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マーベル×Netflixドラマ第4弾「アイアン・フィスト」フィン・ジョーンズ&ジェシカ・ヘンウィックにインタビュー! 役作りでは視聴者が共感できる“リアルさ”を追求
2017年3月8日
ダニー・ランド役フィン・ジョーンズ
Netflixとマーベルの共同制作ドラマ「Marvel アイアン・フィスト」が、3月17日より全世界オンラインストリーミング配信される。本作でダニー・ランド/アイアン・フィスト役を演じるフィン・ジョーンズと、ダニーの力強い味方となるコリーン役を演じるジェシカ・ヘンウィックに現地ニューヨークでインタビューを行った。
同作は、Netflixにて配信中のマーベルコミックスを原作としたドラマシリーズ第4弾。ニューヨークの大富豪の家に生まれたダニーは幼い頃、飛行機事故で行方不明となり、15年後に故郷ニューヨークへと戻ってくる。一変した世界に戸惑うダニーだが、そんな彼が炎を操る神秘の技“アイアン・フィスト(鋼鉄の拳)”を手に入れるまでのミステリアスな過去、そして故郷ニューヨークで巻き起こる犯罪組織との壮絶なバトルを描く。アイアン・フィストは、デアデビル、ジェシカ・ジョーンズ、そしてルーク・ケイジに次ぐ4人目のヒーローであり、後に一同が集結して結成される「Marvel ディフェンダーズ」の一員でもある。
★Entertainment Weekly誌が、ディフェンダーズの集合写真を公開
フィンは、あの人気海外ドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」で一躍人気者に。一方のジェシカも、「ゲーム・オブ・スローンズ」や「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」などに出演するなど、注目を集めている。インタビューでは、世界中から熱い眼差しを受けるマーベル・ユニバースの一員となった感想から、キャラクターを演じるにあたっての役作り、そしてMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)参戦について話を伺った。
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Q. マーベル・ユニバースに入った感想は?
フィン(以下、F): 楽しいよ。本当にすごいんだ。あれだけエネルギッシュで活気に満ちた制作現場に身を置けるのは、俳優冥利に尽きるね。僕たちが以前出演した「ゲーム・オブ・スローンズ」の雰囲気もそれに近かったけど、これだけ注目される作品に出られるなんて、僕はとてもラッキーだと思う。
ジェシカ(以下、J): 私はコミック・グッズをたくさん持ってるわ。
F: いいね。
J: コミックもプレゼントされたわ。
F: コミックって何の話? 僕はもらってないんだけど。
J: ウソばっかり。
F: 君はかわいがられてたんだな。
J: 歓迎のプレゼントもコミックだったし、誕生日にもコミックをもらったのよ。
F: そういえば、コミックのキャラクターのアイストレーはもらった。かなりいい感じのね。
J: ああ、それは私ももらったわ。そうそう。
F: 君も? あれ、最高だよね。
J: デッドプールのカフスも、もらった。これがなかなかクールなの。
F: ああ、僕も持ってる。いいよね。マーベル作品に参加する一番のメリットはそれかもしれないね。
取材当日の2人の様子
Q. 武術について少し話してもらえますか? どういった種類の武術か教えてください。
F: あれは...カンフーで、武術太極拳で、なおかつ太極拳でもあり...。
J: 私がやったのは、いろんな武術を掛け合わせたようなものだった。ただ空手とか合気道とか、もっと日本的な感じだったわね。そのうち違うこともやってみたくなって、クラヴ・マガを習ったり、それから、アグレッショントレーニングやストリートファイティングもやった。路上でのトラブルをどう回避するかとか。そうこうするうちに新しい戦闘スタイルが生まれたって感じね。
F: そう。僕たちの戦闘スタイルの違いはこうだ。僕は流れるような動きが多くて、エネルギーの方向を変えてるという感じ。あまり攻撃的ではない戦い方だよね。対して、君のスタイルはものすごく攻撃的だったりする。それはそれぞれのキャラクターの違いからきてると思う。といってもそれもまた流動的だけどね。ダニーは時々感情的になって、非攻撃的なはずの戦闘スタイルが、攻撃的なものに変わって歯止めがきかなくなる。そこがダニーの欠点の1つでもあるんだ。
Q. 体重は増やさなければならなかったのですか?
F: ああ、それについてだけど…ダニーは武術家で、とても傷つきやすいキャラクターだ。もちろんみんなが知ってるように、僕もわかってるけど、コミックでは滑稽なほど筋肉モリモリの男として描かれてる。でもそれってリアルじゃないよね。それじゃ視聴者は共感できないと僕は思うんだ。もっと身近にいそうな人間じゃなきゃ、親しみは持てない。僕はそこを表現したかった。
それで、かなりハードなダイエットをして、もちろん筋トレも始めた。でもむしろ体重は増やさないように気をつけて、適度な筋肉をつけるようにしたんだ。とにかく僕としては、ダニーをボディビルダーのような姿にしたくはなかった。全然リアルじゃないからね。ダニーは傷つきやすい青年だ。そこを強調したほうが、観る人は感情移入できるはずだ。単なるムキムキの筋肉マンよりもね。筋肉マンはあまり魅力的とは言えないし、それじゃこのダニーの物語に人々を引き込むことはできないと思ったから。
Q. このドラマの設定で興味を引かれたのは、一見、まるでスーパーヒーローものに見えないところです。スーパーヒーローものを否定するわけじゃありませんけど。
J: そうなの。
まるで、ストーリーが展開し始める前から、物語の中に引き込まれるような感じでした。
J: ダニーはスーパーヒーローじゃない。少なくとも物語の冒頭ではね。ダニーが自分をスーパーヒーローと呼べるようになるまで、アイアン・フィスト(Iron Fist)を名乗れるまでの道のりはまだまだ長い。‟アイロン”(Iron)だけに、伸ばすべきシワがたくさんあるってわけ。そう名乗れるようになるまでには、自分の内側の真実と向き合わなければいけないの。それをじっくりと丁寧に描いてくれるところが、Netflix作品のありがたいところね。そのほうが観る側もキャラクターに共感しやすいから。
Q. ダニーとコリーンが出会うシーンも面白いと思いました。コリーンの迷惑気なリアクションはいかにも、という感じでした。突然現れた変な男にしつこくされるんですから。
J: そうなの。
居座って、いろいろ言ってきますしね。
J: キモいでしょ。
コリーンは「あんた、何がしたいの?」って顔でしたよね。
J: ダニーは西洋的な社交術を知らなくて、理解できないの。
F: 特に女性のことは。
J: そう、女性のことはね。皮肉めいたことを言われても分からないし、ニューヨークでも...。
F: ピュアなんだ。ダニーはとってもね。その純粋なところが、このドラマではずっと、誰かに利用され続ける。そのせいで、ダニーは世間への警戒心をやや強めることになる。このあたりのダニーの葛藤も、シリーズを通して描かれているんだ。
Q. 本作には神話的な要素もあります。ダニーは神秘的なキャラクターです。その点で、役作りは他の役を演じる時と違いましたか?
F: 超能力は存在するって言われてるよね。僕も人には「氣」があるって信じてる。しかも、それはとてもリアルに感じられるものだ。瞑想のやり方を知っていれば、誰だって自分の氣をうまく利用することができるようになる。だから僕はダニーというキャラクターに命を吹き込むとき、そういった世界を知るところから始めたんだ。瞑想とか、太極拳とか、意識を越えた世界の存在を信じてね。もしかしたら氣をコントロールして、鉄拳を光らせることだってできるかも。ちょっと超常現象っぽいけど、でもそこに流れるエネルギーや思考プロセス、そして感覚はすべて身近なものだ。つまり、僕は自分の信じるリアリティに基づいて役作りをしたというわけなんだ。
Q. そんな中、特殊な能力を持ったダニーを演じることを通して、自分自身の精神的な成長を感じましたか?
F: それがダニーの場合、単純にはいかなくて...。ダニーは身動きが取れなくなってるんだ。彼は鍛錬を積んだ、スピリチュアルな戦士であろうとする。しかし一方で、彼は深く傷ついてトラウマを抱えた若者でもある。しかも莫大な財産を受け継いでる。自分の中に両極端な面があって、その板挟みになってるんだ。それで、もがいてる。激しい葛藤を抱えているんだよ。
このドラマでのダニーのテーマは、己を知ること、己の運命と果たすべき役割を見つけることだ。それによって彼は成長していく。僕にとってはラッキーなことに、このテーマは20代の時に自分でも経験しているから、その過程は分かってるつもりだ。僕はもう28才で、ダニーは25才の設定だからね。この点では自分の過去を振り返ることが大いに役に立ったよ。
だから自分自身が成長しているというのとは違う。でも、ダニーが経験していることはよく理解できる。自分も経験しているし、きっと誰だって、男女問わず、子供から大人への階段を登っていく年代に経験することだと思うんだ。
J: コリーンは、あまりスピリチュアルなキャラとは言えないわね。だから、私はフィンのような役作りは必要なかったわ。コリーンは、いわゆる“世間”に近い存在で、何というか、地に足のついた女性なの。現実的なのよ。私自身も実際そういう人間だから、その部分は自分の中から引き出したわ。
Q. 私はこのドラマを観たとき、子供時代に兄弟や友達からどういう扱いを受けたかが、その後の一生を左右することもあると思いました。自分をいじめたヤツは復讐すべき敵になる。彼らの性格はなかなか変わらないものだと思います。
F: そうだね。それがいたって普通だ。長い間、それこそ15年くらい行ってなかった場所があって、そこに舞い戻るとするよね。すると君は、その場所に最後にいた時の自分の状態に入り込むような感覚を味わう。体がその状態を記憶してるんだ。それがまさにダニーが体験していることだよ。この世界に戻ってきたダニーは、そこは前と同じ世界だと思ってる。仲間や友達もいて、昔みたいに幸せであることを期待してるんだ。幸せだった頃の記憶が長い間、念頭にあったわけだからね。どれほどつらく、ひどい目に遭っても、前を向いていられたのは、ニューヨークに帰れるという希望があったから。戻ったらすべてよくなるという気持ちがあったからだ。
でも残念ながら、戻ってきたダニーが目にしたのは以前とはまったく違う世界だった。ダニーは自分のように傷つきやすくピュアな人間にとって、この世界は汚れすぎているということになかなか気付かない。ただラッキーにも、彼にはコリーンがいた。どんなときもそばにいて支えてくれる唯一の人だ。
Q. アクションに関しては、異なる東洋の武術を使っていました。あなた自身も東洋の文化に興味があるのでしょうか?たとえば日本とか...。
F: そうだね。精神世界とか武術とは関係ないけど、スタジオジブリの映画が好きなんだ。ほら、アニメの。大ファンだよ。
J: 「君の名は。」(Your Name)は観た?
F: 僕の名前? (My Name?)
J: 「君の名は。」という映画。よかったわよ。
F: いや、まだ観てない。
J: すごくいいから観て。
F: さっきの話だけど、この役を演じ始める前から僕は仏教にかなり興味があったんだ。チベット文化とかね。前にニューヨークのチベット文化センターに行ったことがあって、それからしょっちゅう行くようになった。セミナーや瞑想のクラスを受けたりね。だから東洋文化のことは普通の人より少しは深く理解できてると思う。とはいっても、作中に出てくる謎の国‟クン・ルン”は、既存のどの文化とも違う。クン・ルンにはものすごく多様性に富んだ文化があるんだ。世界中から人が集まってる。ブラジル人やヨーロッパ人、アジア人、白人。とにかく、ごちゃまぜの国だ。そこがコミックとは異なる点だね。だけどついでに言うと、僕は純粋に、そういった世界を理解することに喜びを感じるんだよ。
J: 私の母はシンガポール出身の中国人。だから、私も中国文化の中で育ったの。つい先日、クリスマスで里帰りしたんだけど、実家には仏像があるし、インドの女神像もある。幼い頃からシンガポールやマレーシアで過ごすことも多かったわ。お寺やお香にもなじみがあるしね。だから私にとっては懐かしい世界なの。考え方も含め、今の自分に大きく影響してるわ。そう、私にとってはすごく大事な文化だったし、今もそうよ。
ジェシカは、自身のツイッターでも「君の名は。」の動画を紹介している
Q. マーベルの世界には、たくさんのキャラクターが存在し、お互いにリンクしあっています。そんな中で、自分の演じるキャラクターを自分のものにするのは、いつもより大変なことなのでしょうか?ご存じのとおり、それぞれのキャラにはすでにバックストーリーがありますが、その役に自分を投影する際のバランスはどのようにとっているのでしょうか?
J: 私にとって、「アイアン・フィスト」みたいな作品の仕事をするのはとても面白いわ。ヒーローとともに歩める感じが魅力よね。どのシリーズもヒーローの成長を描いているし、それが基本でもある。自分が何をするかハッキリしてるの。それから面白いのは、1人の俳優として、私はもっと若い頃、たとえばダニエル・デイ=ルイスの演技を観て「足を引きずってる」とか「訛りをマスターしてる」とか「細目になって髪型も変えた」とか「増量して風貌を変えてる、すごい! これぞ名優」なんて感心してたわ。ただ、確かにそれは素晴らしい演技なんだけど、その場合は俳優自身が役柄の中に隠れることができる。一方今回のようなスーパーヒーローものでは、キャラクターを生かすも殺すも俳優のカリスマ性次第なの。言ってみれば7割が俳優の力、3割がキャラクターそのものの魅力とか脚本の出来にかかってるってことね。キャラに命を吹き込むのは俳優。でなきゃ面白いドラマにならないわ。
F: 自分の中から湧き出るものが大切だ。そう、それからキャスティングも重要。的確なキャスティングというのは、その俳優の中に、そのキャラクターの要素を見ることだからね。
役柄を自分のものにすることに関して言えば、アイアン・フィストのいいところは、すでにいろんな人が演じているということかな。ある意味、それがかえって自分の好きなように演じる自由を与えてくれたところがある。
アイアン・フィストとは何か、という確固たるものは特にない。違うバージョンがいくつかあるからね。だから僕がすべきことは、キャラをよく理解し、味わい、その声に耳を傾けることだ。というか、僕自身をダニーという役柄に当てはめるんだ。
僕自身とダニーは共通点も多い。一緒に仕事をしているようで楽しいよ。
Q. マーベル・シネマティック・ユニバースの仲間に加わりたいと思いますか?
F: いや、コンセプトとして一番面白いと思うのは、映画のスーパーヒーローたちを僕らの世界に連れてくることだ。僕たちを映画で見たって別に面白くはないと思う。だってインパクトがないだろう? お金をかけた大作映画なら、誰だって派手な戦闘シーンぐらいできるさ。それよりはるかに面白いのは、そんなキャラたちを、13話構成でじっくり描くことだと思うよ。
J: それなら、1つの物語を13時間たっぷりかけて描ける。
F: そのほうがキャラクターに完全に感情移入できるよね。それを視聴者も求めてるんだ。そこがドラマの面白さだ。ちょっとばかりグレードアップしたアイアン・フィストを見たって、ちっとも面白くはないと思う。
(インタビューおわり)
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このインタビューは、取材日の終わり近くに実施。しかし、まだ20代の2人はエネルギーに満ち溢れていた。入室直後から我々取材陣に元気にあいさつしたかと思えば、身を乗り出す勢いで各質問に答えてくれた。また、2人の口から日本の武術や映画「君の名は。」について話を聞けて嬉しい限りだった。魅力あふれる2人が出演する「Marvel アイアン・フィスト」は、 3月17日より全世界同時配信。
【動画】ディフェンダーズ最後の男に隠された物語とは?『Marvel アイアン・フィスト』特別映像
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同作は、Netflixにて配信中のマーベルコミックスを原作としたドラマシリーズ第4弾。ニューヨークの大富豪の家に生まれたダニーは幼い頃、飛行機事故で行方不明となり、15年後に故郷ニューヨークへと戻ってくる。一変した世界に戸惑うダニーだが、そんな彼が炎を操る神秘の技“アイアン・フィスト(鋼鉄の拳)”を手に入れるまでのミステリアスな過去、そして故郷ニューヨークで巻き起こる犯罪組織との壮絶なバトルを描く。アイアン・フィストは、デアデビル、ジェシカ・ジョーンズ、そしてルーク・ケイジに次ぐ4人目のヒーローであり、後に一同が集結して結成される「Marvel ディフェンダーズ」の一員でもある。
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— Entertainment Weekly (@EW) 2017年1月12日
フィンは、あの人気海外ドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」で一躍人気者に。一方のジェシカも、「ゲーム・オブ・スローンズ」や「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」などに出演するなど、注目を集めている。インタビューでは、世界中から熱い眼差しを受けるマーベル・ユニバースの一員となった感想から、キャラクターを演じるにあたっての役作り、そしてMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)参戦について話を伺った。
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Q. マーベル・ユニバースに入った感想は?
フィン(以下、F): 楽しいよ。本当にすごいんだ。あれだけエネルギッシュで活気に満ちた制作現場に身を置けるのは、俳優冥利に尽きるね。僕たちが以前出演した「ゲーム・オブ・スローンズ」の雰囲気もそれに近かったけど、これだけ注目される作品に出られるなんて、僕はとてもラッキーだと思う。
ジェシカ(以下、J): 私はコミック・グッズをたくさん持ってるわ。
F: いいね。
J: コミックもプレゼントされたわ。
F: コミックって何の話? 僕はもらってないんだけど。
J: ウソばっかり。
F: 君はかわいがられてたんだな。
J: 歓迎のプレゼントもコミックだったし、誕生日にもコミックをもらったのよ。
F: そういえば、コミックのキャラクターのアイストレーはもらった。かなりいい感じのね。
J: ああ、それは私ももらったわ。そうそう。
F: 君も? あれ、最高だよね。
J: デッドプールのカフスも、もらった。これがなかなかクールなの。
F: ああ、僕も持ってる。いいよね。マーベル作品に参加する一番のメリットはそれかもしれないね。
取材当日の2人の様子
Q. 武術について少し話してもらえますか? どういった種類の武術か教えてください。
F: あれは...カンフーで、武術太極拳で、なおかつ太極拳でもあり...。
J: 私がやったのは、いろんな武術を掛け合わせたようなものだった。ただ空手とか合気道とか、もっと日本的な感じだったわね。そのうち違うこともやってみたくなって、クラヴ・マガを習ったり、それから、アグレッショントレーニングやストリートファイティングもやった。路上でのトラブルをどう回避するかとか。そうこうするうちに新しい戦闘スタイルが生まれたって感じね。
F: そう。僕たちの戦闘スタイルの違いはこうだ。僕は流れるような動きが多くて、エネルギーの方向を変えてるという感じ。あまり攻撃的ではない戦い方だよね。対して、君のスタイルはものすごく攻撃的だったりする。それはそれぞれのキャラクターの違いからきてると思う。といってもそれもまた流動的だけどね。ダニーは時々感情的になって、非攻撃的なはずの戦闘スタイルが、攻撃的なものに変わって歯止めがきかなくなる。そこがダニーの欠点の1つでもあるんだ。
Q. 体重は増やさなければならなかったのですか?
F: ああ、それについてだけど…ダニーは武術家で、とても傷つきやすいキャラクターだ。もちろんみんなが知ってるように、僕もわかってるけど、コミックでは滑稽なほど筋肉モリモリの男として描かれてる。でもそれってリアルじゃないよね。それじゃ視聴者は共感できないと僕は思うんだ。もっと身近にいそうな人間じゃなきゃ、親しみは持てない。僕はそこを表現したかった。
それで、かなりハードなダイエットをして、もちろん筋トレも始めた。でもむしろ体重は増やさないように気をつけて、適度な筋肉をつけるようにしたんだ。とにかく僕としては、ダニーをボディビルダーのような姿にしたくはなかった。全然リアルじゃないからね。ダニーは傷つきやすい青年だ。そこを強調したほうが、観る人は感情移入できるはずだ。単なるムキムキの筋肉マンよりもね。筋肉マンはあまり魅力的とは言えないし、それじゃこのダニーの物語に人々を引き込むことはできないと思ったから。
Q. このドラマの設定で興味を引かれたのは、一見、まるでスーパーヒーローものに見えないところです。スーパーヒーローものを否定するわけじゃありませんけど。
J: そうなの。
まるで、ストーリーが展開し始める前から、物語の中に引き込まれるような感じでした。
J: ダニーはスーパーヒーローじゃない。少なくとも物語の冒頭ではね。ダニーが自分をスーパーヒーローと呼べるようになるまで、アイアン・フィスト(Iron Fist)を名乗れるまでの道のりはまだまだ長い。‟アイロン”(Iron)だけに、伸ばすべきシワがたくさんあるってわけ。そう名乗れるようになるまでには、自分の内側の真実と向き合わなければいけないの。それをじっくりと丁寧に描いてくれるところが、Netflix作品のありがたいところね。そのほうが観る側もキャラクターに共感しやすいから。
Q. ダニーとコリーンが出会うシーンも面白いと思いました。コリーンの迷惑気なリアクションはいかにも、という感じでした。突然現れた変な男にしつこくされるんですから。
J: そうなの。
居座って、いろいろ言ってきますしね。
J: キモいでしょ。
コリーンは「あんた、何がしたいの?」って顔でしたよね。
J: ダニーは西洋的な社交術を知らなくて、理解できないの。
F: 特に女性のことは。
J: そう、女性のことはね。皮肉めいたことを言われても分からないし、ニューヨークでも...。
F: ピュアなんだ。ダニーはとってもね。その純粋なところが、このドラマではずっと、誰かに利用され続ける。そのせいで、ダニーは世間への警戒心をやや強めることになる。このあたりのダニーの葛藤も、シリーズを通して描かれているんだ。
Q. 本作には神話的な要素もあります。ダニーは神秘的なキャラクターです。その点で、役作りは他の役を演じる時と違いましたか?
F: 超能力は存在するって言われてるよね。僕も人には「氣」があるって信じてる。しかも、それはとてもリアルに感じられるものだ。瞑想のやり方を知っていれば、誰だって自分の氣をうまく利用することができるようになる。だから僕はダニーというキャラクターに命を吹き込むとき、そういった世界を知るところから始めたんだ。瞑想とか、太極拳とか、意識を越えた世界の存在を信じてね。もしかしたら氣をコントロールして、鉄拳を光らせることだってできるかも。ちょっと超常現象っぽいけど、でもそこに流れるエネルギーや思考プロセス、そして感覚はすべて身近なものだ。つまり、僕は自分の信じるリアリティに基づいて役作りをしたというわけなんだ。
Q. そんな中、特殊な能力を持ったダニーを演じることを通して、自分自身の精神的な成長を感じましたか?
F: それがダニーの場合、単純にはいかなくて...。ダニーは身動きが取れなくなってるんだ。彼は鍛錬を積んだ、スピリチュアルな戦士であろうとする。しかし一方で、彼は深く傷ついてトラウマを抱えた若者でもある。しかも莫大な財産を受け継いでる。自分の中に両極端な面があって、その板挟みになってるんだ。それで、もがいてる。激しい葛藤を抱えているんだよ。
このドラマでのダニーのテーマは、己を知ること、己の運命と果たすべき役割を見つけることだ。それによって彼は成長していく。僕にとってはラッキーなことに、このテーマは20代の時に自分でも経験しているから、その過程は分かってるつもりだ。僕はもう28才で、ダニーは25才の設定だからね。この点では自分の過去を振り返ることが大いに役に立ったよ。
だから自分自身が成長しているというのとは違う。でも、ダニーが経験していることはよく理解できる。自分も経験しているし、きっと誰だって、男女問わず、子供から大人への階段を登っていく年代に経験することだと思うんだ。
J: コリーンは、あまりスピリチュアルなキャラとは言えないわね。だから、私はフィンのような役作りは必要なかったわ。コリーンは、いわゆる“世間”に近い存在で、何というか、地に足のついた女性なの。現実的なのよ。私自身も実際そういう人間だから、その部分は自分の中から引き出したわ。
コリーン役のジェシカ・ヘンウィック
Q. 私はこのドラマを観たとき、子供時代に兄弟や友達からどういう扱いを受けたかが、その後の一生を左右することもあると思いました。自分をいじめたヤツは復讐すべき敵になる。彼らの性格はなかなか変わらないものだと思います。
F: そうだね。それがいたって普通だ。長い間、それこそ15年くらい行ってなかった場所があって、そこに舞い戻るとするよね。すると君は、その場所に最後にいた時の自分の状態に入り込むような感覚を味わう。体がその状態を記憶してるんだ。それがまさにダニーが体験していることだよ。この世界に戻ってきたダニーは、そこは前と同じ世界だと思ってる。仲間や友達もいて、昔みたいに幸せであることを期待してるんだ。幸せだった頃の記憶が長い間、念頭にあったわけだからね。どれほどつらく、ひどい目に遭っても、前を向いていられたのは、ニューヨークに帰れるという希望があったから。戻ったらすべてよくなるという気持ちがあったからだ。
でも残念ながら、戻ってきたダニーが目にしたのは以前とはまったく違う世界だった。ダニーは自分のように傷つきやすくピュアな人間にとって、この世界は汚れすぎているということになかなか気付かない。ただラッキーにも、彼にはコリーンがいた。どんなときもそばにいて支えてくれる唯一の人だ。
Q. アクションに関しては、異なる東洋の武術を使っていました。あなた自身も東洋の文化に興味があるのでしょうか?たとえば日本とか...。
F: そうだね。精神世界とか武術とは関係ないけど、スタジオジブリの映画が好きなんだ。ほら、アニメの。大ファンだよ。
J: 「君の名は。」(Your Name)は観た?
F: 僕の名前? (My Name?)
J: 「君の名は。」という映画。よかったわよ。
F: いや、まだ観てない。
J: すごくいいから観て。
F: さっきの話だけど、この役を演じ始める前から僕は仏教にかなり興味があったんだ。チベット文化とかね。前にニューヨークのチベット文化センターに行ったことがあって、それからしょっちゅう行くようになった。セミナーや瞑想のクラスを受けたりね。だから東洋文化のことは普通の人より少しは深く理解できてると思う。とはいっても、作中に出てくる謎の国‟クン・ルン”は、既存のどの文化とも違う。クン・ルンにはものすごく多様性に富んだ文化があるんだ。世界中から人が集まってる。ブラジル人やヨーロッパ人、アジア人、白人。とにかく、ごちゃまぜの国だ。そこがコミックとは異なる点だね。だけどついでに言うと、僕は純粋に、そういった世界を理解することに喜びを感じるんだよ。
J: 私の母はシンガポール出身の中国人。だから、私も中国文化の中で育ったの。つい先日、クリスマスで里帰りしたんだけど、実家には仏像があるし、インドの女神像もある。幼い頃からシンガポールやマレーシアで過ごすことも多かったわ。お寺やお香にもなじみがあるしね。だから私にとっては懐かしい世界なの。考え方も含め、今の自分に大きく影響してるわ。そう、私にとってはすごく大事な文化だったし、今もそうよ。
ジェシカは、自身のツイッターでも「君の名は。」の動画を紹介している
#YourName pic.twitter.com/ZafmSG20B9
— Jessica Henwick (@JHenwick) 2017年1月27日
Q. マーベルの世界には、たくさんのキャラクターが存在し、お互いにリンクしあっています。そんな中で、自分の演じるキャラクターを自分のものにするのは、いつもより大変なことなのでしょうか?ご存じのとおり、それぞれのキャラにはすでにバックストーリーがありますが、その役に自分を投影する際のバランスはどのようにとっているのでしょうか?
J: 私にとって、「アイアン・フィスト」みたいな作品の仕事をするのはとても面白いわ。ヒーローとともに歩める感じが魅力よね。どのシリーズもヒーローの成長を描いているし、それが基本でもある。自分が何をするかハッキリしてるの。それから面白いのは、1人の俳優として、私はもっと若い頃、たとえばダニエル・デイ=ルイスの演技を観て「足を引きずってる」とか「訛りをマスターしてる」とか「細目になって髪型も変えた」とか「増量して風貌を変えてる、すごい! これぞ名優」なんて感心してたわ。ただ、確かにそれは素晴らしい演技なんだけど、その場合は俳優自身が役柄の中に隠れることができる。一方今回のようなスーパーヒーローものでは、キャラクターを生かすも殺すも俳優のカリスマ性次第なの。言ってみれば7割が俳優の力、3割がキャラクターそのものの魅力とか脚本の出来にかかってるってことね。キャラに命を吹き込むのは俳優。でなきゃ面白いドラマにならないわ。
F: 自分の中から湧き出るものが大切だ。そう、それからキャスティングも重要。的確なキャスティングというのは、その俳優の中に、そのキャラクターの要素を見ることだからね。
役柄を自分のものにすることに関して言えば、アイアン・フィストのいいところは、すでにいろんな人が演じているということかな。ある意味、それがかえって自分の好きなように演じる自由を与えてくれたところがある。
アイアン・フィストとは何か、という確固たるものは特にない。違うバージョンがいくつかあるからね。だから僕がすべきことは、キャラをよく理解し、味わい、その声に耳を傾けることだ。というか、僕自身をダニーという役柄に当てはめるんだ。
僕自身とダニーは共通点も多い。一緒に仕事をしているようで楽しいよ。
Q. マーベル・シネマティック・ユニバースの仲間に加わりたいと思いますか?
F: いや、コンセプトとして一番面白いと思うのは、映画のスーパーヒーローたちを僕らの世界に連れてくることだ。僕たちを映画で見たって別に面白くはないと思う。だってインパクトがないだろう? お金をかけた大作映画なら、誰だって派手な戦闘シーンぐらいできるさ。それよりはるかに面白いのは、そんなキャラたちを、13話構成でじっくり描くことだと思うよ。
J: それなら、1つの物語を13時間たっぷりかけて描ける。
F: そのほうがキャラクターに完全に感情移入できるよね。それを視聴者も求めてるんだ。そこがドラマの面白さだ。ちょっとばかりグレードアップしたアイアン・フィストを見たって、ちっとも面白くはないと思う。
(インタビューおわり)
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このインタビューは、取材日の終わり近くに実施。しかし、まだ20代の2人はエネルギーに満ち溢れていた。入室直後から我々取材陣に元気にあいさつしたかと思えば、身を乗り出す勢いで各質問に答えてくれた。また、2人の口から日本の武術や映画「君の名は。」について話を聞けて嬉しい限りだった。魅力あふれる2人が出演する「Marvel アイアン・フィスト」は、 3月17日より全世界同時配信。
【動画】ディフェンダーズ最後の男に隠された物語とは?『Marvel アイアン・フィスト』特別映像
・Netflixについて
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