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ビヨンセの妹ソランジュが贈る8年ぶりの新作がついに発売! リル・ウェインら豪華メンバー参加の新アルバムの全貌とは?[インタビュー]

2016年11月30日
ソランジュソランジュ
ビヨンセの妹として知られ、モデル、女優としても活躍を続けるシンガーソングライター ソランジュの約8年ぶりとなる3rdアルバム「ア・シート・アット・ザ・テーブル」が、11月30日(水)に発売される。(輸入盤は11月18日)

今作のリリースを祝し、ソランジュが今作についてたっぷり語った公式インタビューが到着。今作のタイトルは「ア・シート・アット・ザ・テーブル」。日本語で、“テーブルに着く”という意味だが、はたしてこのタイトルに込めた想いとは? 今作についてはもちろん、自身を育ててくれた両親への並々ならぬ感謝がひしひしと伝わってくるインタビューをとくとご覧あれ。

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Q. 今回のアルバムが完成するのにどれくらいの制作期間がかかりましたか?

ソランジュ: アルバム最初の曲となる「ライズ」を書き始めたのは4年前よ。私ひとりで、レコーディングに使うのはピアノだけでね。今回のアルバムに収録されている曲のいくつかはこの形で作ったわ。その後は、ピアノトラックとメロディーを基に、クエストラヴやレイモンド・アングリーとジャムセッションを行ったの。そのとき、「このやり方でアルバムを作りたい。ミュージシャンたちを部屋に集めて、私が前もって作っておいたメロディーやコードから作り上げたい」と思ったの。音楽のエッセンスが自然に出来上がって、ソングライティングのトーンが定まるように。


Q. そのときにアルバムの音楽的なスタイルとサウンドが確立されたのでしょうか?

ソランジュ: ええ、でもそれは徐々に確立されていったわ。制作開始当初では、私が書こうとしていることをしっかりと表現できる音の試行錯誤に集中したの。実際のところは、この作業は色んな段階でやっているのだけれど。そのセッションの次は別のミュージシャンやアーティストたちとロングアイランドに行って、その後はまた別のミュージシャンたちとニューオリンズに戻ったわ。

でも、アルバムを実際に書き始めたのはニューイベリアに行ってからね。そこでは、私とエンジニアだけで、編集と曲の構成を行って、全ての歌詞を書いたの。ニューイベリアにスタジオをセットアップして、ジャムセッションの音源に耳を傾け、「伝えたいメッセージは何なのか」そして「それを音的にどうやって伝えたいのか」をじっくり考えたわ。そこから、その体験全体をパワーアップさせるためにラファエル・サディークにサポートをお願いして、さらにストーリー全体を引き締めるために友人であるトロイにもサポートをお願いしたの。かなり時間がかかって、時には長いお休みをとることもあったけど、自分のペースで進めて、私自身が何を作りたいのかを理解することが重要だったの。


Q.ここ最近の殺人や人種的不公平といったことは、今作の方向性や主題を決める上で影響はありましたか?

ソランジュ: ライターとしては、その時点で真実だと思っていることしか書けないわ。それは複雑で答えるのが難しい問題ね。というのも、今作は長い間私が生み出すことが運命づけられていたものだと感じる部分があるから。お父さんとお母さんが物事に関する認識を育んでくれたおかげで若いうちに明確な認識を持てたことは、私のインスピレーションになっているわ。ふり返ってみて、黒人は受けるべき公平な扱いを受けていないというのを認識すること。自分の意見をはっきりと主張し、黒人のためだけでなく、身の回りにあるあらゆる不公平に対して怒るよう教えられて育ったこと。そういった点において私は常にパッションを持ってきたわ。

自分のキャリアで生じている変化の形や、自分の私生活や外での生活における体験の中で今作を通じて表現したいものについては、アルバムを書き始めた時点までには、すでに自分の内面とかなり向き合っていたわ。このアルバムを生み出すことは、絶えず消化しているこの怒りや悲しみを取り除いたり克服したりする上で必要不可欠だと分かっていたの。そしてアメリカ国内の悲惨な状態を見る度に、その必要性を強く感じたわ。ある意味、アルバムが自分で自分を書き上げたような感じがするわ。おじけづいたり、あるいは今作が前作とはかけ離れたものになると感じたりしたときは、アメリカで命や自由を奪われた若い黒人の話を見たり聞いたりしたわ。そうすることで、立ち戻ってみたり、少しでも先に進むためにいくつかの曲を書き直してみたり、そしてそういった会話を恐れないようにしたりするためのモチベーションを上げたの。



Q. 前作「トゥルー」は、また違ったオーディエンスを対象としたものだと解釈されていますが、今回これだけオープンで率直な気持ちが込められたアルバムを書くことについて怖い部分はありましたか?

ソランジュ: 「トゥルー」のときは、喜びや幸せを感じてもらおうという意図的な目標があったわ。ショーの前には、バンドのみんなに「幸せな雰囲気作りをして、人々が悲しみを忘れるための時間を作ろう」と伝えていたわ。前作と今作それぞれの範囲をふり返ってみると、どちらの作品もそれぞれの範囲内でとても政治的であり、正しいと思うの。私は、行動主義には様々な形があることを学んだわ。15歳でデビューした時のアルバム「ソロ★スター」の時期、私はティーンエイジャーで、ラスタファリ主義にはまっていた。ベジタリアンになってみたり、髪をバッサリ切ってみたり、あらゆることをやったわ。当時は、これらの中にはしっくりこないものがあるということ、そしてそういうことで自分が定義されるわけでもないんだって分かっていなかった。

だけど、私のビジュアル、そして15歳でメジャーレーベルと契約した女の子としての、あの空間での自分の在り方というのは、それだけで政治的なものだったわ。私のビデオは全て赤、黒、緑、黄色。アルバム「ソランジュ&ザ・ハドリー・ストリート・ドリームス」に収録されている「I Decided」のビジュアルにはマルコム・Xやアンジェラ・デイヴィスを使って革命を取り上げていて、当時の私の在り方や解釈の仕方はとても極端だったと思うわ。それに、当時は見た目の面でもかなり色々と試していて、「あのコ何か変わってるね」といった反応がかなりあったわ。要するに、私がやっていたことは、多くの人にとってはクールではなかったということ。「トゥルー」のときは、最初のビデオは南アフリカで撮影することを希望したの。それは、多くの困難にも挫けず喜びをたたえるサプールの文化をハイライトしたかったから。ある意味、私は自分を確立する時間の中で、一般的に「怖い」と考えられていることをすでにかなり経験しているから、今作を世に出すことは怖くないわ。


Q. 「ドント・タッチ・マイ・ヘアー」について聞かせてください。

ソランジュ: 髪はとてもスピリチュアルで、そしてエネルギー的な観点で、私たちがどういう人間なのかを表すものだと思うわ。見ての通り、ヘアサロンで育った私と髪との関係はとても深くて複雑ね。この曲で伝えたかったもう一つのことは、髪で人を判断する周りの目。言うなれば、インディア・アリーの「アイ・アム・ノット・マイ・ヘアー」的な瞬間ね。例えば私が髪を切って地毛だけでいこうと決めても、それは黒人支持的でなくなるような気持ちになったり、黒人女性として見られないような気持ちになったりするの。こういったことは個人レベルの話ではないわ。私はファッション関連のあらゆる場面で数えきれないほどの写真撮影を経験しているけど、ファッション業界は圧倒的に白人の業界なの。

それに、私の髪がアフロであることと、それがファッション業界で意味することを通じて、形だけの平等主義に対する虚無感も感じてきたわ。ある大手ファッション雑誌に白人の編集者がいたんだけど、彼女はハロウィンにアフロのウィッグをかぶり、顔を黒くし、自分のことを「ソランジュ」と呼んでいたわ。別の雑誌では「セレブそっくりさん」企画があって、私のそっくりさんとして犬を載せていたわ。文字通り、私の髪は犬の毛みたいだと書かれていた。こういったこともあって、私にとって髪はとても複雑なものになったわ。あるとき、1日2公演のツアーに母が同行していたことがあったの。4日間のツアー中もたくさんのマイクロ・アグレッションを経験したわ。私は母に「移動する時は髪をストレートにしている方が、基本的に支障が少ないわね」と漏らしたほど。だからこの曲では、自分のアイデンティティが日常的におびやかされるのはどういう感じなのかについて触れているわ。髪に直接触れるのはNGだけどね。

【動画】「ドント・タッチ・マイ・ヘアー」MV


Q. 「ア・シート・アット・ザ・テーブル」という、強いメッセージ性のあるアルバムタイトルについて教えてください。今回のアルバムにはクラブソングは一曲も収録されておらず、「トゥルー」にあったような明るいポップミュージックもありません。あなたにとって「ア・シート・アット・ザ・テーブル」はどういう意味を持ちますか?

ソランジュ: 私にとって「ア・シート・アット・ザ・テーブル」とは、みんなに椅子を持ってきてもらい、かなり近い距離に座り、話すのが難しくて気まずい真実を共有してもらおうという招待状のようなものだと思うわ。そういう会話は荒れるかもしれないし、楽しくはないだろうし、ダンスする気分にはなれないだろうし、息苦しく感じるだろうと思う。でも、それが私たちが今いる時代の状態なの。「ア・シート・アット・ザ・テーブル」はこういった扉を開き、意見を持ち、意見を交わし合い、自分の真実を示し、そしてそれを貫こうという私からの招待状なの。

今回はおもしろいことがあったわ。それは息子と、親友の一人であるクリスと一緒に私の部屋にいたときのこと。アルバムの制作を終えたばかりの私はアルバムタイトルについてはまだちゃんと考えていなかったんだけど、タイトルを決めないといけない期限までもうあまり時間は無かったの! 一日中考えた末、書き出していたタイトル案をひとつひとつ言っていったの。それに対して息子が「それは違うな」とか「それちょっと良いかも」と言ったりして。でも実際に「ア・シート・アット・ザ・テーブル」というのを口にしたのはクリスだったの。それを聞いた瞬間、「この作品全体を表すタイトルはまさにそれだ!」と感じたのを覚えているわ。私のオープンさ、そして個人的で親密な会話をすることに対する意欲は、「お互いをもっと深く理解しようよ!」というメッセージの私なりの伝え方なの。

★インスタグラムに度々、息子の写真を投稿しているソランジュ。

The ball is my second child.

Solangeさん(@saintrecords)が投稿した写真 -




Q. 今作全体で伝えたいメッセージは?

ソランジュ: 私がアルバムを渡したとき、お母さんがご飯を作ってくれたの! それは何日か前の夜のことだったんだけど。それで思ったのは、この「ア・シート・アット・ザ・テーブル」にはたくさんのアルゴリズムが組み込まれているということ。たくさんの異なる意味やスペースにスポットライトを当てているということ。このアルバムが私の母に関連しているということについてのインタビューや私の話を聞くことが大切な理由は、このアルバムが父と母へのトリビュート作品でもあるから。

あらゆる痛み、トラウマ、そして貧しい2人の若い黒人という状況を生き抜きながらも大きな夢を持ち、その夢を体現した人間を両親として持てて、私はとても恵まれていると思うの。このアルバムについて思いを巡らすと、母が家のガレージで美容院を始めたこと、そこから25人もの従業員を抱える会社に成長するまでに母が費やした途方もない時間、そしてヒューストンでもっとも有名で成功した美容院になったことが思い浮ぶの。そして父がとても貧しい環境で育ちながらも大きな夢を持ち、自宅にあった空き事務所をレコードレーベルとマネージメント会社へと変貌させたことも。

このアルバムのメッセージの大部分は、私たちのストーリー、癒し、そして怒りを表現する時間を持つことが中心になっているけど、その大部分は、力を与えること、そして黒人の社会的地位の向上についてなの。だからこそマスターPにナレーションをお願いして、「F.U.B.U.」というタイトルをつけたの。私は、何があっても夢を持つことを諦めない人たちの代表例のような2人のもとで育ったと思うの。私たちが生きるこの時代のように重たくうんざりする状況では、人々は夢を見ることを忘れるわ。私たちは日々を生き抜こうと頑張っている。立ち上がり、一歩前進しようとしている。

でもそうする時間とエネルギーが無いの。私の両親が味わったような困難な状況をジュエルズとブルーが体験せずにすむのは、まさに両親のおかげ。それから、私がみんなにこのアルバムを聴いてやって欲しいことは、「クソくらえだ!」と言うこと。それはいまの国の状況に対して、そして私たちが日常的に浴びせられている「十分な能力がない」「綺麗だといえるレベルではない」「頭脳が足りない」「経済力が足りていない」「十分ではない」というメッセージに対して。

私はこの長さ1時間のアルバムが、「私たちは十分以上である」ということを伝える公共広告になって欲しいと思うの。私たちはいままでも十分以上であったし、それについて周りの人の許可を得る必要はないということ。私たちは、私たち自身のものを作りあげるの。私たちは、私たちが夢に描いている機会やコミュニティを作り上げているの。

アルバムの最後は、マスター・Pの「私たちは選ばれた者だ」という言葉で締めくくられているわ。これは何か難しいことを考えさせようというものではないの。人生という旅を続け、その中での体験を耐える私たちにとって、いまいる地点に辿り着くということは、ある意味で選ばれた者でなければならないと思う。このアルバムでは、楽器や音やビジュアルを通じて常に打ち出したい一種の威厳のようなものがあると思うの。なぜなら私たちは一般的にそういう扱いをされていないから。でも、私たちはいままでずっとそう。そしてこのアルバムの大部分は、両親を称えるトリビュートであるということ。

≪バイオグラフィー≫
アメリカ・テキサス州ヒューストン出身、現在30歳(1986年6月24日産まれ)。シンガーソングライター、モデル、女優として活躍。ビヨンセの妹として10代の頃からデスティニーズ・チャイルドのツアー・ダンサーとして同行していたこともある。16歳で本格的に音楽デビューを果たし、現在までに2枚のアルバムをリリース。2002年、デビュー・アルバム「ソロ★スター」をソニーミュージックから、2008年、2ndアルバム「ソランジュ&ザ・ハドリー・ストリート・ドリームス」をユニバーサルミュージックからリリース。 2013年 EP盤「TRUE」をリリース。 また、2004年にはリアーナも出演していた映画「ジョンソン一家の ババババケーション」でスクリーンデビューを果たし、2006年の「チアーズ3」に出演している。私生活では17歳当時の2004年2月にフットボール選手のダニエル・スミスと結婚。同年10月に長男を出産するが、2007年に離婚。その後、2014年11月にミュージック・ビデオ監督のアラン・ファーガソンと再婚している。今作「ア・シート・アット・ザ・テーブル」は、8年ぶり、3枚目のスタジオ・アルバムとなる。

■商品情報

カルヴィン・ハリス、アリシア・キーズら著名人も絶賛!

8年ぶり、待望の3rdアルバム
「A Seat At The Table/ア・シート・アット・ザ・テーブル」

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