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ハリウッドで活躍する日本人俳優・尾崎英二郎にインタビュー!“魂注いだ”最新作「リトル・ボーイ 小さなボクと戦争」の魅力とは?

2016年8月25日
尾崎英二郎 (c)TVGroove.com尾崎英二郎 (c)TVGroove.com
ハリウッドで活躍する日本人俳優、尾崎英二郎が、2016年8月27日(土)よりヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開となる最新出演映画「リトル・ボーイ 小さなボクと戦争」のプロモーションのため、8月下旬に来日をはたした。

尾崎は日本で俳優として「ラストサムライ」「硫黄島からの手紙」や舞台などに出演。2007年秋に渡米後、ロサンゼルスに拠点を置き、人気海外ドラマ「HEROES/ヒーローズ」「エージェント・オブ・シールド」などに出演し活躍している。

スケジュールの合間をぬってTVGroove編集部を訪問してくれた尾崎に、我々はインタビューを実施。「リトル・ボーイ 小さなボクと戦争」への出演経緯、撮影秘話や今後挑戦してみたい役柄などを熱く語ってもらった。
(聞き手: くぼたみか)


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(c)TVGroove.com(c)TVGroove.com


Q.日本に来るのはどれくらいぶりですか?

A.毎年年末年始に帰ってきているので8か月ぶりです。でも夏に帰ってくることがなく、帰国して数日後に台風にぶつかって、9年ぶりに台風を味わって少し恐怖感を覚えています(笑)。


Q.カリフォルニアではあまり台風はないのですか?

A.滅多に雨が降らないんです。カリフォルニアは砂漠地方なので気候がドライなんです。久々に味わう日本の湿度にびっくりしてます!


Q.今回「リトル・ボーイ 小さなボクと戦争」のPRで来日されたということですが、この映画はどんな内容なのでしょうか?

A.第二次世界大戦の間から終わりにかけての話です。カリフォルニアの「オヘア」という架空の小さな港町にいる、あるアメリカ人家庭の8歳の男の子が主人公(ペッパー)で、その子のお父さんが戦争に招集されてしまい、当時の敵国であった日本によって捕虜になってしまう。いわゆる戦争映画というよりは、むしろお父さんとペッパーの親子の絆や、8歳の男の子の目を通して戦争や人種差別を感じていくことを描いた作品です。
戦争という重要なテーマも描いているので大人が見てもぐっとくる場面もありながら、コメディの要素もあるのでクスッと笑えるところもあります。


Q.私も見させていただきましたが、戦争がテーマだけど重くなく、純粋に子供から見た戦争や家族のストーリーに感動して泣きました。

A.子供の思いや目線で描く現実社会なので、ちょっとファンタジーぽい部分もあり、親子で見ても楽しめる「壮大なおとぎ話」的なところもありますね。


Q.監督がメキシコ人なんですよね?

A.監督の【アレハンドロ・モンテヴェルデ】は、メキシコ出身でアメリカに移民した方です。近年メキシコから名だたる監督がいっぱいでてますけど、彼も新鋭のうちの一人ですね。アメリカ映画の枠ですが、監督、脚本家共にメキシコ出身で、2人が共同で3,4年という時間をかけて本作の脚本を書きあげたそうです。監督のご兄弟が日本に数年間住んでいたことがあって、監督ご自身も日本に数か月滞在したことがある。そのとき実際に日本の社会や人を見て、これまでの日本人のステレオタイプは間違っているんじゃないかと思い、純粋な子供の視点というフェアな目線でアメリカと日本を描いたそうです。


Q.「リトル・ボーイ 小さなボクと戦争」では「クメ・マサオ」役を演じられていますが、どのようにしてこの役が決まったのですか?

A.基本的にはもちろんオーディションです。どんな映画も主役級ポジションなら最初からスターが決まっている場合もありますが、作品によっては主人公でさえオーディションのこともあります。でもセリフが一行、もしくは無い末端の役柄でも、それもオーディションで選ばれます。


Q.オーディションはどんな感じだったのですか?

A.最初は日本軍の将校の役で呼ばれたんです。過去に「硫黄島からの手紙」などの経験があったので、割とリラックスして挑めたんですね。で、数日後にコールバック(二度目の審査に呼ばれる連絡)が来たんですが、全然違う役柄で来たんです。それがクメ・マサオで、そういうことは滅多にないことだったので驚きました。その時に来た台本が素晴らしかったので、これはぜひ演じたい!と思って、台本の内容を身に沁み込ませて挑みました。


Q.クメ・マサオ出演シーンの撮影はどれくらいの期間がかかったのですか?

A.(ロケ地の)メキシコ入りするときは、リハーサル1日と本番撮影2日の予定で入りました。実際撮影が始まってみたら貪欲というか、丁寧に撮ってくれて、いい意味で2日間では撮りきれず、もう1日増やして撮ってくださいました。一つの場面を3日間かけて撮影するというのは実はものすごく贅沢な撮り方なんです。


Q.この作品は第二次世界大戦を舞台としてますが、日本人の目から見たこの作品の見どころは?

A.まずは主人公ペッパー役のジェイコブ・サルヴァーティが本当に可愛らしい!直接の共演シーンがあるわけじゃないのですが、全ての撮影が終わって、スタッフも俳優もみんなで集まってお祝いしているところに、僕も立ちあったんですが、その時、彼に会えたんです。7歳なのに泣きながら立派なスピーチをしてましたよ。


Q.ジェイコブ君は演技がほぼ初体験なんですよね?

A.そこも見どころの一つなんですが、芝居気がないことが逆にいい。子役がすごく芝居芝居した演技をしてしまうと、子供が主役の物語は全部ウソっぽくなってしまう。今回彼が素晴らしいのが、本当に彼が心から言葉を発して、泣いて、臨場感がある。お芝居の経験がないのに監督が何時間もかけて演出した彼の演技は、今回の作品では一番の見どころですね。

(c)TVGroove.com(c)TVGroove.com


Q.少しプライベートについても聞かせてください。お休みの日はなにをしてますか?

A.半分は趣味。半分は仕事の勉強として、映画を見たり、ドラマを見たりしてますね。ドラマはアメリカで、ものすごい数がありますね。あとアメリカの業界のことやドラマのことを語るコラムを書いたりさせていただいてます。自分にとって刺激になる人に会って話を伺ったりもします。家で本を読むのも好きで、松井秀喜さんやイチローさんなど、アスリートのドキュメントを読むとすごく共鳴することや学びが沢山あります。


Q.今後ハリウッドでどのような役に挑戦してみたいですか?

A.僕は日本で活動してる時期から割と真面目で硬派な役柄が多かったんですが、アメリカに行ってから多くはないですが汚れ役というか、悪役を頂いたことがあるんです。正義の味方ってある程度ラインに沿って演じなきゃならないんですが、悪役ってふり幅がすごいので自由にできるんですよね。もしやらせてもらえるんだったら、真面目に見えるのを逆手にとって、後々「実はこいつ悪かったんだ!」っていうような悪役はやってみたいなと思いますね。どういう作品でも、自分が表現してそれが求められるのであれば何でもやりたいです。


Q.渡米してから約10年になる尾崎さんですが、いま夢に向かって頑張っている人や、一歩踏み出せないという方にアドバイスはありますか?

A.人生の中で必ず「どっちに進んだらいいか」と迷う分岐点があるじゃないですか。こういうときなるべく難しい方を選んでほしいです。なぜかというと、自分にとってある程度できそうだなっていう道だと、人間って計算してしまって絶対全力出せないんですよ。結果的に失敗したとしても、やった事の後悔って意外と後に残らないんです。でも死ぬときになって一番後悔するのはやらなかったこと。今回の「リトル・ボーイ」の主人公もいじめられていてみんなに認められないでいるけど、あるとき、自分だけができるような道と出会うときが来る。だからもし、人に言えなくてあきらめかけてる夢がある人は、絶対挑戦したほうがいい!どこまで自分を信じられるかに尽きるし、それはまさにこの「リトル・ボーイ」で描いているところです。


Q.TVGrooveの読者にメッセージをお願いします!

A.数ある映画の中で日本人、日系人、アジア人が物語の重要な部分に絡んだり主人公の人生に勇気や刺激を与える映画はすごく希少なものです。今回「リトル・ボーイ」ではそれを勝ち取って、魂を注いで演じているので是非劇場のスクリーンで見届けていただけたらと思っています。


インタビュー以上



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■作品情報

「リトル・ボーイ 小さなボクと戦争」

8月27日(土)よりヒューマントラストシネマ有楽町、ユーロスペースほか全国順次公開!

【動画】「リトル・ボーイ 小さなボクと戦争」予告編




(C)2014 Little Boy Production, LLC.All Rights Reserved.
 
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