【NETFLIXアメリカ本社突撃記(その3)】日本よ、これが世界企業だ! 「オタク」と名乗ってもいいじゃない! キーワードは「自由と責任」

NETFLIXを象徴するキーワードとして、彼らが繰り返していたのは「自由と責任」という言葉。イギリスから独立を勝ち取ったアメリカの企業らしい、いかにもなモットーだが、それを体現するものとして紹介されたのは、あまり目立たない廊下の一角に設置された、1台のベンディングマシーンだった。

このマシーンが扱っているのは、ジュースやお菓子ではなく、仕事に必要な数多の備品。これを社員は必要なときに必要なだけ、好きに持っていくことが出来るのだという。いちいち厄介な書類に記入し、上司へ提出し……といった、煩わしい手間は一切かからない、とても「自由」だ。かといって余分に持ち去るような「責任」のない行為は誰もしない。この機械1台が、社員ひとりひとりがいかにお互いを“信用”しているかを表しているようだった。






続いて案内されたのは、「NERDS」と呼ばれるセクション。実は英語で「nerd」とは「オタク」を意味する単語で、決して褒め言葉とは言えない。しかしこの看板を掲げたのは、他ならぬこの場所に務める社員たちであり、彼らはこの「オタク」という名称を、誇っているのだそう。



ここにはnerdこと、技術系のエキスパートがそろっており、何か困ったことがあれば、社内のだれもが常に助けを得られるという。「普通の会社のように、まずアポを取って、番号をふられて、時間が決められて、といった手順は踏みません」と社員自ら説明する通り、このいい意味での“自由さ”こそNETFLIXの強みだ。






(4)へ続く