像を絶する日本を舞台に、人間にとって本当に大切なものとは何かを、壮大な映像で描いた歴史大作だ。
キャストはアンドリュー・ガーフィールド(「アメイジング・スパイダーマン」)、リーアム・ニーソン(「シンドラーのリスト」)、アダム・ドライバー(「スター・ウォーズ フォースの覚醒」)に加え、日本からは窪塚洋介、浅野忠信、イッセー尾形、塚本晋也、小松菜奈、加瀬亮、笈田ヨシら実力派が集結。遠藤周作没後20年、原作「沈黙」の刊行50年の節目の年にハリウッドと日本が融合した、今年度の賞レースにおける最注目作品となっている。
そして本日11月17日は、監督マーティン・スコセッシの74歳の誕生日。1976年の「タクシードライバー」で全世界に衝撃を与え、盟友ロバート・デ・ニーロにアカデミー賞®主演男優賞をもたらした「レイジング・ブル」(80)、1988年にはイエス・キリストを描いて大センセーションを巻き起こした「最後の誘惑」を放つ。アカデミー賞®監督賞には、7度目のノミネートとなる「ディパーテッド」(07)で受賞を果たした。その後も、映画創生期を描いた「ヒューゴの不思議な発明」(12)、レオナルド・ディカプリオとの5度目のタッグとなった「ウルフ・オブ・ウォールストリート」(13)と、精力的に映画を創り続けてきた。
音楽映画にも定評があり、1978年の「ラスト・ワルツ」、ノーベル文学賞授賞で話題のボブ・ディランを追った「ボブ・ディラン ノー・デイレクション・ホーム」(05)、「ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト」(08)、「ジョージ・ハリスン/リビング・イン・ザ・マテリアル・ワールド」(11)など、抜群のセンスでアーティストたちの新たな魅力を映画に定着させている。
マーティン・スコセッシが遠藤周作の「沈黙」に出会ったのは、今を遡ること28年前。読んだ瞬間に映画化を決意した。だが、その深遠で複雑なテーマや権利をめぐる調整など、映画化には長い歳月が必要だった。74歳の誕生日を迎えた巨匠が語る「沈黙-サイレンス-」映画に込めた想いをご紹介する。
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遠藤周作「沈黙」との出会い
初めて「沈黙」と出会ったのは1988年のことでした。当時、キリスト教をモチーフにした「最後の誘惑」を撮っている時だったのですが、宗教というのは私の人生を色濃く色づけてきたものです。私は、度々作品の中で裏社会を描いてきましたが、さらにいろんなテーマを深堀りしていかなければならない、言葉ではなんとも表現できない領域に到達しなければならないと感じていました。それは“信じることとは何なのか”というテーマです。
数年後から脚本の執筆が始まり、2006年にようやく執筆が終わりました。20年という歳月を経ていますのでその間、父になり、夫になり、そしてフィルムの修復、保存活動などを通じて、私自身もこの小説と共に成長を遂げたと思っています。そういう思いがあってやっと今回作るに至ったのです。
映画化への決意
以前、私はドキュメンタリー「ジョージ・ハリスン/リビング・イン・ザ・マテリアル・ワールド」を作りました。「沈黙-サイレンス-」は、ある意味それと同じ物語なのです。ジョージ・ハリスンはわかっており、物欲だけでなく、もっと精神的なものを知り、その中に自分を捧げようとした。なぜなら現代社会は、このような考えに決して優しくありません。正しい考え方などわからないとも言わざるを得ません。だからこそ私は、考えることを放棄すべきではない、逆にもっと深く探求しなければならないと思うのです。だからこの映画を作ったのです。
映画化の過程は、巡礼の旅路
今回、映画を撮影していく中で、山中や海など、さまざまなロケ地を巡りました。これが一種のキリスト教への巡礼のような体験になりました。それでも、信じるということは今でも、劇中のロドリゴやフェレイラのように試練と感じる時もありますし、自然と享受できるものではない。自らが欲して勝ち取らなければならないものだと思います。人は日々考えたり、書いたり、映画を作ったりして、人間とは何なのか、人間とは良い存在か、悪しき存在なのかということを考えていますが、その過程が信ずるとは何なのかを探る過程なのだと思います。
異文化の衝突によって見えてくること
「沈黙」のストーリーが私の心をつかんでやまないのは、異文化の衝突を描いているからです。信ずるという信仰を心底分かるためにはありとあらゆる衝撃を通過しなければならないのです。そしてこの物語において、やはり異文化の中にキリスト教を持ち込むわけですから、少しずつ削っていかなければならないわけです。そして削っていく行為こそ、その神髄に至る過程なのだと思っています。こんな想いで作った私の最新作を、早く皆さんにご覧いただきたいと願っています。
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74歳を迎えるマーティン・スコセッシが、日本文学の金字塔「沈黙」の完全映画に挑んだ「沈黙-サイレンス-」の完成が間近に迫った。人間にとって本当に大切なものは何かを描く渾身の最新作に期待は高まるばかりだ。
なお、本作の前売券は11月19日(土)より全国の公開劇場ほかにて発売開始。劇場窓口で購入した場合の特典として劇中写真がデザインされた<オリジナルしおり(4枚セット)>がプレゼントされる。
映画「沈黙-サイレンス-」は、2017年1月21日(土)に全国ロードショー。
■作品情報
「沈黙-サイレンス-」
2017年1月21日(土) 全国ロードショー
原作:遠藤周作「沈黙」(新潮文庫刊)
原題:Silence
監督:マーティン・スコセッシ
脚本:ジェイ・コックス、マーティン・スコセッシ
出演:アンドリュー・ガーフィールド、リーアム・ニーソン、アダム・ドライバー、窪塚洋介、浅野忠信、イッセー尾形、塚本晋也、小松菜奈、加瀬亮、笈田ヨシ
配給:KADOKAWA
公式サイト://chinmoku.jp/
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