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新番組「パーソン・オブ・インタレスト」クリエーター J.J.エイブラムスインタビュー! [その2] 「LOST」のあのキャラクターは本当は1話だけの登場予定だった

2012年10月10日
J.J.エイブラムスJ.J.エイブラムス
新番組「パーソン・オブ・インタレスト」クリエーター J.J.エイブラムスインタビュー! [その1] からの続き


Q. ケーブルテレビの作品が人気の中、なぜネットワーク局で番組を作るのか?

A.
今ケーブル局でかけようかと検討している企画はあるよ。ネットワークものだと1シーズン23~24話だが、ケーブルだとエピソード数も13話程度で済むし、ほとんどのケーブル局はコマーシャルブレイクもないし、言葉使いもある程度自由だからいいよ。ただ、今まで作ってきたものは、たまたま組んだネットワークとの相性が良かったんだ。 ネットワークにもケーブルにもそれぞれの魅力があると思う。だからケーブル局も視野に入れて行きたいと思っているよ。


Q. 作品中にちりばめられる様々な伏線について、それらの行く先・結末について最初からアイデアがあるのですか、それとも、後から考えていくのですか?

A.
場合によりけりだ。最初にアイデアがあって、それをそのまま最後まで通す時もあれば、途中で変更する場合もある。途中で変更する場合は、より素晴らしいアイデアが浮かんできたからなんだ。そして、それがシリーズを成功させる秘訣。つまりビジョンはしっかりと持ちつつも、現状に合わせて柔軟に変えていく姿勢も必要ということ。作品は生き物だから、キャスティングでも思わぬ展開があったりする。例えば1話だけ登場させるつもりのキャストがあまりにも素晴らしいので、メインキャストに加える場合もある。「LOST」のマイケル・エマーソンがそうだった。

逆に、素晴らしいラブストーリーが思い浮かんできても、キャスティングが上手くいかなかったり、視聴者のウケが悪かったり、脚本がいまいちだったりすると上手くいかない。だから、最初から全エピソード書くようなことをしてしまうと、使いたかったストーリーラインが使えなくなったりと、対応に困る。だからシリーズがおかれている現状に耳を傾けなければならない。従って予め考えているストーリーラインもあるけれど、後から着想を得て展開させるものもある。


Q. ソーシャルメディアやさまざまな電子機器の発達で、現実社会や人々の思考/行動も大きく変わっている。作品を作る上で、意識していることはありますか?

A.
もちろん。現代を反映したストーリーを語るなら、人々の現代の生活を忠実に描かなければならないからね。

現に今手掛けているシリーズで「REVOLUTION」というのがあるが、まさに今の質問がテーマになっている。ただ、今回は世界から電気がなくなったらどうなるか、という話なんだ。私も電子機器は好きだが、ストーリーテリングにおいては邪魔になることもある。つまり、情報がすぐ手に入り、すぐに人とつながることができる時代だから、発見にありつけたり、会いたい人になかなか会えなかったりという、ドラマチックなストーリーテリングの柱となるようなものを使えなくなっている。「REVOLUTION」では、皆が携帯電話を持って街中を歩いているという設定ではないから、ほっとするね。SNSやオンラインを駆使しゲームやパズルを組み込むなどして作品を盛り上げていくというやり方も楽しいが、それがマストになってはならない。プラスアルファで楽しめる程度のものにしておきたいね。


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