【「フラーハウス」LAセット訪問】製作総指揮ジェフ・フランクリンにインタビュー!(その2) キャスト間のケミストリーの源は?

2016年11月29日

「フラーハウス」のキャストたちと、左端がジェフ・フランクリン
WENN.com

今年2月、かつて大勢に愛された海外ドラマ「フルハウス」が、およそ20年ぶりに「フラーハウス」としてNETFLIXで復活。オリジナルシリーズから、一貫して製作総指揮を務めるジェフ・フランクリンに、米ロサンゼルスのスタジオで話を聞いた。

「フルハウス」は、母親を亡くしたタナー家の三姉妹が、父親、叔父、父の親友らによって育てられる過程を描いたファミリードラマ。当時は少女だった娘たちが長い時を経て大人になり、夫を亡くしたDJ、その妹ステファニー、DJの親友キミーが、幼い子どもたちの子育てに奮闘する作品として復活。今年2月より、「フラーハウス」としてNETFLIXにて限定配信が開始されるとたちまち大ヒット。主人公がタナー家からフラー家に代わっても、変わらず愛されている。

「フルハウス」生みの親としておなじみのジェフは、今シリーズにももちろん参加。新シリーズスタートにあたって、改めて実感したというキャストたちの“絆”の存在を語った。

Q.「フルハウス」と「フラーハウス」は、時代背景も違います。前者ではシングルファーザーが描かれましたが、後者ではシングルマザーが話の軸に。両作品のクリエイターとして、何か意図するものはあったのでしょうか?

ジェフ:　特に個人的に考え抜いたということはありません。オリジナル版に出演していた3人娘が、いまや素晴らしい大人の女性になっているのですから、「この3人の母を軸にした番組を作ろう」というのは、誰でも思いつくアイディアだったと思います。オリジナルの設定をひっくり返したら楽しいなという気持ちはありました。以前は3人の男性が3人の娘を育てていましたが、今は3人の母が3人の息子を育てるという。

Q.「フラーハウス」は、再会企画として全員集合でスタートしたわけですが、どのタイミングで、制作側から出演者たちに親世代との“別れ”を意識させていったのですか?

ジェフ:　「フラーハウス」は始めから、3人の母と3人の子の話という設定だったので、ダニーやジョーイ、ジェシーおじさん、ベッキーおばさんが、レギュラー出演することはないと、みんながわかっていました。彼らは他のプロジェクトも持っていますし、最初からレギュラー扱いすることは想定していなかった。もちろん、たまに顔を出してはくれますが、番組の核は、“3人の母と3人の子どもたち”という新しい家族なのです。

――実際に収録を始めてみるまでは、うまくいくかどうか不安もあったのでは?

ジェフ:　もちろん、何がうまくいくかなんて、誰にも予測できないものですが、あの3人(の女性キャスト)がステージに上がった最初の瞬間から、相性が本当に素晴らしかったのです。あれは制作側が演出しようとしても、作り出せるものではありませんよ。「フルハウス」がスタートしたとき、(ダニー、ジョーイ、ジェシーら)3人の男性キャストたちの間には、そのような“即座の相性”というものはなかった。彼らの仲は1～2年かけて築き上げられ、最終的に、お互いに夢中になっていったのです。
ところが、今回の3人の女性たちは、幼いころからともに成長してきた。(DJ役)キャンディスと、(キミー役)アンドレアは10歳のころから友だちで、ジョディにいたっては番組開始当時、5歳だったのです。私たちは全員、仲間として8年間、番組をともに制作したというだけでなく、番組終了後もノンストップで人生を共有してきました。収録が終わっても、ショーは続いていたのです。それぞれがお互いの奇妙な“第二の家族”であり続けていました。
あの3人がステージにあがった瞬間の相性は素晴らしく、一緒にいることがとてもしっくりきていた。最初から、キャストの間にあれほどの絆を感じられる番組を見たことがありません。第1シーズンが素晴らしいものになった理由は、そこにあると思います。あまりにも「フルハウス」と同じ感覚を持つことができたので、ブランクがあったことを忘れるほどでした。多くの番組では、自然なムードを作り上げるのに時間がかかるものですが、その必要がなかったことは恵まれていました。

――その3へ続く