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第58回グラミー賞最優秀新人賞ノミネート&来日公演決定! 誰ものココロに忍び込むアーティスト ジェイムス・ベイの公式インタビューが到着
2015年12月14日
ジェイムス・ベイ photo by Emily Hope
アップル・ミュージックのキャンペーンにも起用、第58回グラミー賞では最優秀新人賞のほか2部門にノミネートされ、注目度が高まりつつあるシンガーソングライターのジェイムス・ベイの公式インタビューが到着。歌手の道を志したきっかけや、日本の印象、デビューアルバム『カオス・アンド・ザ・カーム』についてなど、余すことなく語ってもらった。
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――はじめまして、お元気ですか?
ジェイムス(以下J): すごく元気だよ。ありがとう。実は、さっきショウを終えたばかりなんだ
――日本では、あなたの楽曲がアップル・ミュージックのCMとして流れていて、「あれは誰なんですか?」っていう問い合わせが殺到したんです。それで早速、この取材をお願いしました。
J: わあ、それはうれしいな
【動画】ジェイムス・ベイ出演CM ~Discover~
――あなたのいるイギリスから遠く離れた国で、あなたの音楽が人気になっているって、どんな気分ですか?
J: すばらしい気分だよ。オーストラリアも日本のようにイギリスから遥かに離れた国だけど、10ヶ月ぐらい前に、ラジオで僕の曲が流れていて、人気になってるって知ったんだ。それもうれしかった。でも、僕は日本には前からすごく惹かれてて。何十年も前から、僕が好きなアーティストたちが日本に行ってショウをやってるからね。日本に行けたら、最高にラッキーだな。イギリスでは本当に沢山ショウをやってきたし、アメリカとヨーロッパにも何度も行ったことがあって、ついにオーストラリアにも行けたんだけど、「日本はまだかな?」って思ってたんだよ。
さっき言ったように、僕の好きなアーティストたちはみんな日本に行ってるから。だから日本に行ってショウをやって、いい反応が得られるかどうか挑戦してみたいんだ。だから、君たちの読者が反応してくれたっていうのは、すごくうれしい。僕の音楽が日本に届いてるって、僕にとって、すごく大きなことだよ。これがいい始まりになるといいな。
――日本について、何かご存知ですか?
J: いやー、ぶっちゃけると、僕の好きなアーティストたちが日本によく行って楽しんでいることしか知らないんだ。でもそのアーティストたちが取材で、「日本はどこよりも面白い場所だ」って言うのを読んでいたから、日本でプレイしたくてたまらないんだ。
――これまでの経歴を教えて欲しいのですが、いつ頃から音楽にのめりこむようになったんですか?
J: 僕は物心ついた時から音楽が大好きだったんだ。多くの人たちが同じことを言ってると思うけど、3、4歳の頃から好きだったのをはっきり覚えてる。
――3、4歳!
J: うん、その数年後にさらに夢中になったんだけど、音楽は4歳の時からずっと聞いてた。父が大好きなブルース・スプリングスティーンとか、母が好きなソウル・ミュージック、モータウンの曲とかをね。僕の家では、ソウルとロックンロールのミックスが、いつも流れていたんだよ。でも、11歳のある土曜日の午後、父があるレコードをかけてくれたんだ。その前に僕がギターにちょっと興味を示していたから、「ちょっとこのギターを聞いてみろ、すばらしいぞ」って。
父はギタリストではないんだけど、ギターが好きでね。それで聞かせてくれたのが、1970年代のバンド、デレク・アンド・ザ・ドミノス(エリック・クラプトンが在籍していたバンド)の「いとしのレイラ」だった。ぶっとばされた。その瞬間、僕は「これだ、これをやりたい。今聞こえている音楽を、僕も演奏できるようになりたい」って思った。それで、家に置いてあった古いギターを修理に出して、ギターを弾き始めたんだよ。すごく気に入った。
それ以来、ギターは僕にとってなくてはならないもの、何よりも僕の音楽をインスパイアしてくれるものなんだ。その後何年もの間、ただギタリストになりたかったんだけど、そのうち作曲もするようになった。友達の間では、ギターをやりたがる人は沢山いたけど、歌も好きな人はほんの数人だった。僕はその数人の中に入っていたんだ。それで歌い始めて、最終的に曲も書き始めた。それが、僕のこれまでの旅路だよ。
――ご両親が聞いていた音楽の他に、どんな音楽に影響を受けましたか?
J: 最近の音楽だと、アデルが大好きだよ。それから、レイラ・モンテーン、ブライアン・アダムスも大好きだね。カナダのバンド、ファイストにもいつもインスパイアされてる。少し昔のアーティストでは、マイケル・ジャクソン。
――そうなんですね!
J: もちろん。彼の音楽は最高だよ。あとローリング・ストーンズにも、インスパイアされてるよ。
――ローリング・ストーンズは、前座を務めたことがあるんですよね?
J: うん、幸運なことに、数年前にね。ロンドンのハイド・パークでの公演で、他の何人かのアーティストたちと一緒に、僕も前座に選ばれたんだ。クールだった。いい時間を過ごしたよ。でも一番良かったのは、観客としてストーンズのショウを見られたことだね。超、超、年配のバンドだからさ、今でもロックできるんだろうかって心配があったんだよ。でも、彼らは驚異的だった。シンプルで直球の、すばらしいロックンロール・ミュージックだったよ。すばらしいバンドだよ。
――そうですよね。それで、音楽を始めてからレコード会社との契約を結ぶまでの道のりはどうでしたか? 大変でしたか?
J: 楽ではなかったね。レコード会社の目に留まることが、簡単じゃないんだ。いいアーティストであることは必須だけど、誰もが認めるいいアーティストのルールなんて存在しないし、見つけてもらうためには、運も必要なんだ。誰も彼もがデビューできないのは、それが理由だよ。だから、長い時間がかかったよ。僕は何年もの間、イギリスのあちこちのオープンマイク(出たい人が誰でも参加できる)のショウでプレイしてた。ある時、ロンドンでのオープンマイク・ショウに行ったんだ。そこに大きなビデオカメラを持って来ていている人がいて、後から聞いて知ったんだけど、プロのカメラマンで、仕事帰りにパブに寄ったんだって。彼が僕の曲を一曲撮影して、それをYouTubeにアップしてくれたんだよ。
ショウの後、彼にどう思ったか聞いてみたんだ。自分がいいアーティストなのかどうか、知りたかったから。彼は僕の音楽を気に入ってくれてて、うれしかった。そのビデオを見たいくつかのレコード会社が、連絡をくれたんだ。ビデオの再生回数は、大したことなかったんだよ。でも、その中に僕と契約してくれたリパブリック・レコードがいたんだ。ビデオを見つけて連絡をくれて、「君の曲を聞いてとても気に入ったから、ぜひ君に会いたい。ニューヨークに来て欲しい。もっと曲を聞かせてもらいたい」って、ニューヨークに僕を呼んでくれたんだ。それで、契約を手にしたんだよ。
――そして、あなたのデビュー・アルバム『カオス&ザ・カーム』がリリースされました。このアルバムの制作はいかがでしたか?
J: 去年、アメリカのナッシュビルに行って制作したんだ。僕はキングス・オブ・レオンの大ファンなんだけど、僕が一番好きな彼らのアルバム『カム・アラウンド・サンダウン』をプロデュースしたジャクワイア・キングが僕のビデオを見て、「すごくいい!」って気に入ってくれて、一緒に仕事することになったんだ。彼、ナッシュビルに住んでるんだよ。それでナッシュビルのブラックバードスタジオっていうすばらしいスタジオで、レコーディングしたんだ。僕が大好きなアルバムも、そこでレコーディングされたんだよ。
――良かったですね。作曲は、歌詞と音楽と、同時に書いているんですか?
J: 曲によって変わるけど、大抵そうだね。同時に出てこない時は、まず曲のアイディアを考えてから、歌詞をつけてる。
――『カオス&ザ・カーム』というタイトルにしたのは、どうしてですか?
J: 『カオス・アンド・ザ・カーム(カオスと静寂)』っていうのは、僕の精神状態を言い表してるんだ。作曲をしている時とか、ここまでに至る道のりでのね。全ての曲は、僕の18歳から24歳までの人生に関する曲なんだ。全てが、僕の経験にインスパイアされたストーリーなんだよ。だから、それを集約する言葉として、『カオス・アンド・ザ・カーム』にしたんだよ。
――「ホールド・バック・ザ・リヴァー」も本当に美しい曲なので、多くの人たちが虜になってしまったんだと思います。この曲は、どんな風にして生まれたんですか?
J: ありがとう。どうやって書いたんだったかな? 2年前ぐらいに、この曲を書いたんだ。その頃、僕は突然忙しくなって、そんなに多忙になったのは、初めてのことだった。まあ、今の方が忙しいけど、今は慣れたからね。2年前に初めて、アメリカに何度も行くようになって、イギリス中を移動して、他の人たちと一緒に作曲したりレコーディングしたりして、ショウもいっぱいやって。ツアーを終えてロンドンに戻ったら、またすぐにツアーに出てた。
僕は長い間サポート・アクトをやってて、それも前座として回ったツアーだったんだけど、そのツアーの後、ロンドンで初めてのヘッドライナー・ショウをやったんだ。100人ぐらいしか入らないパブなんだけど、観客の中心は僕の家族と友人たちだったから、僕はすごく興奮してた。その後も予定は詰まってたけど、「今夜はみんなに会える、すばらしい時間になるだろうな」ってね。そして、その夜は本当にあっという間で、瞬きをする間に過ぎ去った。その翌日、僕はデモをレコーディングすることになっていて、スタジオに行ったんだ。その時の僕は、前夜のショウで僕の目の前にいるみんなを見て、みんなのことを恋しく思っていたことに気づいて、少し感傷的になってた。「ホールド・バック・ザ・リヴァー(川の流れをせき止めて)」っていうのはちょっとした比喩で、このクレイジーな忙しさを止めて、自分のペースを取り戻して、僕が一番大切に想っている人たちとの時間を過ごしたいっていうことを言っているんだよ。それがこの曲のストーリーだよ。
――ラブ・ソングだと思っていたんですが、典型的なラブ・ソングではないんですね。
J: ちょっと違うタイプのラブ・ソングだよ。僕が一緒に育った人たちに対する愛だからね。
――素敵ですね。どの曲もすばらしいですが、「クレーヴィング」の情熱的な歌詞が特に印象に残りました。この歌詞は何にインスパイアされたんですか?
J: 子供の頃は家にいるのが大好きで、旅には興味がなかったんだ。僕はヒッチンっていう小さな町で生まれ育ったんだけど、ヒッチンの外に出たいなんて思ったことがなかった。でも、19歳の時に突然、ヒッチンだけで音楽をやっているわけにはいかないって気づいた。音楽で成功したいなら、イギリス全国を回って、世界を回らなきゃって思ったんだ。その「外に出よう、この場所以上のことを見つけよう」って切望する気持ちが、「クレーヴィング(切望)」をインスパイアしたんだよ。
――このアルバム全体を通して、何かリスナーに伝えたかったことはありますか?
J: 僕自身が音楽を聞く時に望むことは、ただ心を動かされることなんだ。何かを感じたい。だから僕も、リスナーの心を動かしたい。ハッピーになるか、悲しくなるかは問題じゃなくて、ただ感動して欲しい。音楽に必要なのは、それだけだと思う。一番大事なのは、何かを感じてもらうことなんだ。僕はそう思っているから、そういう音楽を作っていきたい。
――アーティストとして、これから達成したい一番の夢は何ですか?
J: 永遠に音楽をやり続けること。そして、世界中でプレイしたいよ。
――ローリング・ストーンズみたいに?
J: うん、ストーンズ、ブルース・スプリングスティーン、マイケル・ジャクソン、数々の大物アーティストたちのようにね。人々が大好きになってくれて、共感してくれるすばらしい音楽を作り続けて、その音楽を世界中でプレイし続けたい。日本でも、他の国々でも、永遠にね。
――ところで、あなたの定番の帽子姿はユニークでクールですけど、音楽をやっていない時も、帽子をかぶるのが好きなんですか?
J: ありがとう。帽子は大好きなんだ。ショウでも、ベッドの上でも帽子をかぶってて、かぶっていない時がないんだよ。一番大好きなものだよ。
――へええ。子供の頃から?
J: いや、19歳ごろかな。夢を見たんだよ。天のお告げみたいに、知らない人が話しかけてきて、「帽子をかぶれ」って言ったんだ。それで、「分かった。帽子をかぶるよ」って。それで帽子をかぶったら止められなくなって、大好きなんだ!
――面白すぎます(笑)。では最後に、日本のファンにメッセージをお願いします。
J: 日本のファンのみんな! 僕のファンが日本にいるなんて、信じられないよ。僕の音楽が日本に何らかのインパクトを与えてるって、最高にクールだよ。だから、僕がプレイしに行くまで待ってて。できるだけ早く、君たちに会いに行くから。僕の音楽を聞いてくれて、本当にありがとう。
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■来日情報
JAMES BAY JAPAN TOUR 2016
2016年3月2日(水) 梅田クラブアトロ
2016年3月3日(木) 六本木 EX シアター
詳細→//www.creativeman.co.jp/artist/2016/03jamesbay/
■リリース情報
デビュー・アルバム『カオス&ザ・カーム』2016年2月5日発売
2,500円 + 税
iTunes https://itunes.apple.com/jp/album/chaos-and-the-calm/id956135747?app=itunes
■バイオグラフィ
24歳、イギリス出身のシンガーソングライター。ギターに熱中し始めたのは11歳頃。16歳の頃には、バンドではなくソロ・アーティストとして、自作曲をパブで歌い始めた。「僕の歌で酔っ払いを黙らせることができるかどうか試したかった」そんな思いもあった。
画家としての才能も発揮していたベイは、長い間、美術を学びたいという思いも持っていたが、最終的には美術ではなく音楽の道を選んだ。その後、ロンドンでのライヴの動画がネットに公開されたのをきっかけに、米リパブリック・レコードと契約。数々のメディアが、“見るべきアーティスト”にこぞって上げ、ブリット・アワードで批評家賞を受賞するなど大注目の中、キングス・オブ・レオンの長年の共編者かつトム・ウェイツのエンジニアだったジャクワイア・キングをプロデューサーに迎えたデビュー・アルバム「カオス&ザ・カーム」を発売して、全英チャート初登場1位を獲得した。
日本公式サイト://www.universal-music.co.jp/james-bay
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――はじめまして、お元気ですか?
ジェイムス(以下J): すごく元気だよ。ありがとう。実は、さっきショウを終えたばかりなんだ
――日本では、あなたの楽曲がアップル・ミュージックのCMとして流れていて、「あれは誰なんですか?」っていう問い合わせが殺到したんです。それで早速、この取材をお願いしました。
J: わあ、それはうれしいな
【動画】ジェイムス・ベイ出演CM ~Discover~
――あなたのいるイギリスから遠く離れた国で、あなたの音楽が人気になっているって、どんな気分ですか?
J: すばらしい気分だよ。オーストラリアも日本のようにイギリスから遥かに離れた国だけど、10ヶ月ぐらい前に、ラジオで僕の曲が流れていて、人気になってるって知ったんだ。それもうれしかった。でも、僕は日本には前からすごく惹かれてて。何十年も前から、僕が好きなアーティストたちが日本に行ってショウをやってるからね。日本に行けたら、最高にラッキーだな。イギリスでは本当に沢山ショウをやってきたし、アメリカとヨーロッパにも何度も行ったことがあって、ついにオーストラリアにも行けたんだけど、「日本はまだかな?」って思ってたんだよ。
さっき言ったように、僕の好きなアーティストたちはみんな日本に行ってるから。だから日本に行ってショウをやって、いい反応が得られるかどうか挑戦してみたいんだ。だから、君たちの読者が反応してくれたっていうのは、すごくうれしい。僕の音楽が日本に届いてるって、僕にとって、すごく大きなことだよ。これがいい始まりになるといいな。
――日本について、何かご存知ですか?
J: いやー、ぶっちゃけると、僕の好きなアーティストたちが日本によく行って楽しんでいることしか知らないんだ。でもそのアーティストたちが取材で、「日本はどこよりも面白い場所だ」って言うのを読んでいたから、日本でプレイしたくてたまらないんだ。
――これまでの経歴を教えて欲しいのですが、いつ頃から音楽にのめりこむようになったんですか?
J: 僕は物心ついた時から音楽が大好きだったんだ。多くの人たちが同じことを言ってると思うけど、3、4歳の頃から好きだったのをはっきり覚えてる。
――3、4歳!
J: うん、その数年後にさらに夢中になったんだけど、音楽は4歳の時からずっと聞いてた。父が大好きなブルース・スプリングスティーンとか、母が好きなソウル・ミュージック、モータウンの曲とかをね。僕の家では、ソウルとロックンロールのミックスが、いつも流れていたんだよ。でも、11歳のある土曜日の午後、父があるレコードをかけてくれたんだ。その前に僕がギターにちょっと興味を示していたから、「ちょっとこのギターを聞いてみろ、すばらしいぞ」って。
父はギタリストではないんだけど、ギターが好きでね。それで聞かせてくれたのが、1970年代のバンド、デレク・アンド・ザ・ドミノス(エリック・クラプトンが在籍していたバンド)の「いとしのレイラ」だった。ぶっとばされた。その瞬間、僕は「これだ、これをやりたい。今聞こえている音楽を、僕も演奏できるようになりたい」って思った。それで、家に置いてあった古いギターを修理に出して、ギターを弾き始めたんだよ。すごく気に入った。
それ以来、ギターは僕にとってなくてはならないもの、何よりも僕の音楽をインスパイアしてくれるものなんだ。その後何年もの間、ただギタリストになりたかったんだけど、そのうち作曲もするようになった。友達の間では、ギターをやりたがる人は沢山いたけど、歌も好きな人はほんの数人だった。僕はその数人の中に入っていたんだ。それで歌い始めて、最終的に曲も書き始めた。それが、僕のこれまでの旅路だよ。
――ご両親が聞いていた音楽の他に、どんな音楽に影響を受けましたか?
J: 最近の音楽だと、アデルが大好きだよ。それから、レイラ・モンテーン、ブライアン・アダムスも大好きだね。カナダのバンド、ファイストにもいつもインスパイアされてる。少し昔のアーティストでは、マイケル・ジャクソン。
――そうなんですね!
J: もちろん。彼の音楽は最高だよ。あとローリング・ストーンズにも、インスパイアされてるよ。
――ローリング・ストーンズは、前座を務めたことがあるんですよね?
J: うん、幸運なことに、数年前にね。ロンドンのハイド・パークでの公演で、他の何人かのアーティストたちと一緒に、僕も前座に選ばれたんだ。クールだった。いい時間を過ごしたよ。でも一番良かったのは、観客としてストーンズのショウを見られたことだね。超、超、年配のバンドだからさ、今でもロックできるんだろうかって心配があったんだよ。でも、彼らは驚異的だった。シンプルで直球の、すばらしいロックンロール・ミュージックだったよ。すばらしいバンドだよ。
――そうですよね。それで、音楽を始めてからレコード会社との契約を結ぶまでの道のりはどうでしたか? 大変でしたか?
J: 楽ではなかったね。レコード会社の目に留まることが、簡単じゃないんだ。いいアーティストであることは必須だけど、誰もが認めるいいアーティストのルールなんて存在しないし、見つけてもらうためには、運も必要なんだ。誰も彼もがデビューできないのは、それが理由だよ。だから、長い時間がかかったよ。僕は何年もの間、イギリスのあちこちのオープンマイク(出たい人が誰でも参加できる)のショウでプレイしてた。ある時、ロンドンでのオープンマイク・ショウに行ったんだ。そこに大きなビデオカメラを持って来ていている人がいて、後から聞いて知ったんだけど、プロのカメラマンで、仕事帰りにパブに寄ったんだって。彼が僕の曲を一曲撮影して、それをYouTubeにアップしてくれたんだよ。
ショウの後、彼にどう思ったか聞いてみたんだ。自分がいいアーティストなのかどうか、知りたかったから。彼は僕の音楽を気に入ってくれてて、うれしかった。そのビデオを見たいくつかのレコード会社が、連絡をくれたんだ。ビデオの再生回数は、大したことなかったんだよ。でも、その中に僕と契約してくれたリパブリック・レコードがいたんだ。ビデオを見つけて連絡をくれて、「君の曲を聞いてとても気に入ったから、ぜひ君に会いたい。ニューヨークに来て欲しい。もっと曲を聞かせてもらいたい」って、ニューヨークに僕を呼んでくれたんだ。それで、契約を手にしたんだよ。
photo by Eliot Hazel
――そして、あなたのデビュー・アルバム『カオス&ザ・カーム』がリリースされました。このアルバムの制作はいかがでしたか?
J: 去年、アメリカのナッシュビルに行って制作したんだ。僕はキングス・オブ・レオンの大ファンなんだけど、僕が一番好きな彼らのアルバム『カム・アラウンド・サンダウン』をプロデュースしたジャクワイア・キングが僕のビデオを見て、「すごくいい!」って気に入ってくれて、一緒に仕事することになったんだ。彼、ナッシュビルに住んでるんだよ。それでナッシュビルのブラックバードスタジオっていうすばらしいスタジオで、レコーディングしたんだ。僕が大好きなアルバムも、そこでレコーディングされたんだよ。
――良かったですね。作曲は、歌詞と音楽と、同時に書いているんですか?
J: 曲によって変わるけど、大抵そうだね。同時に出てこない時は、まず曲のアイディアを考えてから、歌詞をつけてる。
――『カオス&ザ・カーム』というタイトルにしたのは、どうしてですか?
J: 『カオス・アンド・ザ・カーム(カオスと静寂)』っていうのは、僕の精神状態を言い表してるんだ。作曲をしている時とか、ここまでに至る道のりでのね。全ての曲は、僕の18歳から24歳までの人生に関する曲なんだ。全てが、僕の経験にインスパイアされたストーリーなんだよ。だから、それを集約する言葉として、『カオス・アンド・ザ・カーム』にしたんだよ。
――「ホールド・バック・ザ・リヴァー」も本当に美しい曲なので、多くの人たちが虜になってしまったんだと思います。この曲は、どんな風にして生まれたんですか?
J: ありがとう。どうやって書いたんだったかな? 2年前ぐらいに、この曲を書いたんだ。その頃、僕は突然忙しくなって、そんなに多忙になったのは、初めてのことだった。まあ、今の方が忙しいけど、今は慣れたからね。2年前に初めて、アメリカに何度も行くようになって、イギリス中を移動して、他の人たちと一緒に作曲したりレコーディングしたりして、ショウもいっぱいやって。ツアーを終えてロンドンに戻ったら、またすぐにツアーに出てた。
僕は長い間サポート・アクトをやってて、それも前座として回ったツアーだったんだけど、そのツアーの後、ロンドンで初めてのヘッドライナー・ショウをやったんだ。100人ぐらいしか入らないパブなんだけど、観客の中心は僕の家族と友人たちだったから、僕はすごく興奮してた。その後も予定は詰まってたけど、「今夜はみんなに会える、すばらしい時間になるだろうな」ってね。そして、その夜は本当にあっという間で、瞬きをする間に過ぎ去った。その翌日、僕はデモをレコーディングすることになっていて、スタジオに行ったんだ。その時の僕は、前夜のショウで僕の目の前にいるみんなを見て、みんなのことを恋しく思っていたことに気づいて、少し感傷的になってた。「ホールド・バック・ザ・リヴァー(川の流れをせき止めて)」っていうのはちょっとした比喩で、このクレイジーな忙しさを止めて、自分のペースを取り戻して、僕が一番大切に想っている人たちとの時間を過ごしたいっていうことを言っているんだよ。それがこの曲のストーリーだよ。
――ラブ・ソングだと思っていたんですが、典型的なラブ・ソングではないんですね。
J: ちょっと違うタイプのラブ・ソングだよ。僕が一緒に育った人たちに対する愛だからね。
――素敵ですね。どの曲もすばらしいですが、「クレーヴィング」の情熱的な歌詞が特に印象に残りました。この歌詞は何にインスパイアされたんですか?
J: 子供の頃は家にいるのが大好きで、旅には興味がなかったんだ。僕はヒッチンっていう小さな町で生まれ育ったんだけど、ヒッチンの外に出たいなんて思ったことがなかった。でも、19歳の時に突然、ヒッチンだけで音楽をやっているわけにはいかないって気づいた。音楽で成功したいなら、イギリス全国を回って、世界を回らなきゃって思ったんだ。その「外に出よう、この場所以上のことを見つけよう」って切望する気持ちが、「クレーヴィング(切望)」をインスパイアしたんだよ。
――このアルバム全体を通して、何かリスナーに伝えたかったことはありますか?
J: 僕自身が音楽を聞く時に望むことは、ただ心を動かされることなんだ。何かを感じたい。だから僕も、リスナーの心を動かしたい。ハッピーになるか、悲しくなるかは問題じゃなくて、ただ感動して欲しい。音楽に必要なのは、それだけだと思う。一番大事なのは、何かを感じてもらうことなんだ。僕はそう思っているから、そういう音楽を作っていきたい。
――アーティストとして、これから達成したい一番の夢は何ですか?
J: 永遠に音楽をやり続けること。そして、世界中でプレイしたいよ。
――ローリング・ストーンズみたいに?
J: うん、ストーンズ、ブルース・スプリングスティーン、マイケル・ジャクソン、数々の大物アーティストたちのようにね。人々が大好きになってくれて、共感してくれるすばらしい音楽を作り続けて、その音楽を世界中でプレイし続けたい。日本でも、他の国々でも、永遠にね。
――ところで、あなたの定番の帽子姿はユニークでクールですけど、音楽をやっていない時も、帽子をかぶるのが好きなんですか?
J: ありがとう。帽子は大好きなんだ。ショウでも、ベッドの上でも帽子をかぶってて、かぶっていない時がないんだよ。一番大好きなものだよ。
――へええ。子供の頃から?
J: いや、19歳ごろかな。夢を見たんだよ。天のお告げみたいに、知らない人が話しかけてきて、「帽子をかぶれ」って言ったんだ。それで、「分かった。帽子をかぶるよ」って。それで帽子をかぶったら止められなくなって、大好きなんだ!
――面白すぎます(笑)。では最後に、日本のファンにメッセージをお願いします。
J: 日本のファンのみんな! 僕のファンが日本にいるなんて、信じられないよ。僕の音楽が日本に何らかのインパクトを与えてるって、最高にクールだよ。だから、僕がプレイしに行くまで待ってて。できるだけ早く、君たちに会いに行くから。僕の音楽を聞いてくれて、本当にありがとう。
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■来日情報
JAMES BAY JAPAN TOUR 2016
2016年3月2日(水) 梅田クラブアトロ
2016年3月3日(木) 六本木 EX シアター
詳細→//www.creativeman.co.jp/artist/2016/03jamesbay/
■リリース情報
デビュー・アルバム『カオス&ザ・カーム』2016年2月5日発売
2,500円 + 税
iTunes https://itunes.apple.com/jp/album/chaos-and-the-calm/id956135747?app=itunes
Chaos & the Calm
posted with amazlet at 15.11.27
James Bay
Imports (2015-03-31)
売り上げランキング: 10,921
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■バイオグラフィ
24歳、イギリス出身のシンガーソングライター。ギターに熱中し始めたのは11歳頃。16歳の頃には、バンドではなくソロ・アーティストとして、自作曲をパブで歌い始めた。「僕の歌で酔っ払いを黙らせることができるかどうか試したかった」そんな思いもあった。
画家としての才能も発揮していたベイは、長い間、美術を学びたいという思いも持っていたが、最終的には美術ではなく音楽の道を選んだ。その後、ロンドンでのライヴの動画がネットに公開されたのをきっかけに、米リパブリック・レコードと契約。数々のメディアが、“見るべきアーティスト”にこぞって上げ、ブリット・アワードで批評家賞を受賞するなど大注目の中、キングス・オブ・レオンの長年の共編者かつトム・ウェイツのエンジニアだったジャクワイア・キングをプロデューサーに迎えたデビュー・アルバム「カオス&ザ・カーム」を発売して、全英チャート初登場1位を獲得した。
日本公式サイト://www.universal-music.co.jp/james-bay
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