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世界が注目する女優・福島リラ、「GONIN サーガ」起用きっかけは岡田准一主演大河の現場 意外な人物からの提案で
2015年9月25日
福島リラ
N.Y.でモデルとして活動しながら、ハリウッド映画「ウルヴァリン:SAMURAI」(2013)に抜擢され、華々しいスクリーン・デビューを飾った、福島リラ。その後は、日本はもちろんの事、米海外ドラマ「ARROW/アロー シーズン3」「ゲーム・オブ・スローンズ 第五章:竜との舞踏」など、ボーダレスに女優としての才能を開花中だ。
福島は「元々俳優を目指していた、というわけではないんです。モデル業をする中で、演技に対する興味を持ち始めた」と女優としてのルーツを振り返る。しかし「“やりたい”と思っても、そう簡単にはいかない」のが現実。ところが活動拠点をN.Y.から日本に移した矢先に届けられたのが、ヒュー・ジャックマン主演の大作映画「ウルヴァリン:SAMURAI」へのオーディションの話だった。そして見事に合格。
誰もがうらやむようなビッグチャンスを新人女優が手にしたことは大きな話題になったと同時に、スクリーンの中での福島の物おじせぬ立ち振る舞いは、観客に大きなインパクトを与えた。その後は日本でも、V6・岡田准一主演の大河ドラマ「軍師官兵衛」(2014)、映画「トワイライト ささらさや」(2014)と話題作・注目作に次々と出演。だが福島は“現状維持”に甘んじる事はない。
「演技を専門的に勉強してきたわけではないですから、今も変わらず日々勉強です。現場では、皆さんの足を引っ張らないように頑張ろうという気持ちだけで、まさに背水の陣」とうなずく。口調によってはシリアスになってしまう話だが、福島は目を輝かせて笑顔を浮かべながら軽々と語る。「苦労みたいなものって、あまり表に出したくない。この世界は華々しいイメージがあるから、夢がなくなってしまう気がするし、暑苦しく思われそうだから。あたかも普通に自然にやっている様な感じがいいですよね」と笑い飛ばす。
語らずとも、その人の意気込みは無意識のうちに醸し出されるものだ。同じ仕事を生業とする者ならば、なおさらそれに気づく。鬼才・石井隆監督が手掛けた映画「GONIN サーガ」(9月26日公開)は、同監督による「GONIN」(1995)の約19年ぶりとなる続編。東出昌大、桐谷健太、土屋アンナ、柄本佑、安藤政信、竹中直人らを配した豪華ハードボイルド映画であり、石井監督久々の超大作だ。そこに福島は抜擢された。起用のきっかけは、大河ドラマ「軍師官兵衛」撮影中の事だった。
「豊臣秀吉役の竹中さんから“ウルヴァリン、観たよ。僕ね、アメコミが好きなの。記念写真撮っていい?”という感じで話しかけていただき、そこから“石井監督に会ってみない?”となって、石井監督とお話する機会をいただいたんです」。驚くべきは、同ドラマで竹中との共演シーンがほとんどなかったこと。実は竹中こそ、1995年の「GONIN」を生み出すきっかけになった人物。竹中は石井監督の長編映画監督デビュー作「天使のはらわた 赤い眩暈」(1988)に主演して以来、石井監督作のシンボル的俳優となり、「GONIN」製作の際も、才能ある俳優を石井監督に引き合わせた事で知られる。そんな竹中から福島は「石井監督の作品世界に合う気がする」とのお墨付きを得たのだ。
10代の頃に「GONIN」に衝撃を受けた経験を持つ福島は、脚本を読む前に出演を決意。役どころは、竹中演じる殺し屋・明神の右腕的存在の余市。明神の単なる仕事上のパートナーなのか、実の娘なのか、はたまた愛人なのか……まさにミステリアスなキャラクターだ。撮影は数日間と短かったが、全てが濃い時間になった。特に土屋との対決シーンは忘れる事が出来ないという。
「アンナちゃんとは日本を拠点にモデルをやっていた時に、仕事をしたことがありました。当時のアンナちゃんは17歳くらいで、はかなげな少女のようでしたが、今は今回の映画同様に、何があっても最後まで立ち続けているかのようなタフさが加わっていました」と約10年ぶりの再会を喜ぶ。しかもファーストシーンから、殴り合いを演じた。「久々の再会が殴り合いですから、何だか凄く可笑しかった。でも10年間お互いに違う事をやりながら、巡り巡って女優として再会できた。それに何かの縁を感じました」。
石井監督ワールドに誘ってくれた竹中の俳優としての偉大さも、目の当たりにした。「ヒュー・ジャックマン同様にチャーミングな方ですが、竹中さんは普段と演じる時のギャップが凄い。名優と言われていますが、それ以上のものを感じました。感性が鋭くて、頭が柔らかい」とリスペクトしきりで「そんな方に声をかけていただけたんですから、あの時に声をかけて良かったと思われるように、これからもいい仕事をしていきたい」と身を引き締める。
2013年以降、女優としての想いを形にしてきた福島。夢を掴む秘訣は「ない」というが「一人で出来る事は限られていて、周りの人々の支えによって色々な仕事が出来ています。最後は自分の頑張りによって決まるけれど、それまで諦めずにいれば、自分なりの答えが必ず見つかるはず」と、これまでの経験から得たものを言葉にしてくれた。(取材・文/石井隼人)
福島は「元々俳優を目指していた、というわけではないんです。モデル業をする中で、演技に対する興味を持ち始めた」と女優としてのルーツを振り返る。しかし「“やりたい”と思っても、そう簡単にはいかない」のが現実。ところが活動拠点をN.Y.から日本に移した矢先に届けられたのが、ヒュー・ジャックマン主演の大作映画「ウルヴァリン:SAMURAI」へのオーディションの話だった。そして見事に合格。
誰もがうらやむようなビッグチャンスを新人女優が手にしたことは大きな話題になったと同時に、スクリーンの中での福島の物おじせぬ立ち振る舞いは、観客に大きなインパクトを与えた。その後は日本でも、V6・岡田准一主演の大河ドラマ「軍師官兵衛」(2014)、映画「トワイライト ささらさや」(2014)と話題作・注目作に次々と出演。だが福島は“現状維持”に甘んじる事はない。
「演技を専門的に勉強してきたわけではないですから、今も変わらず日々勉強です。現場では、皆さんの足を引っ張らないように頑張ろうという気持ちだけで、まさに背水の陣」とうなずく。口調によってはシリアスになってしまう話だが、福島は目を輝かせて笑顔を浮かべながら軽々と語る。「苦労みたいなものって、あまり表に出したくない。この世界は華々しいイメージがあるから、夢がなくなってしまう気がするし、暑苦しく思われそうだから。あたかも普通に自然にやっている様な感じがいいですよね」と笑い飛ばす。
語らずとも、その人の意気込みは無意識のうちに醸し出されるものだ。同じ仕事を生業とする者ならば、なおさらそれに気づく。鬼才・石井隆監督が手掛けた映画「GONIN サーガ」(9月26日公開)は、同監督による「GONIN」(1995)の約19年ぶりとなる続編。東出昌大、桐谷健太、土屋アンナ、柄本佑、安藤政信、竹中直人らを配した豪華ハードボイルド映画であり、石井監督久々の超大作だ。そこに福島は抜擢された。起用のきっかけは、大河ドラマ「軍師官兵衛」撮影中の事だった。
映画「GONIN サーガ」
「豊臣秀吉役の竹中さんから“ウルヴァリン、観たよ。僕ね、アメコミが好きなの。記念写真撮っていい?”という感じで話しかけていただき、そこから“石井監督に会ってみない?”となって、石井監督とお話する機会をいただいたんです」。驚くべきは、同ドラマで竹中との共演シーンがほとんどなかったこと。実は竹中こそ、1995年の「GONIN」を生み出すきっかけになった人物。竹中は石井監督の長編映画監督デビュー作「天使のはらわた 赤い眩暈」(1988)に主演して以来、石井監督作のシンボル的俳優となり、「GONIN」製作の際も、才能ある俳優を石井監督に引き合わせた事で知られる。そんな竹中から福島は「石井監督の作品世界に合う気がする」とのお墨付きを得たのだ。
10代の頃に「GONIN」に衝撃を受けた経験を持つ福島は、脚本を読む前に出演を決意。役どころは、竹中演じる殺し屋・明神の右腕的存在の余市。明神の単なる仕事上のパートナーなのか、実の娘なのか、はたまた愛人なのか……まさにミステリアスなキャラクターだ。撮影は数日間と短かったが、全てが濃い時間になった。特に土屋との対決シーンは忘れる事が出来ないという。
「アンナちゃんとは日本を拠点にモデルをやっていた時に、仕事をしたことがありました。当時のアンナちゃんは17歳くらいで、はかなげな少女のようでしたが、今は今回の映画同様に、何があっても最後まで立ち続けているかのようなタフさが加わっていました」と約10年ぶりの再会を喜ぶ。しかもファーストシーンから、殴り合いを演じた。「久々の再会が殴り合いですから、何だか凄く可笑しかった。でも10年間お互いに違う事をやりながら、巡り巡って女優として再会できた。それに何かの縁を感じました」。
福島リラ演じる“余市” (C)2015『GONIN サーガ』製作委員会
石井監督ワールドに誘ってくれた竹中の俳優としての偉大さも、目の当たりにした。「ヒュー・ジャックマン同様にチャーミングな方ですが、竹中さんは普段と演じる時のギャップが凄い。名優と言われていますが、それ以上のものを感じました。感性が鋭くて、頭が柔らかい」とリスペクトしきりで「そんな方に声をかけていただけたんですから、あの時に声をかけて良かったと思われるように、これからもいい仕事をしていきたい」と身を引き締める。
2013年以降、女優としての想いを形にしてきた福島。夢を掴む秘訣は「ない」というが「一人で出来る事は限られていて、周りの人々の支えによって色々な仕事が出来ています。最後は自分の頑張りによって決まるけれど、それまで諦めずにいれば、自分なりの答えが必ず見つかるはず」と、これまでの経験から得たものを言葉にしてくれた。(取材・文/石井隼人)
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