【「フラーハウス」LAセットビジット】(その2) パパ&ジェシー&ジョーイと、まさかの遭遇[ネタバレ]

2016年11月29日

ついにジェシーおいたんと遭遇
Photo:Michael Yarish/Netflix

客席に腰掛けて一息。今更のプチ雑学ですが、スタジオ内はかなり寒い。ガンガンに炊かれる照明に照らされなくてはいけない役者陣のため、心地いい8月の気候はどこへやら、スタジオへ一歩踏み入れると、かなり冷え切っている。寒いですねぇそうですねぇなんて枯れた会話を横目に現れたのが、レガシーキャスト、いわゆるパパ、ジェシーおじさん、ジョーイおじさんやベッキーだった。

「フラーハウス」はあくまで子世代の物語であり、DJ、ステファニー、キミーが中心の内容だ。だからこの日、憧れの親世代に会えた私たちは、かなり幸運だったといえよう。え、あれ……そうだよね……まじで……?　日本語でざわつく客席をよそに、慣れた様子で3人を含むキャストたちは、リハーサルをはじめる。この日の撮影には、「フラーハウス」のメインキャストが、子役を除いてほぼ勢ぞろい。あるシーンを撮影していた。

忙しく動き回るスタッフを尻目に、われわれはセットを凝視。惜しむらくは、このとき使われていたのが、裏庭のセットだったということ。客席から見て正面はダイニングのあたりであり、裏庭は少し遠いのだ。しかし問題はない!　客席の頭上には、笑い声を収録するマイクと一緒に、モニターが設置されており、まさに!　いま!　撮影されている映像が流れているのである。しかも4台あるカメラの映像を、そのとき・その場面に合わせてパチパチと切り替えるのだ。そのスムーズさたるや、放送される完成版と比べても、遜色ない出来である。素人くさいが、この職人芸には感動した。なお、このエピソードを担当しているのは、オリジナルシリーズから番組に関わり続けているジェフ・フランクリン。彼はセット近くのモニターの影で、役者たちを見守り、あれこれ指示を出していた。

ちょっと立ち位置を調整しよう、この台詞はなんだっけ?　さすがベテランキャストたち。作品の出来を着実に100パーセントへ近づけながら、撮影はテキパキサクサクと進んでいく。唯一の不確定要素は、このエピソードから登場する“新キャスト”だった。

~~※以降の内容は、「フラーハウス」シーズン2の内容に触れるため、12月9日(金)以降に公開予定です~~

※以下の内容は、「フラーハウス」シーズン2のネタバレを含みます(12月9日追記)

ジェシーとレベッカが、シーズン2のラストで迎える養子・パメラちゃん。その名前は、ジェシーの亡き姉であり、ダニーの妻、タナー家三姉妹の母であったパムにちなんだものだ。このパメラちゃんを演じるいたいけな赤ん坊が泣きだせば、撮影は中断せざるを得ない。客席から見守る私たちもハラハラドキドキ。完全にママの心境、なんならフラー家の保護者的な気分だ。ところが彼女は、私たちの想像を上回る女優魂を発揮してくれた。

泣かない。ぐずらない。それどころかキュートすぎる笑顔でスタジオの緊迫した雰囲気まで緩和してくれる。生まれながらの女優と言えば、パメラちゃんを指すんじゃないかとすら思う。慣らせるためか、撮影開始よりかなり早い段階で、ベッキー役のロリ・ロックリン、ジェシー役のジョン・ステイモスの腕に、パメラちゃんは抱かれていたが、常にニッコニコ。ロリ&ジョンも、これにはメロメロで、他のキャストが真面目に撮影の段階を踏む傍らで、赤ちゃんをあやしてキャッキャウフフ。挙句、自前の携帯でセルフィまで撮りはじめ、カメラの外で早くも親バカぶりを発揮してくれた。

Is there a new cast member on @fullerhouse ? Tune in to @netflix in 2 hours, 43 min and 25 seconds.

John Stamosさん(@johnstamos)が投稿した動画 - 2016 12月 8 9:16午後 PST

あら微笑ましい、なんて思っていた私たちも、客席を向いて二パッと笑うパメラちゃんにすっかり骨抜き。わかる……あれはわかる……「フラーハウス」が3、4とシリーズを重ね、パメラちゃんの成長を見守らせてくれることを心から願いたい瞬間だった。

パメラちゃんの名演、ベテラン勢の息ピッタリな演技、そしてパメラちゃんにベロベロ状態に骨抜きにされたスタジオ全体の甘ったるい空気もあって、このシーンの撮影はおよそ30分もかからずに終了。ブレイクが入った。そして、次の瞬間、私は死んだ。続く。

――その3へ続く