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新番組「パーソン・オブ・インタレスト」クリエーター J.J.エイブラムスインタビュー! [その1] 「FRINGE/フリンジ」のファイナルはビックリするようなエンディングになっている
2012年10月10日
J.J.エイブラムス
人気海外ドラマ「LOST」「FRINGE/フリンジ」、映画「M:i:III」など、数々のヒット作を次々に世に送りだしている人気クリエイター、J.J.エイブラムスが10月初旬、スカイプを使って、日本の報道陣とのインタビューに答えた。
ファイナル・シーズンを迎える「FRINGE/フリンジ」や、新ドラマ「パーソン・オブ・インタレスト」の見どころ、現在のTV業界についての考え、今後のプロジェクト、日本への思い、など、様々なトピックについて熱く丁寧に語ってくれた。
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Q.(ご自身が製作された)TVシリーズの中で、一番気に入っている作品は何ですか?
A.
どの企画も参加できてラッキーだと思っているよ。とりわけ好きなのは「フェリシティの青春」かな。何せテレビシリーズを手掛けるのが初めてだったから、多くを学ばせてもらったし、とてもハートウォーミングな楽しいシリーズだ。そうはいっても、「エイリアス」も「LOST」も「FRINGE/フリンジ」も「パーソン・オブ・インタレスト」も好きだし、それぞれも魅力があると思うけどね。どれか一つに絞るのは難しいね。
Q. シーズンを重ねることが難しく、シビアな業界にも関わらず、最近ではスピルバーグなど映画監督もTVシリーズに本格参戦する人が増えているように思えます。現在のTV業界の現状、またはJ.J.が感じることをお教えください。
A.
常にチャレンジングだよ。持ち出される企画でパイロットにこぎ着けられるのはごくわずかだし、パイロットのなかでも放映されるのはごくわずかだし、放映されても1シーズン以上続くのもごくわずかだ。だから常に闘いだ。そうはいっても、今はテレビの黄金期だと思っているよ。長編映画はマーケティングに左右されることが多いし、スタジオは常にマーケティングできるか否かということを視野に映画作りを決めている。だから映画ではリスクに挑むことが少なくなってきているが、その分テレビではリスクを厭わない企画が増えてきている。その結果アメリカのテレビや海外のテレビでも、ワクワクするような面白いシリーズがどんどん出てきている。映画ファンにとっては残念なことだが、今は映画よりもテレビでのほうが面白いものが見られる。映画でもオリジナリティを打ち出したいところだが、最近のトップ10リストを見ても、10年前やそれ以前と比べると続編、リメイク、リブートではない映画の数が格段に減っているだろう? だから今はテレビのほうが面白い。テレビがメディアとして(映画よりも)劣等であるという偏見もなくなってきているので脚本家や監督や俳優達がテレビに流れ込んできているし、結果、独創性に富んだ、エッジの利いた、キャラクターもストーリーも面白いものがどんどん出てきている。
Q.「FRINGE/フリンジ」 ファイナルを迎えるにあたっての気持ちはいかがですか?
A.
「FRINGE/フリンジ」は大好きなシリーズだ。今まで見てきた中でも最も奇妙なシリーズの一つに入るね。人の心情をしっかりと描きつつもあれほどユニークな設定をベースにしたシリーズに関わることができて本当に嬉しいと思っているよ。ファイナル・シーズンは13エピソードで放映されるので、フィナーレに向けてストーリー展開のペースをしっかりと作りこむことができた。ファイナル・シーズンは感情に訴えかけつつも、ハラハラする展開だよ。それとびっくりするようなエンディングになっている。
Q.「FRINGE/フリンジ<フォース・シーズン>」 の見どころを教えてください。
A.
「FRINGE/フリンジ」をあそこまで面白くしている要素の一つは二つの世界が描かれているという点にあると思う。フォース・シーズンの大部分はパラレル・ワールドで展開されるという大胆な設定だ。それとピーターとオリビアのラブストーリーも注目ポイント。今までは何となくほのめかしていた程度だったが、フォース・シーズンでははっきりと二人の関係を描いていき、それがフィフス・シーズンのドラマチックな展開につながっていく。このシリーズの何が素晴らしいかというと、この世界においてはあり得ないようなストーリーでありながらも、徹底的に感情に訴えかけるような作りになっているという点。展開や設定だけではなく、登場人物達の気持ちが大きな柱になっている。フォース・シーズンはこの部分において特に秀でていると思う。
Q.「パーソン・オブ・インタレスト」 爆発的ヒットの秘密は何でしょうか?
A.
人々が「パーソン・オブ・インタレスト」に魅かれる第一の理由は、現代では皆、監視カメラに囲まれているからだと思う。いつ、どこにいても、監視カメラだらけだ。街を歩いていてもカメラを気にとめることもなくなってきた。“では、その監視カメラが記録した情報が実際に利用されていたとしたら?”というアイデアが興味深いと思った。監視カメラの情報を集めたマシンが存在していて、そのマシンが、これから起こる犯罪、又は被害者が巻き込まれうる犯罪の予知につながるとしたらどうだろう?そして2人の意外なヒーロー達がその情報を使って皆を守るとしたら?このアイデアを持ち込んできたのはジョナサン・ノーラン。ジョナサンはバットマン・シリーズの脚本を共同執筆しているから、シリーズにバットマン的なカラーをもたらせてくれる。いわばマントなしのスーパーヒーローたちが世界を感知する監視カメラという、現代の我々が非常に共感できるツールを使うという設定だ。
Q.「パーソン・オブ・インタレスト<ファースト・シーズン>」の見どころを教えてください。
A.
冒頭のリースとフィンチはカーターという警官に追われている。リースとフィンチはまだ打ち解けておらず、お互いを疑っているが、お互いを必要としている。一方、追っているカーターは彼らの事情を全く知らない。シーズンが終わるころには全く違う様相を見せることになるが、それでもストーリーの一貫性は保たれている。舞台はニューヨークだが、一話完結型のストーリーが展開される。だから、シリーズの途中から見出してもすぐに追いつける。1話目から全部見ている人(本当はそうあってほしいけどね)は、それはそれで長期にわたるストーリーラインをしっかりと堪能できつつ、一話完結型のストーリーも楽しめるという二重の楽しみがある。アクションも素晴らしい!リース演じるジム・カヴィーゼルも素晴らしい!スティーブ・マックイーンやクリント・イーストウッドが昔演じていたような、クラシックなタフガイを演じてくれる。
Q.「ALCATRAZ / アルカトラズ」 の見どころを教えてください
A.
「アルカトラズ」のアイデアを最初に教えてもらった時、すごく気に入ったんだ。つまり、アルカトラズは凶悪犯罪者達が入所するカリフォルニアの刑務所なんだけど、語られてきた史実は実は虚構であり、移送されたはずの数百人の囚人たちはどこかへ消えてしまっている、そしてその事実が隠ぺいされたという設定だ。その囚人たちが現代に甦るというアイデアがとても魅力的で、キャンプファイアを囲んで語れるような面白い話だと思い、この企画を追うことにしたんだ。
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ファイナル・シーズンを迎える「FRINGE/フリンジ」や、新ドラマ「パーソン・オブ・インタレスト」の見どころ、現在のTV業界についての考え、今後のプロジェクト、日本への思い、など、様々なトピックについて熱く丁寧に語ってくれた。
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Q.(ご自身が製作された)TVシリーズの中で、一番気に入っている作品は何ですか?
A.
どの企画も参加できてラッキーだと思っているよ。とりわけ好きなのは「フェリシティの青春」かな。何せテレビシリーズを手掛けるのが初めてだったから、多くを学ばせてもらったし、とてもハートウォーミングな楽しいシリーズだ。そうはいっても、「エイリアス」も「LOST」も「FRINGE/フリンジ」も「パーソン・オブ・インタレスト」も好きだし、それぞれも魅力があると思うけどね。どれか一つに絞るのは難しいね。
Q. シーズンを重ねることが難しく、シビアな業界にも関わらず、最近ではスピルバーグなど映画監督もTVシリーズに本格参戦する人が増えているように思えます。現在のTV業界の現状、またはJ.J.が感じることをお教えください。
A.
常にチャレンジングだよ。持ち出される企画でパイロットにこぎ着けられるのはごくわずかだし、パイロットのなかでも放映されるのはごくわずかだし、放映されても1シーズン以上続くのもごくわずかだ。だから常に闘いだ。そうはいっても、今はテレビの黄金期だと思っているよ。長編映画はマーケティングに左右されることが多いし、スタジオは常にマーケティングできるか否かということを視野に映画作りを決めている。だから映画ではリスクに挑むことが少なくなってきているが、その分テレビではリスクを厭わない企画が増えてきている。その結果アメリカのテレビや海外のテレビでも、ワクワクするような面白いシリーズがどんどん出てきている。映画ファンにとっては残念なことだが、今は映画よりもテレビでのほうが面白いものが見られる。映画でもオリジナリティを打ち出したいところだが、最近のトップ10リストを見ても、10年前やそれ以前と比べると続編、リメイク、リブートではない映画の数が格段に減っているだろう? だから今はテレビのほうが面白い。テレビがメディアとして(映画よりも)劣等であるという偏見もなくなってきているので脚本家や監督や俳優達がテレビに流れ込んできているし、結果、独創性に富んだ、エッジの利いた、キャラクターもストーリーも面白いものがどんどん出てきている。
Q.「FRINGE/フリンジ」 ファイナルを迎えるにあたっての気持ちはいかがですか?
A.
「FRINGE/フリンジ」は大好きなシリーズだ。今まで見てきた中でも最も奇妙なシリーズの一つに入るね。人の心情をしっかりと描きつつもあれほどユニークな設定をベースにしたシリーズに関わることができて本当に嬉しいと思っているよ。ファイナル・シーズンは13エピソードで放映されるので、フィナーレに向けてストーリー展開のペースをしっかりと作りこむことができた。ファイナル・シーズンは感情に訴えかけつつも、ハラハラする展開だよ。それとびっくりするようなエンディングになっている。
Q.「FRINGE/フリンジ<フォース・シーズン>」 の見どころを教えてください。
A.
「FRINGE/フリンジ」をあそこまで面白くしている要素の一つは二つの世界が描かれているという点にあると思う。フォース・シーズンの大部分はパラレル・ワールドで展開されるという大胆な設定だ。それとピーターとオリビアのラブストーリーも注目ポイント。今までは何となくほのめかしていた程度だったが、フォース・シーズンでははっきりと二人の関係を描いていき、それがフィフス・シーズンのドラマチックな展開につながっていく。このシリーズの何が素晴らしいかというと、この世界においてはあり得ないようなストーリーでありながらも、徹底的に感情に訴えかけるような作りになっているという点。展開や設定だけではなく、登場人物達の気持ちが大きな柱になっている。フォース・シーズンはこの部分において特に秀でていると思う。
Q.「パーソン・オブ・インタレスト」 爆発的ヒットの秘密は何でしょうか?
A.
人々が「パーソン・オブ・インタレスト」に魅かれる第一の理由は、現代では皆、監視カメラに囲まれているからだと思う。いつ、どこにいても、監視カメラだらけだ。街を歩いていてもカメラを気にとめることもなくなってきた。“では、その監視カメラが記録した情報が実際に利用されていたとしたら?”というアイデアが興味深いと思った。監視カメラの情報を集めたマシンが存在していて、そのマシンが、これから起こる犯罪、又は被害者が巻き込まれうる犯罪の予知につながるとしたらどうだろう?そして2人の意外なヒーロー達がその情報を使って皆を守るとしたら?このアイデアを持ち込んできたのはジョナサン・ノーラン。ジョナサンはバットマン・シリーズの脚本を共同執筆しているから、シリーズにバットマン的なカラーをもたらせてくれる。いわばマントなしのスーパーヒーローたちが世界を感知する監視カメラという、現代の我々が非常に共感できるツールを使うという設定だ。
Q.「パーソン・オブ・インタレスト<ファースト・シーズン>」の見どころを教えてください。
A.
冒頭のリースとフィンチはカーターという警官に追われている。リースとフィンチはまだ打ち解けておらず、お互いを疑っているが、お互いを必要としている。一方、追っているカーターは彼らの事情を全く知らない。シーズンが終わるころには全く違う様相を見せることになるが、それでもストーリーの一貫性は保たれている。舞台はニューヨークだが、一話完結型のストーリーが展開される。だから、シリーズの途中から見出してもすぐに追いつける。1話目から全部見ている人(本当はそうあってほしいけどね)は、それはそれで長期にわたるストーリーラインをしっかりと堪能できつつ、一話完結型のストーリーも楽しめるという二重の楽しみがある。アクションも素晴らしい!リース演じるジム・カヴィーゼルも素晴らしい!スティーブ・マックイーンやクリント・イーストウッドが昔演じていたような、クラシックなタフガイを演じてくれる。
Q.「ALCATRAZ / アルカトラズ」 の見どころを教えてください
A.
「アルカトラズ」のアイデアを最初に教えてもらった時、すごく気に入ったんだ。つまり、アルカトラズは凶悪犯罪者達が入所するカリフォルニアの刑務所なんだけど、語られてきた史実は実は虚構であり、移送されたはずの数百人の囚人たちはどこかへ消えてしまっている、そしてその事実が隠ぺいされたという設定だ。その囚人たちが現代に甦るというアイデアがとても魅力的で、キャンプファイアを囲んで語れるような面白い話だと思い、この企画を追うことにしたんだ。
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