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町山智浩インタビュー 「THIS IS US 36歳、これから」が大ヒットしている理由とは?
2018年3月15日
町山 智浩 氏
(c)TVGroove.com
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エミー賞、ゴールデン・グローブ賞W受賞の話題ドラマ「THIS IS US/ディス・イズ・アス 36歳、これから」のDVDが2月21日にリリース&レンタル開始。それを記念したトークイベントが3月1日(木)に東京・スペースSF汐留で開催された。
「THIS IS US/ディス・イズ・アス 36歳、これから」は誰もが共感できるリアリティ溢れる感動的なストーリー。平均視聴者数は1530万人を超え、「24-TWENTY FOUR- レガシー」や「プリズン・ブレイクシーズン5」の2倍以上の視聴率を獲得した“お化け海外ドラマ”と呼ばれている。
TV Grooveでも、これまで2回にわたるイベントの取材をしてきたが、今回のイベントには、ゲストに在米ジャーナリストで映画評論家の町山智浩が登場。TVグルーヴの単独インタビューに応じてもらい、ドラマの魅力や最新のハリウッド事情について語ってもらった。
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Q. 「THIS IS US 36歳、これから」は、2大海外ドラマと言われている「プリズン・ブレイク」や「24-TWENTY FOUR-」のように、過激で派手なアクションシーンがある作品とは全く違うタイプのヒューマンドラマです。このような作風の海外ドラマが大ヒットしたことには、どういった背景があるのでしょうか?
町山: 今のアメリカでは珍しい全世代向けのドラマだからです。昔は家庭にテレビが1台しかなく、夕食後に家族みんなでドラマを楽しむという生活スタイルが根付いていました。ですが今は、スマホやタブレットで各自が自室で好きなドラマを観れるようになったので、昔よりも年齢層やジャンルなどのターゲットを狭く絞ったドラマが多く製作されています。
それに、アメリカのテレビドラマの総数は、ネット配信も含めると500シリーズを超えていて、現在ピークを迎えていると言われています。ドラマは細分化され多様化され、先鋭化され、それぞれ視聴者の層が非常に限定されています。そのなかで、地上波ドラマはスポンサーがいますし、視聴率が大事だし、放送コードもありますから、万人に観られる無難な内容でなければならず、何でも許されるネット配信ドラマに押され気味でした。
そんな中、「THIS IS US 36歳、これから」は、性別も関係なく、子どもから大人まで、まさに家族みんなで楽しめるストーリーでありながら、非常に深くアメリカ人の心に食い込み、大ヒットしました。地上波ドラマの復活と言えるでしょう。
Q.「THIS IS US 36歳、これから」は、誕生日が同じ36歳の男女4人の物語で、それぞれ恋愛、家族、仕事に訪れる「壁」を乗り越えようとしますが、1997年からアメリカに移住された町山さんにとって、36歳はどんな年でしたか?
町山: 私が36歳の頃は、アメリカに移住して2年目を迎え、子どもが生まれた年でもあります。「THIS IS US 36歳、これから」のジャックとレベッカが子どもを持ったのと全く同じ年です。
特に子どもを持つことを視野に入れると、36歳ぐらいが節目の年でもあると思っています。
アメリカの大学の学費は4年間で軽く1000万円を超える学校ばかりなので、子どもに一番お金がかかる時に人生の収入のピークを持っていかなければいけません。そう考えると、36歳前後には子どもを持っておきたい。それに、正直な話、子育てには体力がいりますしね。
また、ランダルは36歳で、自分を捨てた本当の父親を見つけますが、会ってみたらガンの末期で、死ぬ寸前でした。これは僕にもほとんど同じようなことがあったので、『THIS IS US』は個人的に胸に迫りました。
Q. 昨年ハリウッドに激震が走ったセクハラ問題によって、不祥事があったキャストの降板やMe Too運動など、様々なムーブメントが起こりました。今年のアカデミー賞ではどのような動きが見られると思いますか?
町山: 2018年のアカデミー賞授賞式は、政治色が強いものになると予想しています。「THIS IS US 36歳、これから」でも、人種差別と戦いながら成功したビジネスマンや肥満に苦しむ女性を描いていて、いわゆる「マイノリティ」にフォーカスした内容になっていますが、今回、アカデミー賞で最多13部門にノミネートされている「シェイプ・オブ・ウォーター」もマイノリティへのメッセージを投げかけている映画ですし、田舎町を舞台にした「スリー・ビルボード」は暴力をテーマにした物語です。短編部門やドキュメンタリー部門もそういった内容の作品が多いので、受賞した作品に対する様々な政治的コメントが予想されますね。
(インタビュアー・文:加藤優花)
■リリース情報:
THIS IS US/ディス・イズ・アス 36歳、これから
DVDコレクターズBOX(9枚組¥10,400+税)発売中
DVD大好評レンタル中/全18話デジタル配信中
(C)2018 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.
「THIS IS US/ディス・イズ・アス 36歳、これから」は誰もが共感できるリアリティ溢れる感動的なストーリー。平均視聴者数は1530万人を超え、「24-TWENTY FOUR- レガシー」や「プリズン・ブレイクシーズン5」の2倍以上の視聴率を獲得した“お化け海外ドラマ”と呼ばれている。
TV Grooveでも、これまで2回にわたるイベントの取材をしてきたが、今回のイベントには、ゲストに在米ジャーナリストで映画評論家の町山智浩が登場。TVグルーヴの単独インタビューに応じてもらい、ドラマの魅力や最新のハリウッド事情について語ってもらった。
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Q. 「THIS IS US 36歳、これから」は、2大海外ドラマと言われている「プリズン・ブレイク」や「24-TWENTY FOUR-」のように、過激で派手なアクションシーンがある作品とは全く違うタイプのヒューマンドラマです。このような作風の海外ドラマが大ヒットしたことには、どういった背景があるのでしょうか?
町山: 今のアメリカでは珍しい全世代向けのドラマだからです。昔は家庭にテレビが1台しかなく、夕食後に家族みんなでドラマを楽しむという生活スタイルが根付いていました。ですが今は、スマホやタブレットで各自が自室で好きなドラマを観れるようになったので、昔よりも年齢層やジャンルなどのターゲットを狭く絞ったドラマが多く製作されています。
それに、アメリカのテレビドラマの総数は、ネット配信も含めると500シリーズを超えていて、現在ピークを迎えていると言われています。ドラマは細分化され多様化され、先鋭化され、それぞれ視聴者の層が非常に限定されています。そのなかで、地上波ドラマはスポンサーがいますし、視聴率が大事だし、放送コードもありますから、万人に観られる無難な内容でなければならず、何でも許されるネット配信ドラマに押され気味でした。
そんな中、「THIS IS US 36歳、これから」は、性別も関係なく、子どもから大人まで、まさに家族みんなで楽しめるストーリーでありながら、非常に深くアメリカ人の心に食い込み、大ヒットしました。地上波ドラマの復活と言えるでしょう。
Q.「THIS IS US 36歳、これから」は、誕生日が同じ36歳の男女4人の物語で、それぞれ恋愛、家族、仕事に訪れる「壁」を乗り越えようとしますが、1997年からアメリカに移住された町山さんにとって、36歳はどんな年でしたか?
町山: 私が36歳の頃は、アメリカに移住して2年目を迎え、子どもが生まれた年でもあります。「THIS IS US 36歳、これから」のジャックとレベッカが子どもを持ったのと全く同じ年です。
特に子どもを持つことを視野に入れると、36歳ぐらいが節目の年でもあると思っています。
アメリカの大学の学費は4年間で軽く1000万円を超える学校ばかりなので、子どもに一番お金がかかる時に人生の収入のピークを持っていかなければいけません。そう考えると、36歳前後には子どもを持っておきたい。それに、正直な話、子育てには体力がいりますしね。
また、ランダルは36歳で、自分を捨てた本当の父親を見つけますが、会ってみたらガンの末期で、死ぬ寸前でした。これは僕にもほとんど同じようなことがあったので、『THIS IS US』は個人的に胸に迫りました。
Q. 昨年ハリウッドに激震が走ったセクハラ問題によって、不祥事があったキャストの降板やMe Too運動など、様々なムーブメントが起こりました。今年のアカデミー賞ではどのような動きが見られると思いますか?
町山: 2018年のアカデミー賞授賞式は、政治色が強いものになると予想しています。「THIS IS US 36歳、これから」でも、人種差別と戦いながら成功したビジネスマンや肥満に苦しむ女性を描いていて、いわゆる「マイノリティ」にフォーカスした内容になっていますが、今回、アカデミー賞で最多13部門にノミネートされている「シェイプ・オブ・ウォーター」もマイノリティへのメッセージを投げかけている映画ですし、田舎町を舞台にした「スリー・ビルボード」は暴力をテーマにした物語です。短編部門やドキュメンタリー部門もそういった内容の作品が多いので、受賞した作品に対する様々な政治的コメントが予想されますね。
(インタビュアー・文:加藤優花)
■リリース情報:
THIS IS US/ディス・イズ・アス 36歳、これから
DVDコレクターズBOX(9枚組¥10,400+税)発売中
DVD大好評レンタル中/全18話デジタル配信中
(C)2018 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.
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