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lecca インタビュー デビュー10年での最大の変化は「丸くなったこと」! ガンバ宇佐美選手をはじめ、アスリートに支持される理由を「根性のおかげ」と分析
2016年1月21日
lecca / (c)TVGroove.com
2015年に、アルバムデビューから10周年を迎えた、歌手lecca(レッカ)にインタビュー。歌の道を志したきっかけから、節目を迎えた心境まで語ってもらった。
leccaは2005年に、アルバム『烈火』でデビューを飾ると、2009年にはファーストシングル『For You』がヒット。ドラマの主題歌にもなった『My measure』をはじめ、leccaの楽曲は、槙野智章(サッカー・浦和レッズ所属)、宇佐美貴史(サッカー・ガンバ大阪所属)や、安藤優也(野球・阪神タイガース)、高橋大輔(元フィギュアスケート選手)など、アスリートから大きな支持を集めている。
TVGrooveは、1月27日(水)に、自身初となるベストアルバム『BEST POSITIVE』をリリースするleccaにインタビューを行った。
――歌手を目指したきっかけを教えてください
「そもそも私は裏方志望で、作詞・作曲家になりたかったんです。音楽はずっと好きだったんですけれど、ちょうど中学3年くらいのころに、第一次DJブームが起きたので、私もDJをはじめたんです。中学生なので、5時から9時くらいまで、クラブ活動みたいな形で場所を借りて、みんなで使って音を流すくらいのことしかしてなかったんですけど、それから段々、ミックステープを作るときに、全然違う曲を混ぜたら楽しいことに気が付いて、これは自分で曲を作ったらもっと楽しいんじゃない?というところから、作曲家になりたいと思いはじめました。仮歌を歌えるレベルにはなろうと、ボイストレーニングに通いはじめると、そこで友だちになったひとたちが、デビューを目指している意識が高い方々で、その影響もあって、自分で前に立って歌おうと思いはじめました」
――今回、ついにベストアルバムを発売されますが、どんな作品になっていますか?
「過去10年間に、アルバム10枚、ミニアルバム、シングル、他の方に招かれた曲まで含めると、たぶん200曲以上、発表していたみたいなんです。でもベストを作ることは、ずっとお断りしていました。アルバムを作る方が楽しくて、そちらをやりたいという思いがあったので。ですけど(今回は)10年の節目ということもありまして、ここで出さないと一生、出さないと思ったので、1枚くらいは、じゃあお願いします、と(笑) 今回はその200数曲の中から、16曲を選んで、作らせていただきました」
――200曲という膨大な数から、16曲を選んだ基準は何でしょうか?
「自分発信はほとんどなく、おそらくファンがこの曲を好きと言ってくれるだろうという基準で選びました。今回はいろいろな方の意見を聞きまして、アンケートを取ったわけじゃないんですけれど、ダウンロードされた回数や、YouTubeでの再生回数を筆頭に、私が選んだというより、ディレクターと私で、これとこれならこっちかな?と最終的に詰めたところもあるんです。けど、たいてい私のファンがどの16曲を選ぶだろうと考えたとき、10数曲まではファンの方もわかりやすい曲たちが選ばれていると思います」
――「ベスト・ポジティブ」というタイトルにこめた意味は?
「過去10年間を振り返ってみて、200数曲にはどんな共通点があるだろうと思ったら、ジャンルもバラバラで、スタイルも変わってきている、(共通点なんて)何もないんですけど、私が歌詞を書くときにひとつ入れるのは、つらい現実や、ダメな自分っていうものを押し出すこと。そんなダメな自分が、どうしたら上向きになるか、どうしたら前向きになるかを、2番、3番あたりで描くということが、どの曲にも共通することなので、すべての曲に共通するテーマをタイトルに持ってくるとすれば、ポジティブさだろうと思いました。じゃあベストに付けるとしたら、『ベスト・ポジティブ』が私らしいかもしれませんね、と言いました」
――leccaさんご自身として、特に思い入れのある曲はありますか?
「いっぱいあるんですけど……一番って難しいですね(笑) いちばん新しい『ねがい』っていう曲が、入っているんですけど、常に最新曲はお客さんに早く届けたいという思いがあるので、これはぜひ聞いてほしいとは思っています。けど、過去の曲もたくさん入っている中で、“やっぱりこの曲強いよなぁ”というものはたくさん。今回はそういう横綱ばかり集めたので(笑) でも『ちから』って曲は、今でもライブで歌っても、自分もすごくテンションを上げざるをえない曲と言いますか、上げさせる曲になっているので、やっていて楽しい、すごく好きな1曲ですね」
――leccaさんの音楽の特徴は、先ほどおっしゃっていた「前向き」という点以外に、どういうものがあると思いますか?
「ちょっとカラオケで歌いづらい(笑) よくファンの方にも言われるんです。カラオケで歌いやすい曲を書いてくれと、5、6年前から言われているんですけど、なかなかうまく書けなくて(笑) たぶん、言葉が多いんだと思うんですよね。大変申し訳ないんですけど、状況説明とか、主人公の場所とか感情の説明がどうしても長くなってしまうので、歌詞が多いんです。スタッフの方も、毎回、大変なんだと思うんですけど」
「でも説明をすることによって、“これ、私のことかも!”と思ってくれる方がいるようで、(今作に収録されている)『My measure』という曲が、アスリートの中に聞いていくれる方が多いというのは、気持ちの説明からはじまるこの曲が、もしかしたらどんな状況にいる方でも入りやすいからなのかなと思います。場所や職業が変わっても、そのひとが感じている苦しさや不安感は、共通することかもしれないので、いろいろな方に届きやすい曲なのかと思うんです」
――いまおっしゃったように、『My measure』という曲は、宇佐美選手や安藤選手など、多くのアスリートに支持されていますが、ご自身はそのことをどう感じていますか?
「最初は本当に光栄でありがたいのに、なんでだろう?と……特に宇佐美選手なんて、天才児と呼ばれるくらいだったので、とても不思議でした。『My measure』とか私の曲って、むしろ、ダメなひと……って言ったら失礼なんですけど(笑)、私を筆頭とした、自分に自信がなくて、なかなか結果の出ないタイプに受け入れてもらいやすいと思っていたので。(でも)先日、(宇佐美選手)本人からお話を聞く機会があったんですけど、ちょっとやっぱりご自分に厳しい方なんですよね。すごくストイックで、落ち込むことも多いからこそ、そういうひとたちに響くところがあるのかな」
「実は私も元々、スポーツ大好き人間で、陸上部に入っていたこともあるんです。友だちに誘われて入ったはいいものの、足が遅かったんですよ(笑) そのとき、先生に、“おまえは足が遅いから、花形の短距離はあきらめろ。だけど中距離は、根性があればいけるぞ”と言われ、800メートルの選手に転向しまして。そういう青春時代があって、そのときから自分の真ん中に、根性論がどっかりと座っているんです。曲を書くときも、どう自分の根性でこの状況を変えていくか、好転させていくか、と考えながら書いているんです」
「スポーツ選手の方は、精神的に孤独で、みなさん、その場所を守るためすべてを賭けて戦っている、いろいろなものを犠牲にしているひとたちなので、そんな方たちに、もしかして近い精神状態の自分があるかもしれないですね。そこまで私はストイックじゃないんですけど、そういうところで歌詞に共感してくださっているのかもしれないと思います」
「同じ高みを目指す者として、誰かに頼るとか、誰かに言われたからやるとかじゃなく、自分が背負っている人生がそこにあって、誰にも言い訳できない。自分が自分を上げていくということをやっている、スポーツ選手の道があって、歌い手というのもなかなかハードな仕事で、誰のせいにもできないし、自分でしっかり前を向いていかなくちゃというところが、(スポーツ選手と)通じるんじゃないかな。そういう気持ちを歌詞に込めることもあるんですけど、色濃く出ているのが『スタートライン』や『My measure』『TODAY』といった楽曲で、そういう曲が、アスリートの方に聞いてもらえるのかなと思います」
――大学卒業後に、トロントやニューヨークで過ごした経験が、ご自身の音楽に与えた影響はありますか?
「多大にあります! 大学を卒業してぽっかり時間が空いた時期に、大好きなヒップホップの現場を見てみようと、ニューヨークへ行きました。車で行ける距離にあるトロントへも。実はトロントには、レゲエがすごく強いストリートがあるんです。2か所に3か月ずつ滞在したんですけど、自分がそこで出会った方々に、自分の視野の狭さを教えてもらいました。東京でやっているだけじゃ感じ得なかった、音楽に対する瞬発力を学びました」
「日本だと、歌うということにすごく構えて、ステージに立って歌うためには、それはそれは準備して、作りこんで、頭の中でイメージして、衣装も選んで、さぁステージ!っていう印象があったんですけど、向こうだと“何、そんながんばっちゃってるの? いいから今の気持ちを歌って、ハイ!”って言われることが多くて。“OK!”って言ってすぐ出すことが、すごく練習になったなって(笑) いまどういう気持ち? 緊張している? それを歌にしてみよう!って感じで、音楽ってこんなに会話みたいな形でやっていんだってそこで教えてもらいました」
「日本人はすごく真面目で固いみたいで、そんなに構えなくて、“勉強じゃないんだから、ハイ、歌って!”っていう経験が、自分を開いてくれたといいますか……そこまで自信がなくても出しちゃっていいんだって思いましたね。そのあと、自信がないまま変なものを出し続ける機関が半年くらいあったんですけど(笑)、でもその期間を経て、自分の新たな道が見えたかなと思っているので、いい経験になっています」
――その経験を経て、2005年のアルバムデビューから、10周年を迎えましたが、この10年はどんなものでしたか?
「一言で表すと……なんでしょう?(笑) 一言で言えない(笑) 立ち止まったら殺されるわけじゃないんですけど、疾風怒濤といいますか、常に音が鳴っていて、常に新しい音を出して、常に人前で歌ってっていうことを繰り返した、365日の10年間だったので、すごく刺激的で、いただくものもたくさんありました。その都度、出して出してしぼりとられて空になるんですけど、新たな出会い、刺激、学びが次々に入ってくる10年間でした。想像もつかないようなものでしたね」
――デビューから10年が立ったいま、当時の自分と現在の自分を比べるとどこが一番、違うと思いますか?
「まる~くなりました(笑) 本当にとんがってたんですよ。何にそんなにいら立っていたのかわからないんですけど、若さなんでしょうかね? 当時はブログにもとんでもない内容が上がっていたんですけど、今は本当に丸くなって、“生きているだけで丸儲け”っていうのが今の気持ちなんです(笑) 当初は笑顔とかNGだったんですよ。比較的最近までNGで、昨年8月に出したアルバム(『前向き』)まで、笑顔のオフィシャル写真が1枚もなくて。もともと歯並びが悪くて、絶対に見せたくないから、常にキリッと睨みをきかせるみたいな感じだったんですけど、それもいまはもうなくなりました(笑) 当時を知っているスタッフも、そう思っていると思います」
――自分の音楽に、もっとも大きな影響を与えた存在は?
「ヒップホップでいえば、リュダクリス。彼のおもしろさ。社会性。ラジオDJもしている方で、いろいろなことに興味があるみたいで、曲の中に難しい時事問題を入れたりしているんです。彼の真面目なところ、そしてコミカルなところも持っているカメレオン的なところが好きなんです」
「R&Bでいえば、彼と一緒に仕事をしたこともある、メアリー・J・ブライジ! 男に捨てられる悲しい女の性を歌わせたら世界一(笑) ダメな、というか悲しい女性が、そこで自分の尊厳をどう取り戻す? 強く生きるのよ、女性たち!という、姉御肌なところが好きで、あんな女性を元気にする歌を、私も歌いたいと思ったことが最初のきっかけだったりするので、このふたりの影響は多大に受けています」
「レゲエの中でも、ジャマイカやイギリスよりも、日本のレゲエが一番好きなんです。RYO The SKYWALKERさんとか、FIRE BALLさん、JUMBO MAATCHさんとか、大好きな方がいっぱいいます。その方たちを追いかけて、自分はラップスタイルから、レゲエスタイルにより近いスタイルに移行していったのが、ちょうど10年前のころでした。そのころ、ジャパニーズレゲエがすごく盛り上がっていて、自分もフェスに出させてもらって、ライブのスタイルから何から、影響を受けてしまいました。歌うよりしゃべる、MCの方が長いとか(笑) MCの途中で、次の曲のレクチャーをして、知らない方にも教えてあげてから、みんなで一体になって次の曲を楽しむ、お祭りを一緒に楽しませてくれるみなさんの導きっぷりに、私も影響を受けて、なんて楽しい温かいステージなんだろうと思ったことから、日本のジャパニーズレゲエにはまった経緯があるんです」
――2015年は、アルバム発売やツアーもあり、盛りだくさんだったと思いますが、2016年はどんな1年にしていきたいですか?
「ベストアルバムをひっさげて、4月から、はじめての日比谷野音と、大阪の野音を筆頭に、全国ツアーをやらせていただくんです。また2016年も、全国ツアーを軸として、自分の音楽活動を行っていきたいと思うんですけど、私のことなので、曲を作っちゃうんだろうなとは思っています(笑) いまは地方に行ったり、プロモーション中だったりであまりないんですけど、隙間が空くと、曲を作りたいなぁと思うクセがあるので、一番新しい届けたい気持ちは、1年前に感じたことでも、2年前に感じたことでもないので、2016年は2016年で伝えたいことがあると思うんです。いまもいくつかネタがあるので、やりたいことが作る方なので、やれたらいいなと思います」
(インタビュー、終わり)
■リリース情報
lecca『BEST POSITIVE』
1月27日(水)発売
[CD+DVD] CTCR-14880/B 3,780(税込)
[CDアルバム] CTCR-14881 3,132(税込)
■ツアー情報
4/2(土)東京 日比谷野外大音楽堂
HOT STUFF PROMOTION 03-5720-9999
4/22(金)福岡 Zepp Fukuoka
キョードー西日本 092-714-0159
4/24(日)大阪 大阪城野外音楽堂
YUMEBANCHI(大阪) 06-6341-3525
5/13(金)北海道 札幌市教育文化会館大ホール
マウントアライブ 011-623-5555
5/29(日)宮城 仙台市民会館大ホール
GIP 022-222-9999
6/3(金)愛知 日本特殊陶業市民会館ビレッジホール
サンデーフォーク プロモーション 052-320-9100
6/10(金)兵庫 神戸国際会館こくさいホール
YUMEBANCHI(大阪) 06-6341-3525
☆ツアー公式ホームページはコチラ
☆lecca 公式サイト
leccaは2005年に、アルバム『烈火』でデビューを飾ると、2009年にはファーストシングル『For You』がヒット。ドラマの主題歌にもなった『My measure』をはじめ、leccaの楽曲は、槙野智章(サッカー・浦和レッズ所属)、宇佐美貴史(サッカー・ガンバ大阪所属)や、安藤優也(野球・阪神タイガース)、高橋大輔(元フィギュアスケート選手)など、アスリートから大きな支持を集めている。
TVGrooveは、1月27日(水)に、自身初となるベストアルバム『BEST POSITIVE』をリリースするleccaにインタビューを行った。
――歌手を目指したきっかけを教えてください
「そもそも私は裏方志望で、作詞・作曲家になりたかったんです。音楽はずっと好きだったんですけれど、ちょうど中学3年くらいのころに、第一次DJブームが起きたので、私もDJをはじめたんです。中学生なので、5時から9時くらいまで、クラブ活動みたいな形で場所を借りて、みんなで使って音を流すくらいのことしかしてなかったんですけど、それから段々、ミックステープを作るときに、全然違う曲を混ぜたら楽しいことに気が付いて、これは自分で曲を作ったらもっと楽しいんじゃない?というところから、作曲家になりたいと思いはじめました。仮歌を歌えるレベルにはなろうと、ボイストレーニングに通いはじめると、そこで友だちになったひとたちが、デビューを目指している意識が高い方々で、その影響もあって、自分で前に立って歌おうと思いはじめました」
――今回、ついにベストアルバムを発売されますが、どんな作品になっていますか?
「過去10年間に、アルバム10枚、ミニアルバム、シングル、他の方に招かれた曲まで含めると、たぶん200曲以上、発表していたみたいなんです。でもベストを作ることは、ずっとお断りしていました。アルバムを作る方が楽しくて、そちらをやりたいという思いがあったので。ですけど(今回は)10年の節目ということもありまして、ここで出さないと一生、出さないと思ったので、1枚くらいは、じゃあお願いします、と(笑) 今回はその200数曲の中から、16曲を選んで、作らせていただきました」
――200曲という膨大な数から、16曲を選んだ基準は何でしょうか?
「自分発信はほとんどなく、おそらくファンがこの曲を好きと言ってくれるだろうという基準で選びました。今回はいろいろな方の意見を聞きまして、アンケートを取ったわけじゃないんですけれど、ダウンロードされた回数や、YouTubeでの再生回数を筆頭に、私が選んだというより、ディレクターと私で、これとこれならこっちかな?と最終的に詰めたところもあるんです。けど、たいてい私のファンがどの16曲を選ぶだろうと考えたとき、10数曲まではファンの方もわかりやすい曲たちが選ばれていると思います」
――「ベスト・ポジティブ」というタイトルにこめた意味は?
「過去10年間を振り返ってみて、200数曲にはどんな共通点があるだろうと思ったら、ジャンルもバラバラで、スタイルも変わってきている、(共通点なんて)何もないんですけど、私が歌詞を書くときにひとつ入れるのは、つらい現実や、ダメな自分っていうものを押し出すこと。そんなダメな自分が、どうしたら上向きになるか、どうしたら前向きになるかを、2番、3番あたりで描くということが、どの曲にも共通することなので、すべての曲に共通するテーマをタイトルに持ってくるとすれば、ポジティブさだろうと思いました。じゃあベストに付けるとしたら、『ベスト・ポジティブ』が私らしいかもしれませんね、と言いました」
――leccaさんご自身として、特に思い入れのある曲はありますか?
「いっぱいあるんですけど……一番って難しいですね(笑) いちばん新しい『ねがい』っていう曲が、入っているんですけど、常に最新曲はお客さんに早く届けたいという思いがあるので、これはぜひ聞いてほしいとは思っています。けど、過去の曲もたくさん入っている中で、“やっぱりこの曲強いよなぁ”というものはたくさん。今回はそういう横綱ばかり集めたので(笑) でも『ちから』って曲は、今でもライブで歌っても、自分もすごくテンションを上げざるをえない曲と言いますか、上げさせる曲になっているので、やっていて楽しい、すごく好きな1曲ですね」
――leccaさんの音楽の特徴は、先ほどおっしゃっていた「前向き」という点以外に、どういうものがあると思いますか?
「ちょっとカラオケで歌いづらい(笑) よくファンの方にも言われるんです。カラオケで歌いやすい曲を書いてくれと、5、6年前から言われているんですけど、なかなかうまく書けなくて(笑) たぶん、言葉が多いんだと思うんですよね。大変申し訳ないんですけど、状況説明とか、主人公の場所とか感情の説明がどうしても長くなってしまうので、歌詞が多いんです。スタッフの方も、毎回、大変なんだと思うんですけど」
「でも説明をすることによって、“これ、私のことかも!”と思ってくれる方がいるようで、(今作に収録されている)『My measure』という曲が、アスリートの中に聞いていくれる方が多いというのは、気持ちの説明からはじまるこの曲が、もしかしたらどんな状況にいる方でも入りやすいからなのかなと思います。場所や職業が変わっても、そのひとが感じている苦しさや不安感は、共通することかもしれないので、いろいろな方に届きやすい曲なのかと思うんです」
――いまおっしゃったように、『My measure』という曲は、宇佐美選手や安藤選手など、多くのアスリートに支持されていますが、ご自身はそのことをどう感じていますか?
「最初は本当に光栄でありがたいのに、なんでだろう?と……特に宇佐美選手なんて、天才児と呼ばれるくらいだったので、とても不思議でした。『My measure』とか私の曲って、むしろ、ダメなひと……って言ったら失礼なんですけど(笑)、私を筆頭とした、自分に自信がなくて、なかなか結果の出ないタイプに受け入れてもらいやすいと思っていたので。(でも)先日、(宇佐美選手)本人からお話を聞く機会があったんですけど、ちょっとやっぱりご自分に厳しい方なんですよね。すごくストイックで、落ち込むことも多いからこそ、そういうひとたちに響くところがあるのかな」
「実は私も元々、スポーツ大好き人間で、陸上部に入っていたこともあるんです。友だちに誘われて入ったはいいものの、足が遅かったんですよ(笑) そのとき、先生に、“おまえは足が遅いから、花形の短距離はあきらめろ。だけど中距離は、根性があればいけるぞ”と言われ、800メートルの選手に転向しまして。そういう青春時代があって、そのときから自分の真ん中に、根性論がどっかりと座っているんです。曲を書くときも、どう自分の根性でこの状況を変えていくか、好転させていくか、と考えながら書いているんです」
「スポーツ選手の方は、精神的に孤独で、みなさん、その場所を守るためすべてを賭けて戦っている、いろいろなものを犠牲にしているひとたちなので、そんな方たちに、もしかして近い精神状態の自分があるかもしれないですね。そこまで私はストイックじゃないんですけど、そういうところで歌詞に共感してくださっているのかもしれないと思います」
「同じ高みを目指す者として、誰かに頼るとか、誰かに言われたからやるとかじゃなく、自分が背負っている人生がそこにあって、誰にも言い訳できない。自分が自分を上げていくということをやっている、スポーツ選手の道があって、歌い手というのもなかなかハードな仕事で、誰のせいにもできないし、自分でしっかり前を向いていかなくちゃというところが、(スポーツ選手と)通じるんじゃないかな。そういう気持ちを歌詞に込めることもあるんですけど、色濃く出ているのが『スタートライン』や『My measure』『TODAY』といった楽曲で、そういう曲が、アスリートの方に聞いてもらえるのかなと思います」
lecca / (c)TVGroove.com
――大学卒業後に、トロントやニューヨークで過ごした経験が、ご自身の音楽に与えた影響はありますか?
「多大にあります! 大学を卒業してぽっかり時間が空いた時期に、大好きなヒップホップの現場を見てみようと、ニューヨークへ行きました。車で行ける距離にあるトロントへも。実はトロントには、レゲエがすごく強いストリートがあるんです。2か所に3か月ずつ滞在したんですけど、自分がそこで出会った方々に、自分の視野の狭さを教えてもらいました。東京でやっているだけじゃ感じ得なかった、音楽に対する瞬発力を学びました」
「日本だと、歌うということにすごく構えて、ステージに立って歌うためには、それはそれは準備して、作りこんで、頭の中でイメージして、衣装も選んで、さぁステージ!っていう印象があったんですけど、向こうだと“何、そんながんばっちゃってるの? いいから今の気持ちを歌って、ハイ!”って言われることが多くて。“OK!”って言ってすぐ出すことが、すごく練習になったなって(笑) いまどういう気持ち? 緊張している? それを歌にしてみよう!って感じで、音楽ってこんなに会話みたいな形でやっていんだってそこで教えてもらいました」
「日本人はすごく真面目で固いみたいで、そんなに構えなくて、“勉強じゃないんだから、ハイ、歌って!”っていう経験が、自分を開いてくれたといいますか……そこまで自信がなくても出しちゃっていいんだって思いましたね。そのあと、自信がないまま変なものを出し続ける機関が半年くらいあったんですけど(笑)、でもその期間を経て、自分の新たな道が見えたかなと思っているので、いい経験になっています」
――その経験を経て、2005年のアルバムデビューから、10周年を迎えましたが、この10年はどんなものでしたか?
「一言で表すと……なんでしょう?(笑) 一言で言えない(笑) 立ち止まったら殺されるわけじゃないんですけど、疾風怒濤といいますか、常に音が鳴っていて、常に新しい音を出して、常に人前で歌ってっていうことを繰り返した、365日の10年間だったので、すごく刺激的で、いただくものもたくさんありました。その都度、出して出してしぼりとられて空になるんですけど、新たな出会い、刺激、学びが次々に入ってくる10年間でした。想像もつかないようなものでしたね」
――デビューから10年が立ったいま、当時の自分と現在の自分を比べるとどこが一番、違うと思いますか?
「まる~くなりました(笑) 本当にとんがってたんですよ。何にそんなにいら立っていたのかわからないんですけど、若さなんでしょうかね? 当時はブログにもとんでもない内容が上がっていたんですけど、今は本当に丸くなって、“生きているだけで丸儲け”っていうのが今の気持ちなんです(笑) 当初は笑顔とかNGだったんですよ。比較的最近までNGで、昨年8月に出したアルバム(『前向き』)まで、笑顔のオフィシャル写真が1枚もなくて。もともと歯並びが悪くて、絶対に見せたくないから、常にキリッと睨みをきかせるみたいな感じだったんですけど、それもいまはもうなくなりました(笑) 当時を知っているスタッフも、そう思っていると思います」
――自分の音楽に、もっとも大きな影響を与えた存在は?
「ヒップホップでいえば、リュダクリス。彼のおもしろさ。社会性。ラジオDJもしている方で、いろいろなことに興味があるみたいで、曲の中に難しい時事問題を入れたりしているんです。彼の真面目なところ、そしてコミカルなところも持っているカメレオン的なところが好きなんです」
「R&Bでいえば、彼と一緒に仕事をしたこともある、メアリー・J・ブライジ! 男に捨てられる悲しい女の性を歌わせたら世界一(笑) ダメな、というか悲しい女性が、そこで自分の尊厳をどう取り戻す? 強く生きるのよ、女性たち!という、姉御肌なところが好きで、あんな女性を元気にする歌を、私も歌いたいと思ったことが最初のきっかけだったりするので、このふたりの影響は多大に受けています」
「レゲエの中でも、ジャマイカやイギリスよりも、日本のレゲエが一番好きなんです。RYO The SKYWALKERさんとか、FIRE BALLさん、JUMBO MAATCHさんとか、大好きな方がいっぱいいます。その方たちを追いかけて、自分はラップスタイルから、レゲエスタイルにより近いスタイルに移行していったのが、ちょうど10年前のころでした。そのころ、ジャパニーズレゲエがすごく盛り上がっていて、自分もフェスに出させてもらって、ライブのスタイルから何から、影響を受けてしまいました。歌うよりしゃべる、MCの方が長いとか(笑) MCの途中で、次の曲のレクチャーをして、知らない方にも教えてあげてから、みんなで一体になって次の曲を楽しむ、お祭りを一緒に楽しませてくれるみなさんの導きっぷりに、私も影響を受けて、なんて楽しい温かいステージなんだろうと思ったことから、日本のジャパニーズレゲエにはまった経緯があるんです」
――2015年は、アルバム発売やツアーもあり、盛りだくさんだったと思いますが、2016年はどんな1年にしていきたいですか?
「ベストアルバムをひっさげて、4月から、はじめての日比谷野音と、大阪の野音を筆頭に、全国ツアーをやらせていただくんです。また2016年も、全国ツアーを軸として、自分の音楽活動を行っていきたいと思うんですけど、私のことなので、曲を作っちゃうんだろうなとは思っています(笑) いまは地方に行ったり、プロモーション中だったりであまりないんですけど、隙間が空くと、曲を作りたいなぁと思うクセがあるので、一番新しい届けたい気持ちは、1年前に感じたことでも、2年前に感じたことでもないので、2016年は2016年で伝えたいことがあると思うんです。いまもいくつかネタがあるので、やりたいことが作る方なので、やれたらいいなと思います」
(インタビュー、終わり)
■リリース情報
lecca『BEST POSITIVE』
1月27日(水)発売
[CD+DVD] CTCR-14880/B 3,780(税込)
[CDアルバム] CTCR-14881 3,132(税込)
■ツアー情報
4/2(土)東京 日比谷野外大音楽堂
HOT STUFF PROMOTION 03-5720-9999
4/22(金)福岡 Zepp Fukuoka
キョードー西日本 092-714-0159
4/24(日)大阪 大阪城野外音楽堂
YUMEBANCHI(大阪) 06-6341-3525
5/13(金)北海道 札幌市教育文化会館大ホール
マウントアライブ 011-623-5555
5/29(日)宮城 仙台市民会館大ホール
GIP 022-222-9999
6/3(金)愛知 日本特殊陶業市民会館ビレッジホール
サンデーフォーク プロモーション 052-320-9100
6/10(金)兵庫 神戸国際会館こくさいホール
YUMEBANCHI(大阪) 06-6341-3525
☆ツアー公式ホームページはコチラ
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