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【インタビュー】人気海外ドラマ「フレンズ」ガンター役ジェームズ・マイケル・タイラー(その1)

2012年11月15日
「フレンズ」ガンター役ジェームズ・マイケル・タイラー「フレンズ」ガンター役ジェームズ・マイケル・タイラー
大人気海外ドラマ「フレンズ」で、主人公の6人がいつもおしゃべりに興じていたコーヒーハウス「セントラル・パーク」のマスター、ガンター。セリフは少ないながらも、密かにレイチェルにレイチェルに思いを寄せるキャラは、観る者に強烈な印象を残した。

そのガンター役を演じた俳優ジェームズ・マイケル・タイラーがインタビューに応じてくれた。


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――あなたがコーヒー・マシンを使える唯一の人だったから、「フレンズ」のエキストラとして雇ってもらえたという有名な話があるそうですが、それは本当ですか?

ジェームズ・マイケル・タイラー(以下J)それは本当だよ。でも、それは、フェアリーテール・バージョンなんだ。すごく素晴らしく聞こえるけどね。すべて本当だけどね。僕がこれまでまったく言わなかったのは、僕は「フレンズ」を始める5年前にロサンゼルスに来ていたということなんだ。演技の修士号を持ってね。僕は、ただコーヒーショップで働いていて発見された男、っていうわけじゃなかったんだよ。


――あなたの友人が、番組に出る直前にあなたの髪をブリーチしたそうですが、ブリーチされた時、これはやりすぎだと思って心配にならなかったですか?

J:もちろんそう思ったよ(笑)。僕はたまたまやっただけなんだ。大体、髪はそんなにたくさんなかったし、僕は見かけを気にしたことはまったくない。僕にはそういう虚栄心の問題はなかったんだ。それで、ヘアスタイリストの友だちに練習させて欲しいと頼まれた時、「ああ、もちろん」と答えた。何も考えていなかったんだよ。「次の日にこの番組の仕事をしないといけない」なんてね。

でも、それがうまくいったんだ。これは90年代のはじめで、誰か他にこういうショッキングなブリーチヘアをやっていた人がいたかどうか知らないよ。ポスト・パンク的なものが感じられたんだ。でも、どうやら、ニューヨークのコーヒー・ショップのバーテンダーにはちょうど合っていると思われたらしいよ。だから、あれは運命だったんだね。


――当時、「フレンズ」はまだ始まったばかりで、どういう番組になるかわからなかったんですよね?

J:誰もこれだけ成功するなんてまったくわかっていなかったと思うよ。僕はいつも視聴率とかに注意を払っていなかったから、ちゃんと見ていなかったんだ。僕はただ働けるだけで嬉しかったんだよ。

その夏、「この番組は2シーズン目も(ネットワークに)ピックアップしてもらえるのかな?」って思っていた。当時、僕はまだただのエキストラで、何の台詞もなかったんだ。2シーズン目の真ん中あたりまでね。だから、美味しい食事と、クラフトサービス(撮影現場でいろいろな食べ物や飲み物を置いてあるところ)と、45ドル払ってもらって、コーヒー・バーの後ろに立つのを楽しみにしていたんだよ。

それで、僕は助監督に電話をしたんだ。「ヘイ、ジョエル。ちょっと気になってるんだけど、僕たちはまた戻ってこれるのかなあ。僕をまた呼んでくれるつもりなの?」って聞いたんだ。そしたら彼は、「え、知らないの?僕たちは夏中、再放送でずっとナンバーワンなんだよ。もちろん僕たちは2シーズン目、戻って来るよ」って。僕はとてもラッキーだったよ。


――どうやって台詞をもらえるようになったんですか?

J:マルタ・カウフマンというエグゼクティブ・プロデューサーでクリエイターの一人が、ある日、僕のところへやって来て訊いたんだ。「あなたは何か演技のトレーニングを受けたことがあるの?」って。それで、「はい。僕は演技で修士号を持っています」と答えたんだ。彼女は「それを知ってとても良かったわ」と言ったんだ。

そしてその後、何も言わずに向こうへ行ってしまった。それから一週間、「あれはどういう意味だったんだろう?僕に台詞をくれるつもりかな?そうだと素晴らしいな」と思っていた。

翌週、彼女は「ジェームズ、あなたのキャラクターに名前がついたわよ」って言ったんだ。「グレイト。何て言うの?」って訊いたら、「ガンターよ」って。そして「今日のエピソードであなたに台詞があるわよ」と言うので、「オー、ワンダフル。何なの?」と訊いたら、「『いやあ』って言うのよ」と答えたんだ。僕の最初の台詞は一言だったんだ。

でも、僕に台詞をくれるなんて、なんてナイスなんだろうと思ったよ。彼らは素晴らしい人たちだったからね。毎週現場に行って、いい仕事をしてきたことに対する贈り物だと思ったよ。

そして次の週にもまたちょっとした台詞をもらえた。最終的に、僕は、「ジェニファー・アニストンのキャラクター、レイチェルに夢中になるんだ。ガンターは、コミュニケーションをとるのがあまりうまくない。彼はちょっと変わった男になるんだよ」と言われた。

多分2つか3つのエピソードでそういうふうにガンターがレイチェルにオブセッションを持って、それで終るんだろうと思っていたら、それが10年も続いたんだ。キャラクターが変化していってね。とても有り難いと思っているよ。


――キャラクター作りで気をつけたことは?

J:ライターたちは、すごく変わった、すごく変に聞こえる台詞を書いたんだ。だから、「ガンターは抑圧されていて、少し変なんだ。でも、危険じゃない。ただ変なだけだ」と僕にはわかったよ。それを掘り下げていったんだ。彼はこういうふうにとても抑揚のない話し方をする。そして、ガンターは、レイチェル以外の誰も好きじゃないんだ。


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>> 撮影中の面白いエピソードは?(その2に続く)
 
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