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「ハリー・ポッター」シリーズ育ての親 デイビッド・ヘイマンにインタビュー! 新シリーズ「ファンタビ」は、現実世界を映す鏡
2016年11月25日
デイビッド・ヘイマン
(c)TVGroove.com
(c)TVGroove.com
映画「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」のプロモーションのため、プロデューサーのデイビッド・ヘイマンが来日を果たした。「ハリー・ポッター」シリーズからプロデューサーとして関わってきた彼が、本作に込めた想いとは?
「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」は、大人気作品「ハリー・ポッター」の新シリーズ。「ハリー・ポッター」シリーズの原作者J.K.ローリングが、脚本を手掛けた本作は、魔法の世界を舞台に、個性豊かな魔法動物たちと、彼らを研究する“魔法動物学者”ニュート・スキャマンダー(演:エディ・レッドメイン)と、その仲間たちの活躍を描く。
ヘイマンは、「ハリー・ポッター」シリーズ全8作をプロデュースし、大ヒットシリーズへと導いた、言わばシリーズ育ての親。そして今回、「ハリー・ポッター」の新シリーズとなる「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」でも再びプロデュースを務めている彼に、TVグルーヴはインタビューを実施。自身もシリーズのファンの一人だと述べるほど、ヘイマンの本作への想いは強い。製作の舞台裏はもちろん、世界中で話題となっている大物俳優のキャスティングや本作の魅力ついて話を伺った。
★「ファンタビ」キャスト ダン&アリソンのインタビューも要チェック↓↓↓
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Q. 15年前に「ハリー・ポッター」シリーズの第1弾が公開されました。それ以降、全作に関わり、本作にもプロデューサーとして関わっています。シリーズの育ての親であるわけですが、ここまでやってこられたお気持ちは?
デイビッド:本当に特権だと思っています。個人的にも、仕事の上でも、私の人生の中でも非常に大きな部分を占めている作品だからです。それぞれの作品に、とても沢山の思い出があります。「ハリー・ポッター」シリーズの全8作が終了した時、本当に涙が出てきました。しかし、同時に他の作品を製作することにワクワクしていた気持ちも覚えています。この話を聞いた時、すぐに話に飛びつきました。素晴らしい世界ですし、その一員になれることは光栄なことだからです。アーティストとして、他のアーティストたちと働くということは、素晴らしい可能性が広がっていると思います。
Q. 本編を拝見しましたが、とても面白かったです。ヘイマンさんが思う、本作の魅力を教えてください。
デイビッド:本作のキャラクターたちは、とても強烈です。また、本作で描かれるテーマは、私たちが共感できるものになっています。ファンタジーの世界ではありますが、ジョー(J.K.ローリングの愛称)は我々の世界を鏡で映し出してくれているのです。その中にキャラクターを出して、テーマが何なのかを、私たちの世界の中で示してくれます。素晴らしいエンターテイメントなのですよ。
魔法や魔法動物が登場し、我々を笑わせて、ハラハラさせ、泣かせてくれるのです。どうして皆さんがこのシリーズを好きなのかというと、自分自身を見るような気持ちで作品に入り込むことができますし、ジョーが探っている様々なアイディアに自分たちが共感できるからだと思うからです。アウトサイダーのような人もいれば、必死に何かに耐えている人も。また、レッテルを貼付けてしまうことだったり、自分のアイデンティティーを押し殺してしまっている人も。そういった人たちを映し出しているのです。また、今回は魔法動物が登場しますが、動物の保護・保全といったことにも繋がります。まさに世の中を映し出した、タイムリーな作品なのです。
しかし、本作がエンターテイメントで楽しい作品だということが重要です。誰しもメッセージを突きつけられることが好きではない人もいます。私がプロデュースした映画「パディントン」は、クマがロンドンにやってくる物語です。ロンドンで難民のデモ行進があった時、パディントンを掲げている人たちがいて、非常に驚きました。ですが、映画というのは、我々が住む世界を劇中で投影するものなのです。だからといって、真面目な話を説教されたくはないですよね。しかし、我々にはエンターテイメントの中でストーリーを語るという責任があるのです。我々人間の、そして我々が住む世界のストーリーを語らなければいけないのです。それをやる時、サイエンスフィクションやファンタジーは格好の場所だと思うのです。といっても、私は「ハリー・ポッター」や「ファンタスティック・ビースト」をファンタジーだと思ったことはありません。とても現実的に思えるのです。
また、見る人によって鑑賞した時の経験が違う作品になっています。もし「ハリー・ポッター」のファンならば、ダンブルドアやグリンデルバルドやホグワーツなど、シリーズで登場した名前に気付くはずです。音楽からもノスタルジーを感じ取って頂けると思います。シリーズが進めば、もっと「ハリー・ポッター」との繋がりが見えてくるはずです。
Q. 本作の脚本は、「ハリー・ポッター」シリーズの原作者であるJ.K.ローリングが手掛けています。脚本家としての彼女はいかがでしたか?
デイビッド:彼女は脚本を書くにあたり、真っ先に「勉強しなくてはいけない」と学ぶ姿勢を見せていました。脚本執筆においては、至って普通のことですが、多くのドラフトを書き上げました。(「ハリー・ポッター」シリーズの脚本を手がけた)スティーヴ・クローブスやデイビット・イェーツ監督も関わり、ジョーの脚本を発展させていったのです。
小説家が必ずしも脚本家として腕がいいわけではありません。しかし、彼女のドラフトを読んだ時、キャラクターやシーンの描写、会話などが素晴らしいと思いました。一つの作品として、これをどうやって作り込んでいくか、様々なトーンをどうまとめていくのかが重要でした。クローブスはこれをシンフォニーと呼んでいるのですが、そういった点に時間がかかりました。
ジョーが書いたドラフトの第一稿は、遊び心に溢れたものでした。第二稿はとてもダークなものでした。そういった要素が、本作を観て感じられると思います。片方がもう片方を邪魔しないような形で、要素を入れていく必要があったのです。例えば、劇中の中盤である人物が殺されるシーンがありますが、同時にニュートとジェイコブがニューヨークの街中でドタバタするコメディ要素の強いシーンもあります。キャラクターの死というホラーな要素があまりにも強く、コメディ要素を消してしまわないように調整したのですが、これを決めていくのが、難しい点でした。
Q. 本作の主要キャラクター4名、ニュート(演:エディ・レッドメイン)、ティナ(演:キャサリン・ウォーターストン)、ジェイコブ(演:ダン・フォグラー)、クイニー(演:アリソン・スドル)のケミストリーが素晴らしかったです。彼らのキャスティングについてお聞かせください。
デイビッド:まずはエディからキャスティングをしました。1人が決まれば、残りはバンドを組むようなものです。1000人ぐらいから100人に絞り、そこから我々が直接会って、10人ほどに絞り込んでいきました。そこで、エディとあらゆる組み合わせを試していきました。個々のキャスティングというよりも、全員が集まり、どんな作用が生まれるのかというコンビネーションを重視してキャスティングしました。あらゆる組み合わせで演技をしてもらい、一番よいコンビネーションを選んだので、4人のケミストリーが素晴らしいものになったのだと思います。
Q. 子どもたちも多く鑑賞することになると思うのですが、ダークで複雑な要素を盛り込むことに抵抗はなかったのでしょうか?
デイビッド:製作過程でテストスクリーニングを行いました。仰ることはよく分かります。しかし、それは大人が心配することであって、子どもたちは全く心配していないのです。ジョーは観客のために物語を書くことはしません。本の時もそうでした。観客に合わせることはしないのです。
「ハリー・ポッターと賢者の石」では、ヴォルデモート卿がクィレル先生の後頭部に憑依していて、「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」では、小さなヴォルデモート卿が登場しました。そういった部分を見れば、「ハリー・ポッター」シリーズからダークな要素は随所で見られました。また文学作品を見てみると、「グリム童話」やフェアリーテールなどにもダークな要素が含まれています。人生はラクなことばかりではない、ということを子どもたちに教えているのです。
テストスクリーニングをした際、子どもと家族、家族と大人というようにグループをわけました。最も成功したスクリーニングは、子どもにした時で、本当に気に入ってくれたのです。子どもにとって、本作を鑑賞するということは、自分が少し大人になったような気持ちにさせてくれるのでしょう。全ての事柄をしっかりと理解し、楽しんでいましたよ。
我々製作者側が「ハリー・ポッター」や「ファンタスティック・ビースト」のファンなので、自分自身の直感を信じて作っています。テストでも分かった通り、大勢が本作を楽しんでくれたことで、それが正しいとわかったのです。
Q. ある重要な役柄に大物俳優を起用したことが話題となりました。今後、その俳優とシリーズを続けることについてのお気持ちをお聞かせください。
デイビッド:とてもワクワクしています。実は、こんなにも長い間、その情報を秘密にしていられたことに驚いているのです。この時代、秘密にしていることの方が難しいので。本作にもその役が登場しますが、実は1月に撮影があり、10月ぐらいまでどこにも漏れることなく、秘密にしておくことができたのです。
個人的に、その役にはアイコニックな俳優を起用したいと思っていました。その役は、チャーミングな魅力で人を操り、同時に怖いことをやってのける人物ですが、強制するのではなく、説得して支持者を増やしていくことができる力を持っています。彼の魅力で、人を惹きつけるのです。それを演じられる俳優が必要でした。それを持っているのがその大物俳優だったのです。次作の脚本を読んだ後、彼以外には考えられないという結論に至ったのです。本当にワクワクします。
Q. 可能な範囲で続編について教えてください。
デイビッド:ここで下手なことを言えば、あなたを殺さなくてはいけなくなりますね(笑)。次作には若き日のダンブルドアが登場します。ほんの少しだけですが。そして、ニューヨークからパリへと舞台を移します。...言えるのはこれぐらいですね(笑)。
まるで池に石が落ちてさざ波が立つかのように、小さな出来事がこの先の展開に影響を与えていきます。ジョーはそれをしているのです。今、我々が気付いていないようなことでも、この先何かに関係しているのかもしれません。例えば、リタ・レストレンジという名前が劇中で登場しますが、その名前を聞いた人は、「おお」と思うでしょう。ここでは言えませんが、次作では、より様々なことが明らかになりますよ。
本シリーズの魅力は、原作というものがないことです。「原作にはあったのに、映画では描かれなかった」と誰も文句を言うことはありません。そして、原作がない分、何が起こるのかわからないまま観客は作品を観ることになります。そのため、ミステリーを残しておいた方が楽しみが増えると思います。とにかく、私に言えることは、「ハリー・ポッター」をみていなくても楽しめますが、ファンの方でしたら、細かな部分で「おお!」と驚くことができる続編になっていると思います。
Q. 日本のファンにメッセージをお願いします。
デイビッド:日本が大好きです。一緒に来た息子と、「6か月とか数年間を日本で過ごしたいね」と話していたぐらいです。日本という国は、伝統や歴史がいっぱいある国で、卓越さなどがひしひしと伝わってきます。他の国ではめったにないことです。
私は、「ハリー・ポッター」シリーズで何度も日本に来ていますが、日本のハリポタファンは本当に熱心で、敬意をもって作品に接してくれます。我々は本作を心から楽しみながら作りました。それと同じぐらい、日本のファンの方々が、本作を観て楽しんでいただければ幸いです。そして、自分たちの周りにある世界を、この映画の中で体験してくれれば嬉しいです。作品の世界観に浸り、温かい気持ちになってくれれば最高です。
(インタビューおわり)
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映画「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」は、絶賛公開中。
【動画】映画『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』90秒予告
■公開情報
「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」
2016年11月23日(水・祝) 全国ロードショー
監督 : デイビッド・イェーツ
原作/脚本 : J.K.ローリング
プロデューサー : デイビッド・ヘイマン
出演 : エディ・レッドメイン、キャサリン・ウォーターストン、アリソン・スドル、ダン・フォグラー、コリン・ファレル
配給 : ワーナー・ブラザース映画
©2016 WARNER BROS ENTERTAINMENT INC. ALL RIGHTS RESERVED
■リンク
・公式サイト : warnerbros.co.jp/fantasticbeasts
・公式ハッシュタグ : #ファンタビ
・公式Facebook : facebook.com/fantasticbeastsjp
「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」は、大人気作品「ハリー・ポッター」の新シリーズ。「ハリー・ポッター」シリーズの原作者J.K.ローリングが、脚本を手掛けた本作は、魔法の世界を舞台に、個性豊かな魔法動物たちと、彼らを研究する“魔法動物学者”ニュート・スキャマンダー(演:エディ・レッドメイン)と、その仲間たちの活躍を描く。
ヘイマンは、「ハリー・ポッター」シリーズ全8作をプロデュースし、大ヒットシリーズへと導いた、言わばシリーズ育ての親。そして今回、「ハリー・ポッター」の新シリーズとなる「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」でも再びプロデュースを務めている彼に、TVグルーヴはインタビューを実施。自身もシリーズのファンの一人だと述べるほど、ヘイマンの本作への想いは強い。製作の舞台裏はもちろん、世界中で話題となっている大物俳優のキャスティングや本作の魅力ついて話を伺った。
★「ファンタビ」キャスト ダン&アリソンのインタビューも要チェック↓↓↓
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Q. 15年前に「ハリー・ポッター」シリーズの第1弾が公開されました。それ以降、全作に関わり、本作にもプロデューサーとして関わっています。シリーズの育ての親であるわけですが、ここまでやってこられたお気持ちは?
デイビッド:本当に特権だと思っています。個人的にも、仕事の上でも、私の人生の中でも非常に大きな部分を占めている作品だからです。それぞれの作品に、とても沢山の思い出があります。「ハリー・ポッター」シリーズの全8作が終了した時、本当に涙が出てきました。しかし、同時に他の作品を製作することにワクワクしていた気持ちも覚えています。この話を聞いた時、すぐに話に飛びつきました。素晴らしい世界ですし、その一員になれることは光栄なことだからです。アーティストとして、他のアーティストたちと働くということは、素晴らしい可能性が広がっていると思います。
Q. 本編を拝見しましたが、とても面白かったです。ヘイマンさんが思う、本作の魅力を教えてください。
デイビッド:本作のキャラクターたちは、とても強烈です。また、本作で描かれるテーマは、私たちが共感できるものになっています。ファンタジーの世界ではありますが、ジョー(J.K.ローリングの愛称)は我々の世界を鏡で映し出してくれているのです。その中にキャラクターを出して、テーマが何なのかを、私たちの世界の中で示してくれます。素晴らしいエンターテイメントなのですよ。
魔法や魔法動物が登場し、我々を笑わせて、ハラハラさせ、泣かせてくれるのです。どうして皆さんがこのシリーズを好きなのかというと、自分自身を見るような気持ちで作品に入り込むことができますし、ジョーが探っている様々なアイディアに自分たちが共感できるからだと思うからです。アウトサイダーのような人もいれば、必死に何かに耐えている人も。また、レッテルを貼付けてしまうことだったり、自分のアイデンティティーを押し殺してしまっている人も。そういった人たちを映し出しているのです。また、今回は魔法動物が登場しますが、動物の保護・保全といったことにも繋がります。まさに世の中を映し出した、タイムリーな作品なのです。
しかし、本作がエンターテイメントで楽しい作品だということが重要です。誰しもメッセージを突きつけられることが好きではない人もいます。私がプロデュースした映画「パディントン」は、クマがロンドンにやってくる物語です。ロンドンで難民のデモ行進があった時、パディントンを掲げている人たちがいて、非常に驚きました。ですが、映画というのは、我々が住む世界を劇中で投影するものなのです。だからといって、真面目な話を説教されたくはないですよね。しかし、我々にはエンターテイメントの中でストーリーを語るという責任があるのです。我々人間の、そして我々が住む世界のストーリーを語らなければいけないのです。それをやる時、サイエンスフィクションやファンタジーは格好の場所だと思うのです。といっても、私は「ハリー・ポッター」や「ファンタスティック・ビースト」をファンタジーだと思ったことはありません。とても現実的に思えるのです。
また、見る人によって鑑賞した時の経験が違う作品になっています。もし「ハリー・ポッター」のファンならば、ダンブルドアやグリンデルバルドやホグワーツなど、シリーズで登場した名前に気付くはずです。音楽からもノスタルジーを感じ取って頂けると思います。シリーズが進めば、もっと「ハリー・ポッター」との繋がりが見えてくるはずです。
Q. 本作の脚本は、「ハリー・ポッター」シリーズの原作者であるJ.K.ローリングが手掛けています。脚本家としての彼女はいかがでしたか?
デイビッド:彼女は脚本を書くにあたり、真っ先に「勉強しなくてはいけない」と学ぶ姿勢を見せていました。脚本執筆においては、至って普通のことですが、多くのドラフトを書き上げました。(「ハリー・ポッター」シリーズの脚本を手がけた)スティーヴ・クローブスやデイビット・イェーツ監督も関わり、ジョーの脚本を発展させていったのです。
小説家が必ずしも脚本家として腕がいいわけではありません。しかし、彼女のドラフトを読んだ時、キャラクターやシーンの描写、会話などが素晴らしいと思いました。一つの作品として、これをどうやって作り込んでいくか、様々なトーンをどうまとめていくのかが重要でした。クローブスはこれをシンフォニーと呼んでいるのですが、そういった点に時間がかかりました。
ジョーが書いたドラフトの第一稿は、遊び心に溢れたものでした。第二稿はとてもダークなものでした。そういった要素が、本作を観て感じられると思います。片方がもう片方を邪魔しないような形で、要素を入れていく必要があったのです。例えば、劇中の中盤である人物が殺されるシーンがありますが、同時にニュートとジェイコブがニューヨークの街中でドタバタするコメディ要素の強いシーンもあります。キャラクターの死というホラーな要素があまりにも強く、コメディ要素を消してしまわないように調整したのですが、これを決めていくのが、難しい点でした。
Q. 本作の主要キャラクター4名、ニュート(演:エディ・レッドメイン)、ティナ(演:キャサリン・ウォーターストン)、ジェイコブ(演:ダン・フォグラー)、クイニー(演:アリソン・スドル)のケミストリーが素晴らしかったです。彼らのキャスティングについてお聞かせください。
デイビッド:まずはエディからキャスティングをしました。1人が決まれば、残りはバンドを組むようなものです。1000人ぐらいから100人に絞り、そこから我々が直接会って、10人ほどに絞り込んでいきました。そこで、エディとあらゆる組み合わせを試していきました。個々のキャスティングというよりも、全員が集まり、どんな作用が生まれるのかというコンビネーションを重視してキャスティングしました。あらゆる組み合わせで演技をしてもらい、一番よいコンビネーションを選んだので、4人のケミストリーが素晴らしいものになったのだと思います。
Q. 子どもたちも多く鑑賞することになると思うのですが、ダークで複雑な要素を盛り込むことに抵抗はなかったのでしょうか?
デイビッド:製作過程でテストスクリーニングを行いました。仰ることはよく分かります。しかし、それは大人が心配することであって、子どもたちは全く心配していないのです。ジョーは観客のために物語を書くことはしません。本の時もそうでした。観客に合わせることはしないのです。
「ハリー・ポッターと賢者の石」では、ヴォルデモート卿がクィレル先生の後頭部に憑依していて、「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」では、小さなヴォルデモート卿が登場しました。そういった部分を見れば、「ハリー・ポッター」シリーズからダークな要素は随所で見られました。また文学作品を見てみると、「グリム童話」やフェアリーテールなどにもダークな要素が含まれています。人生はラクなことばかりではない、ということを子どもたちに教えているのです。
テストスクリーニングをした際、子どもと家族、家族と大人というようにグループをわけました。最も成功したスクリーニングは、子どもにした時で、本当に気に入ってくれたのです。子どもにとって、本作を鑑賞するということは、自分が少し大人になったような気持ちにさせてくれるのでしょう。全ての事柄をしっかりと理解し、楽しんでいましたよ。
我々製作者側が「ハリー・ポッター」や「ファンタスティック・ビースト」のファンなので、自分自身の直感を信じて作っています。テストでも分かった通り、大勢が本作を楽しんでくれたことで、それが正しいとわかったのです。
Q. ある重要な役柄に大物俳優を起用したことが話題となりました。今後、その俳優とシリーズを続けることについてのお気持ちをお聞かせください。
デイビッド:とてもワクワクしています。実は、こんなにも長い間、その情報を秘密にしていられたことに驚いているのです。この時代、秘密にしていることの方が難しいので。本作にもその役が登場しますが、実は1月に撮影があり、10月ぐらいまでどこにも漏れることなく、秘密にしておくことができたのです。
個人的に、その役にはアイコニックな俳優を起用したいと思っていました。その役は、チャーミングな魅力で人を操り、同時に怖いことをやってのける人物ですが、強制するのではなく、説得して支持者を増やしていくことができる力を持っています。彼の魅力で、人を惹きつけるのです。それを演じられる俳優が必要でした。それを持っているのがその大物俳優だったのです。次作の脚本を読んだ後、彼以外には考えられないという結論に至ったのです。本当にワクワクします。
Q. 可能な範囲で続編について教えてください。
デイビッド:ここで下手なことを言えば、あなたを殺さなくてはいけなくなりますね(笑)。次作には若き日のダンブルドアが登場します。ほんの少しだけですが。そして、ニューヨークからパリへと舞台を移します。...言えるのはこれぐらいですね(笑)。
まるで池に石が落ちてさざ波が立つかのように、小さな出来事がこの先の展開に影響を与えていきます。ジョーはそれをしているのです。今、我々が気付いていないようなことでも、この先何かに関係しているのかもしれません。例えば、リタ・レストレンジという名前が劇中で登場しますが、その名前を聞いた人は、「おお」と思うでしょう。ここでは言えませんが、次作では、より様々なことが明らかになりますよ。
本シリーズの魅力は、原作というものがないことです。「原作にはあったのに、映画では描かれなかった」と誰も文句を言うことはありません。そして、原作がない分、何が起こるのかわからないまま観客は作品を観ることになります。そのため、ミステリーを残しておいた方が楽しみが増えると思います。とにかく、私に言えることは、「ハリー・ポッター」をみていなくても楽しめますが、ファンの方でしたら、細かな部分で「おお!」と驚くことができる続編になっていると思います。
Q. 日本のファンにメッセージをお願いします。
デイビッド:日本が大好きです。一緒に来た息子と、「6か月とか数年間を日本で過ごしたいね」と話していたぐらいです。日本という国は、伝統や歴史がいっぱいある国で、卓越さなどがひしひしと伝わってきます。他の国ではめったにないことです。
私は、「ハリー・ポッター」シリーズで何度も日本に来ていますが、日本のハリポタファンは本当に熱心で、敬意をもって作品に接してくれます。我々は本作を心から楽しみながら作りました。それと同じぐらい、日本のファンの方々が、本作を観て楽しんでいただければ幸いです。そして、自分たちの周りにある世界を、この映画の中で体験してくれれば嬉しいです。作品の世界観に浸り、温かい気持ちになってくれれば最高です。
(c)TVGroove.com
(インタビューおわり)
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映画「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」は、絶賛公開中。
【動画】映画『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』90秒予告
■公開情報
「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」
2016年11月23日(水・祝) 全国ロードショー
監督 : デイビッド・イェーツ
原作/脚本 : J.K.ローリング
プロデューサー : デイビッド・ヘイマン
出演 : エディ・レッドメイン、キャサリン・ウォーターストン、アリソン・スドル、ダン・フォグラー、コリン・ファレル
配給 : ワーナー・ブラザース映画
©2016 WARNER BROS ENTERTAINMENT INC. ALL RIGHTS RESERVED
■リンク
・公式サイト : warnerbros.co.jp/fantasticbeasts
・公式ハッシュタグ : #ファンタビ
・公式Facebook : facebook.com/fantasticbeastsjp
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