ベテラン俳優イアン・マクシェーンにインタビュー! 話題の新作「アメリカン・ゴッズ」は“他とは一線を画すドラマ”

「パイレーツ・オブ・カリビアン」黒ひげ役や「デッドウッド ～銃とSEXとワイルドタウン」アル・スウェレンジン役で知られ、昨年は人気海外ドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」に出演を果たしたベテラン俳優イアン・マクシェーンが次なるプロジェクトに選んだのは、大人気小説を原作とした新作ドラマ「アメリカン・ゴッズ」だ。英ベストセラー作家ニール・ゲイマンと、「ハンニバル」のブライアン・フラーがタッグを組んだ本作は、世界中のファンが映像化を熱望した作品である。TVグルーヴは、ファン待望の話題作に出演中の彼を直撃した。

同作は、遥か昔、世界中から新世界アメリカにわたってきた旧神々たちと、現代文明から生まれた新しい神々の戦いを描く。主人公のシャドウ・ムーンは、妻の悲劇的な死から立ち直れぬまま、ミスター・ウェンズデイと名乗る得体の知れない男の用心棒として働くことに。やがて自分が不思議な世界の中心にいることを知る―。

イアンが演じるのは、謎の男ミスター・ウェンズデイ。彼の登場により主人公シャドウの人生が一変するわけだが、イアンはミステリアスな役どころを見事に熱演。ニールとは「コララインとボタンの魔女」に続き2度目のタッグとなるが、本作への出演を決めた理由とは何だったのか?謎の多いミスター・ウェンズデイと劇中での彼の目的について話をうかがった。


Q. 本作に魅了された点は何だったのでしょうか?出演の決め手など教えてください。

イアン:他とは一線を画すドラマだと思いますね。プロローグもあり、視覚効果や特殊効果、そしてアニメーションもたくさん使われています。ニール・ゲイマンの原作は、人々が気づいていない現代の神々の存在について書いていますが、こういう題材はTV番組にぴったりだと思います。キャラクターが素晴らしいですし、他民族的で、物事が多岐にわたっていてまさに今に相応しい。実はオースティンで開かれたSXSW(サウス・バイ・サウス・ウエスト)で公開された際に初めて作品をちゃんと見たんですが、感動したと言わざるを得ないですね。


Q. ご自身が演じるミスター・ウェンズデイについて教えてください。

イアン:原作では、彼は普通の人生を好む、感じの良い年老いた詐欺師で、アメリカ中を彷徨っています。そして、シャドウ・ムーンを自身のボディーガード兼運転手として雇うことになるんですが、残念ながらその理由は教えられません。ぜひご自身の目で確かめてください。



Q. 本作には、現在のテクノロジーやメディアを崇拝する人々が作った新しい神々(テクニカル・ボーイ, メディア)が登場します。テクノロジーやインターネットが現在の我々の生活に深く浸食している事実を、ご自身が演じられるミスター・ウェンズデイは脅威として捉えていますが、もう少し詳しく教えてください。

イアン:ウェンズデイは、過去のものがどんどん消滅していくことや、過去に対する無知さに反対する立場を取っています。かつて「過去に学ばない者は、過ちを繰り返す羽目になる」とジョージ・サンタヤーナ(※)も言いましたが、人々は過去の良い部分は忘れがちで、過去の悪い部分を何度も繰り返しているという事実が非常に悲しいですね。ウェンズデイは、四六時中見ているスマートフォンの画面以外の物事に目を向ければ、人生はもっと豊かになると教えようとしているんです。

※スペイン出身のアメリカの哲学者・詩人。


Q. 同じマンチェスター・ユナイテッドのファンであるリッキー・ウィトルさんと共演シーンが多いですが、撮影の舞台裏はどんな感じなのでしょうか?

イアン:リッキーは本当にいい人ですね!かなり気が合います。撮影中もプライベートでも仲が良いですよ。

★リッキー・ウィトルのインスタグラムには、イアンとの写真が多数投稿★

2017 people, that means we all get to finally meet #shadowmoon #mrwednesday in #starz #AmericanGods #godsquad #ensemblegoals #showgoals #believe #stormscomin #starz #amazonprime

Ricky Whittleさん(@rickywhittle)がシェアした投稿 - 2017 1月 2 1:01午前 PST

Q. 原作者のニール・ゲイマンさんは本作を移民の物語だと話していますが、本作が描いているものは何なのでしょうか?

イアン:この作品は、まったくもって政治的な番組ではありません。このドラマは、人間性、信仰、愛、人々がお互いをどう扱っているか、そして、これからどう扱うべきかといった人生で大事な事柄について描いています。


Q. ニール・ゲイマンさんとは「コララインとボタンの魔女」に続き2度目の仕事ですが、彼との仕事はいかがですか?

イアン:ニールは撮影の最初の週は現場に居ましたが、そのあとは本を15冊書くために来なくなりましたね。ご存知の通り、彼は素晴らしい才能があって多作な作家ですから。


Q. 日本の視聴者に一言お願いします。

イアン:素晴らしい一日をお過ごしください!