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新作海外ドラマ「パンナム」日本上陸決定! 先行試写イベント開催
2011年12月15日
パンナムの元客室乗務員、高橋文子さん
今年9月にアメリカで放送がスタートした新作海外ドラマ「PAN AM/パンナム」が、2012年3月に開局するBS放送「IMAGICA BS」で日本独占初放送することになり、試写会イベントが行われた。イベントでは、パンアメリカン航空(通称:パンナム)で客室乗務員として勤務していた高橋文子さんが、当時の様子をリアルに説明。ドラマがいかに忠実に再現されているかが浮き彫りになった。
「パンナム」は、アメリカが華やかだった1960年代、世界最大の航空会社“PANAM”を舞台に、4人の美しきフライトアテンダントが恋に仕事に奔走する物語。
■ドラマでは、客室乗務員が全員ガードルの着用が求められ、クリスティーナ・リッチ演じるマギーがそれを嫌がるという設定もあるのだが、実際も身だしなみチェックは厳しかったのだろうか?
高橋さん:「ガードルチェックはなかったけれど、体重チェックはあったし、髪型はうるさかったわ。前日、飲みすぎていないかチェックされて、搭乗できない人もいたの。クビにはならなかったけどね」
「日系の航空会社と比べ、自由な雰囲気で、ドラマのシーンにあるように乗客の隣に座って話したり、ファーストクラスの乗客といっしょに食事をすることもあったわ。ファーストクラスの食事はマキシム・ド・パリのもので、必ずあまるほど用意されていたのよ。だから、みんな客室乗務員はファーストクラスで食事をすることにしていたの」
■まさに女性の憧れともいえるパンナムの客室乗務員たち。ケリー・ガーナー演じるケイトは、3カ国語を操るが、実際も才色兼備な女性の集まりだったのだろうか?
高橋さん:「ドラマに登場する女優さんたちよりよっぽどみんな綺麗だったの。モデルをしている人とか、ミスコンテストで優勝した人とか、実際のプリンセスもいたのよ。客室乗務員以外にサイドビジネスをしてもOKだったので、歯医者さんや弁護士、大学教授をやりながら、週末だけフライトしているなんて人も多かったの」
「私も週末フライトしながら、コロンビア大学に通っていたのよ。アメリカの名門大学は学費がとても高いんだけど、それもパンナムが払ってくれたの。他にもロシア語研修が毎年あって、バレエを見に行ったり、各大学と協力してフランス語やイタリア語を率先して勉強させるシステムなんかも充実していたわ」
高嶺の花だった客室乗務員たちと機内で食事を共にできるなんて、乗客たちも飛行機に乗るのが楽しみだったに違いない。
■カリーヌ・ヴァナッシュ演じるコレットが乗客と恋に落ちるシーンも出てくるが、やっぱりモテモテだったのだろうか?
高橋さん:「大富豪と結婚した人もいましたねぇ。政府の高官とか、国際的なビジネスマンと結ばれる人も多かったわ。ドラマでは若いパイロットが出てくるけど、実際にはお父さん世代の人ばかりだったから、恋に落ちたって話は聞かなかったけど」
「私は、映画『荒野の七人』で知られる俳優のスティーブ・マックイーンに会ったことが忘れられないわ。『日本が好きなんだ』って話しかけてきたから、『ハイハイ』って聞いていたの。本人だって全然気付かなくて『日本に行ったらモテるでしょうね。だってスティーブ・マックイーンに似ているもの』なんて言っちゃたのよ。後から本人だってわかって、謝ったんだけど、ずーっとニコニコしていて素敵だったわ」
■ドラマのように付きっきりで対応することもあったのだろうか?
高橋さん:「日本の著名人が搭乗する際は、大体任されていましたね。国際的に活躍する指揮者の小澤征爾はとても人気があったわ。腰が低くて、スマートに英語でお礼を言ってくれたんですよ。そういうことができる日本人は、昔は少なかったから。飛行機には正装して乗る人が多い時代にカジュアルな服装も彼は許されていましたね。ほかにも、日本人はお行儀がいいので人気がありましたよ」
■ドラマの客室乗務員たちは、仕事以外でも飲みに行ったり、仲が良さそうだが、女性ばかりで喧嘩をしたりしなかったのだろうか?
高橋さん:「みんな仲が良くて、とっても働きやすい環境でした。入社した時は2年間も働けば十分なんて思っていたけど、実際は18年も働いたの。2年の産休をとってね。パンナムは、『1年の半分だけフライトしたい』とか、『週末だけフライトしたい』とか、ジョブ・シェアリングのシステムがちゃんとしていて、無理なく長く勤められるようになっていたのよ」
「初めてトレーニングに参加したブラジルのリオ・デ・ジャネイロで、先輩のクルーたちが幸運のお守りを買ってくれたことがあったの。初対面の人なのに優しくしてくれて嬉しかったわ。そんなエピソードがあるほど、みんな仲良しだったのよ」
■世界を飛び回る客室乗務員たちに特に人気があったフライト先は?
高橋さん:「中東のパリとも呼ばれるレバノンの首都、ベイルートがクルーに人気だったわね。今日しているネックレスもあそこで買ったんじゃなかったかしら。高価なものではないけど、とても気に入っているの。日本も1ドル400円時代だからショッピングに最適で、人気は高かったわよ」
■華やかに見える客室乗務員の仕事のなかで、特に大変だったのは?
高橋さん:「今では考えられないことだけど、エコノミーも含む200人近い乗客全員のたまご料理を機内で作っていたのよ。だからスクランブルエッグとかポーチドエッグとか大量に作らなくちゃいけなくて、料理の研修もあったんだけど、それが大変だったかしら。でも、仕事が終わっちゃえば、そんな大変さも忘れるほど楽しかったわ」
女性が働くこと自体めずらしかった1960年代に、世界中の空を飛び回った才色兼備な客室乗務員たち。ドラマの中には、高橋さんの実体験を彷彿とさせるようなエピソードがいくつも登場していた。
パンナムの制服はもちろん、細部にまでこだわって再現された当時のライフスタイルやファッションは見ているだけでも引き付けられるものがあるだろう。
ストーリーの展開も早く、サスペンス的な要素もある本作は、日本でもきっと話題になるはず。来年3月に開局する「IMAGICA BS」での放送開始が待ちきれない。
「パンナム」は、アメリカが華やかだった1960年代、世界最大の航空会社“PANAM”を舞台に、4人の美しきフライトアテンダントが恋に仕事に奔走する物語。
■ドラマでは、客室乗務員が全員ガードルの着用が求められ、クリスティーナ・リッチ演じるマギーがそれを嫌がるという設定もあるのだが、実際も身だしなみチェックは厳しかったのだろうか?
高橋さん:「ガードルチェックはなかったけれど、体重チェックはあったし、髪型はうるさかったわ。前日、飲みすぎていないかチェックされて、搭乗できない人もいたの。クビにはならなかったけどね」
「日系の航空会社と比べ、自由な雰囲気で、ドラマのシーンにあるように乗客の隣に座って話したり、ファーストクラスの乗客といっしょに食事をすることもあったわ。ファーストクラスの食事はマキシム・ド・パリのもので、必ずあまるほど用意されていたのよ。だから、みんな客室乗務員はファーストクラスで食事をすることにしていたの」
■まさに女性の憧れともいえるパンナムの客室乗務員たち。ケリー・ガーナー演じるケイトは、3カ国語を操るが、実際も才色兼備な女性の集まりだったのだろうか?
高橋さん:「ドラマに登場する女優さんたちよりよっぽどみんな綺麗だったの。モデルをしている人とか、ミスコンテストで優勝した人とか、実際のプリンセスもいたのよ。客室乗務員以外にサイドビジネスをしてもOKだったので、歯医者さんや弁護士、大学教授をやりながら、週末だけフライトしているなんて人も多かったの」
「私も週末フライトしながら、コロンビア大学に通っていたのよ。アメリカの名門大学は学費がとても高いんだけど、それもパンナムが払ってくれたの。他にもロシア語研修が毎年あって、バレエを見に行ったり、各大学と協力してフランス語やイタリア語を率先して勉強させるシステムなんかも充実していたわ」
高嶺の花だった客室乗務員たちと機内で食事を共にできるなんて、乗客たちも飛行機に乗るのが楽しみだったに違いない。
■カリーヌ・ヴァナッシュ演じるコレットが乗客と恋に落ちるシーンも出てくるが、やっぱりモテモテだったのだろうか?
高橋さん:「大富豪と結婚した人もいましたねぇ。政府の高官とか、国際的なビジネスマンと結ばれる人も多かったわ。ドラマでは若いパイロットが出てくるけど、実際にはお父さん世代の人ばかりだったから、恋に落ちたって話は聞かなかったけど」
「私は、映画『荒野の七人』で知られる俳優のスティーブ・マックイーンに会ったことが忘れられないわ。『日本が好きなんだ』って話しかけてきたから、『ハイハイ』って聞いていたの。本人だって全然気付かなくて『日本に行ったらモテるでしょうね。だってスティーブ・マックイーンに似ているもの』なんて言っちゃたのよ。後から本人だってわかって、謝ったんだけど、ずーっとニコニコしていて素敵だったわ」
■ドラマのように付きっきりで対応することもあったのだろうか?
高橋さん:「日本の著名人が搭乗する際は、大体任されていましたね。国際的に活躍する指揮者の小澤征爾はとても人気があったわ。腰が低くて、スマートに英語でお礼を言ってくれたんですよ。そういうことができる日本人は、昔は少なかったから。飛行機には正装して乗る人が多い時代にカジュアルな服装も彼は許されていましたね。ほかにも、日本人はお行儀がいいので人気がありましたよ」
■ドラマの客室乗務員たちは、仕事以外でも飲みに行ったり、仲が良さそうだが、女性ばかりで喧嘩をしたりしなかったのだろうか?
高橋さん:「みんな仲が良くて、とっても働きやすい環境でした。入社した時は2年間も働けば十分なんて思っていたけど、実際は18年も働いたの。2年の産休をとってね。パンナムは、『1年の半分だけフライトしたい』とか、『週末だけフライトしたい』とか、ジョブ・シェアリングのシステムがちゃんとしていて、無理なく長く勤められるようになっていたのよ」
「初めてトレーニングに参加したブラジルのリオ・デ・ジャネイロで、先輩のクルーたちが幸運のお守りを買ってくれたことがあったの。初対面の人なのに優しくしてくれて嬉しかったわ。そんなエピソードがあるほど、みんな仲良しだったのよ」
■世界を飛び回る客室乗務員たちに特に人気があったフライト先は?
高橋さん:「中東のパリとも呼ばれるレバノンの首都、ベイルートがクルーに人気だったわね。今日しているネックレスもあそこで買ったんじゃなかったかしら。高価なものではないけど、とても気に入っているの。日本も1ドル400円時代だからショッピングに最適で、人気は高かったわよ」
■華やかに見える客室乗務員の仕事のなかで、特に大変だったのは?
高橋さん:「今では考えられないことだけど、エコノミーも含む200人近い乗客全員のたまご料理を機内で作っていたのよ。だからスクランブルエッグとかポーチドエッグとか大量に作らなくちゃいけなくて、料理の研修もあったんだけど、それが大変だったかしら。でも、仕事が終わっちゃえば、そんな大変さも忘れるほど楽しかったわ」
女性が働くこと自体めずらしかった1960年代に、世界中の空を飛び回った才色兼備な客室乗務員たち。ドラマの中には、高橋さんの実体験を彷彿とさせるようなエピソードがいくつも登場していた。
パンナムの制服はもちろん、細部にまでこだわって再現された当時のライフスタイルやファッションは見ているだけでも引き付けられるものがあるだろう。
ストーリーの展開も早く、サスペンス的な要素もある本作は、日本でもきっと話題になるはず。来年3月に開局する「IMAGICA BS」での放送開始が待ちきれない。
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