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ハリウッドで挑戦し続ける日本人俳優・尾崎英二郎インタビュー[その2]

2013年1月25日
ハリウッドで挑戦し続ける日本人俳優・尾崎英二郎インタビュー[その1]からの続き>>


Q. 映画やドラマを制作する上で、日本とハリウッドでは明らかに違う部分、似た部分はありますか?

A.
一番違うのは、監督でもプロデューサーでも俳優でも、ハリウッドにはその人を守る組合があるってことですね。まず労働時間が全然違います。ハリウッドは、たとえば9時に仕事が始まったら夕方には終わります。一定の時間を過ぎると、ペナルティーとして罰金を払わなければいけないし、仕事を始めて何時間か過ぎたらちゃんと食事を入れなければダメなんです。日本だと、25時終了解散で翌日8時集合みたいな労働時間のときもありますし…1日に撮り上げなきゃならないシーン数が多くてかなりタイトな場合もありますよね。

あと、ハリウッドのドラマや映画は必ず週休2日制なんです。ドラマの場合、土日休んで、土日以外の8日間で1エピソード取るっていう感じですかね。夕方に仕事が終われば家に帰って家族とご飯も食べれますし、翌日の準備も出来ますから、そこは豊かだな、と思いますよ。時間に関しての守られ方の違いはとても感じます。

報酬に関しても、組合があることでちゃんと規定があって、最低賃金が決まっているんです。マーケットが全然違うので、一概に日本とハリウッドを比較してはいけないと思うんですが、定められた報酬のルールがあるのとないのでは、本当に全然違います。


Q. ハリウッドで活躍する上で、英語力は必須項目だと思いますが、英語をマスターするコツ、オススメの勉強方法はありますか?

A.
日本で普通に英語を勉強していると単語のつづりを覚える癖がありますが、単語のつづりはコミュニケーションする上で不要なんですよね。僕らも会話するときに、漢字を書けなくても構わないじゃないですか。むしろ、瞬時に言葉を選べるか、聴き取ってもらえるように正しく効果的に喋れるかなんだと思います。

僕はキュウリが嫌いなんです。料理で出てきたら嫌だから、キュウリの英語(※キューカンバー=cucumber)を聞いて、いつも「キューカンバー」嫌いなんだよね、と言ってたんです。だけどある日、ふと、「あれ? キューカンバーってどう書くんだろう?」と思ったんです。嫌いなモノの名称だから普段書かないし、Cから始まるか、Kから始まるかもわからなくて。なので、英語を覚える上で一番重要なのは、正しい綴りではなく、正しい発音だと思いますよ。

あと、英語を勉強するときは文法も気をつけた方がよいと思います。文章の骨格ですからね。文法をデタラメにしとくと、会話するときもデタラメになるんです。丁寧に喋ってる人とデタラメ・片言の人では信頼される度合いもまったく変わってきますしね。


Q. 最近、気になっているハリウッド俳優はいますか?

A.
実はたくさんいるんですが、なかでも最近はロバート・ダウニーJr.やライアン・ゴズリングが気になっています。ロバートは、演技がものすごくリラックスしてるように見えるところがすごい。自分にはないものに憧れることってあるじゃないですか。僕みたいにどちらかというと生真面目なタイプとはまったく違う俳優さんなので本当に見ていて惹かれます。

ライアンのほうは、以前、飛行機の機内上映用映画で彼の声を吹き替えたことがあるんです。「ドライヴ」という映画でした。素晴らしくデリケートで深い演技を見せていたので、やっぱりそういうことがあると、その後も彼の演技を注意してみるようになりますね。それに彼はここ2、3年で俳優としての評価が急上昇してきているし、気になる俳優さんの1人ですね。

一番尊敬している俳優さんはジェームズ・ディーンです。僕の初舞台は「理由なき反抗」で、彼が演じた役をやったんですよ。彼の偉大さや演技の繊細さには、もう感服しています。


Q. 日本の女優さんでは、どなたか気になる方はいらっしゃいますか?

A.
原田美枝子さんです。演技力があるのはもちろんですし、何より品があっていいですよね。


Q. 最近ハマってるドラマや映画はありますか?

A.
近年では「FRINGE/フリンジ」という海外ドラマがずっと気になっていましたね。クリエイターのJ.J.エイブラムスとは一度お仕事をしてみたいです。以前インタビューさせていただいたことがあるのですが、すごく感銘を受けました。

あとはつい先頃見始めた海外ドラマ「ウォーキング・デッド」! これには、もう、唸りましたね。主演されてる方達の演技もすごいし、第1話に出てくるレニー・ジェームズという俳優さんの仕事ぶりは特に素晴らしかったですよ。すごくレベルの高いドラマだなぁと感じました。

映画では、『アベンジャーズ』や『Xーメン』などの影響で、
にわかにアメリカンコミックの壮大な世界観に魅了されています。


Q. 2012年にアメリカで起こった銃乱射事件についてはどう感じましたか?

A.
本当に痛ましい事件ですよね。僕自身もショックを受けました。特に2012年7月に起きた、「ダークナイト ライジング」を上映中の映画館での銃乱射事件は、被害者の方たちはもちろん、制作側の人達にとってもとても非常に残念な出来事だったろうなと思います。事件当時は、ハリウッド全体が沈んでいるような感じがありました。


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